18 世紀のポルトガルと 21 世紀の日本を舞台に、3 人の俳優がそれぞれ 1 人 2 役に挑んだ異色のラブミステリー『ポルトの恋人たち〜時の記憶』。このたび、初日舞台挨拶として主演の柄本佑(31)、中野裕太(33)、舩橋淳監督(44)が登壇いたしました。

柄本佑は、「もともとポルトガル出身のマノエル・デ・オリヴェイラ監督の大ファンで、新婚旅行もポルトガルにいったほど。ポルトガルに行けるらしいときいて、即座に「行きます!!」という感じでお仕事を受けました。脚本を読んだらわりとヘヴィな話だった(笑)」と出演のきっかけを語った。ポルトガルでの撮影は肌があったそうで「現場は監督と撮影監督以外は、ポルトガルの方でした。ランチには1~2 時間、コース料理にホールケーキが出て、ワインを飲みながら…それも映画作りの一部だという考え方なんですね。本当にほのぼのしていて。俺、あの時ポルトガル人だったのかもしれない!」と、憧れのオリヴェイラ組との撮影の日々を語った。英語のセリフにも初挑戦しており、「新しいことに挑戦するのは楽しい」と笑顔を見せた。

「だけど本当にすごいのはこの人ですよ!」と柄本が絶賛したのが中野裕太。「話をいただいてから渡航まで1ヶ月半。
(ポルトガル語を新たに習得するのは)気が狂うかと思った!知恵熱出ました」と語った。現場に入ったときにはすでに日常会話でスタッフとコミュニケーションをとれるレベルに達していたそうで、「イケメンで言葉も喋れる、現地でもモテモテでした」と監督が明かしていた。

スクリーンの中でも舞台上でも見事なコンビネーションを見せていた柄本と中野は「初めて会ったときからチューニングが合うというか息が合った」と互いに語ったが、柄本との初対面は「下駄をはいて現れましたね(笑)ポルトガル人かも?とか言いながら、大和スピリッツの男なんです(笑)」(中野)「ポルトガルへのトランジットでフランクフルトで金属探知機のゲートをくぐるときに、“ピンポーン”って鳴ってないのに検査の人に止められて。下駄を指さして“それはなんだ!”と問われて“大和スピリッツだ!”と答えたら“変な奴がいるぞ!”とスタッフがぞろぞろやってきた(笑)」(柄本)と語り、場内が笑いに包まれた。

舩橋淳監督は、ヒロインであるアナ・モレイラとのエピソードを披露。「崖落ちのシーンがあるんですが、あらかじめ写真は見せて、彼女も『フーン』という感じだったんですけど、実際現場を見ると『絶対嫌だ!!』と言い出して(笑)もちろん崖の向こうにはレスキュー班やスタッフが万全の安全体制を整えてるんですけど『絶対嫌だ!』と。スタッフが二人飛んで見せて、最終的には僕も飛びました(笑)」と監督も体当たりの撮影現場だったことを語った。

本作について柄本は「日本とポルトガルの合作ということで、こんなにポルトガルの風景を見られる映画もないと思います。きっと新鮮で楽しんでいただけたんじゃないかなと思います。ぜひ楽しいと思われた方は家族とか、親友とかそんなに親しくない友達とか…あるいは歩きながら「ポルトの恋人たち…」って言ってみるのもありかな(笑)すれちがった人が google 検索してくれるかもしれませんから(笑)」と SNS 時代の画期的な口コミをお願いして締めくくった。


出演:柄本佑、アナ・モレイラ、アントニオ・ドゥランエス、中野裕太 製作:Bando á Parte, Cineric, Inc., Office Kitano
プロデューサー:ロドリゴ・アレイアス、エリック・ニヤリ、市山尚三 脚本:村越繁
撮影:古屋幸一 編集:大重裕二 音楽:ヤニック・ドゥズィンスキ 監督・脚本・編集:舩橋淳
配給:パラダイス・カフェ フィルムズ 配給協力:朝日新聞社 協力:ポルトガル大使館
PG-12 公式サイト:porto-koibitotachi.com 【2018/日本=ポルトガル=アメリカ/139 分/シネスコ/5.1ch】
(C)2017『ポルトの恋人たち』製作委員会