第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品された『鈴木家の嘘』。同映画祭にて行われたレッドカーペットやワールドプレミア舞台挨拶は満員御礼で迎え、上映後に行われたチラシ&サイン会では長蛇の列ができ、鑑賞後のお客さんからは絶賛の声が多く寄せられるなど、盛り上がりを見せた本作。
そんな本作が第31回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門作品賞、ヒロインを務めた木竜麻生は東京ジェムストーン賞を受賞!!
日本映画スプラッシュ部門は、海外への飛躍を強く意識した部門であり、活況を呈する日本のインディペンデント映画から、とりわけ個性が強く独創性とチャレンジ精神に溢れる作品が選出される。過去に、大ヒットした『百円の恋』(武正晴監督)も受賞した作品賞に、『鈴木家の嘘』が輝いた!
一方「東京ジェムストーン賞」は、東京国際映画祭のビジョンの一つに掲げた「映画の未来の開拓」に沿って、宝石の原石(ジェムストーン)の様な輝きを放つ若手俳優を東京で見出し、顕彰し、世界に紹介することで、彼らがその輝きを増す一助となることを目的として昨年から設けられた賞。同映画祭に出品される全作品を対象に、男優・女優問わず日本と世界の若手俳優数名が選出される。昨年度には『勝手にふるえてろ』主演・松岡茉優や『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石橋静河など、映画界を盛り上げる今人気の若手女優らが受賞したことでも知られ、新人女優への木竜へ期待が高まる。

本日行われた授賞式にて野尻監督と木竜麻生が出席し、登壇スピーチで喜びを語りました。以下コメント全文となります。

<野尻克己監督コメント>
生まれてこの方、一度も賞をとったことがなく読書感想文でさえもらったことがないので驚いてます。
脚本は4年前に書き始め、こつこつ書いていました。体験を基にしつつ小さい映画にはしたくなかった。
魂をゆさぶる映画を撮りたいと思っていた4年前は、このような形で映画になるとは夢にも思っていませんでした。
先輩監督が、「監督は、なるものではなく、まわりの人にならせてもらうものだ」と仰っていたが、
その通りだと思っています。僕に監督にしてくださったキャスト、スタッフの皆さんの賞だと思っています。
審査員の方も僕の作品を認めてくださってありがとうございます。

<木竜麻生コメント>
このような素晴らしい賞をいただき本当にありがとうございます。
東京国際映画祭は今回初めて参加させていただきました。
作品に関わった皆さんといただけた賞だと思っています。
これからも精進してまいります。

デビュー作で初の映画祭出品が決まり、この度作品賞を受賞した野尻克己監督。4年の月日をかけ自身の経験を基に書き上げたオリジナル脚本は、キャスト全員が出演を即決するほど。スピーチの際には脚本を書いていた時期や撮影当時を思い出し、支えてくれたキャスト・スタッフへ感謝の気持ちを述べた。はじめ司会より結果発表がフライングされるハプニングもあったが、それについて監督は「正直ダメかと思いました…」と最後に安堵の様子を見せた。
瀬々敬久監督『菊とギロチン』や本作のヒロインに抜擢され、新人女優としてその名を広めた年となった木竜。同映画祭が初めての参加ということもあり、緊張な面持ちの中、作品に関わったすべての人へ感謝の気持ちを述べた。この度の東京ジェムストーン賞を受賞したことで、女優人生で大きな転機となりさらに期待が高まったに違いない。今後の活躍に注目が集まる!

【映画『鈴木家の嘘』情報】
『滝を見にいく』(沖田修一監督)、『恋人たち』(橋口亮輔監督)などを生み出した松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクト第6弾となる『鈴木家の嘘』。本作は、橋口亮輔監督(『恋人たち』)、石井裕也監督(『舟を編む』)、大森立嗣監督(『日日是好日』)など数多くの作品で助監督を務めてきた野尻克己の監督デビュー作。

<あらすじ>あまりにも突然に訪れた長男・浩一の死。ショックのあまり記憶を失った母のため、遺された父と長女は一世一代の嘘をつく。
ひきこもりだった浩一は、扉を開けて家を離れ、世界に飛び出したのだと―。母の笑顔を守るべく奮闘する父と娘の姿をユーモラスに描きつつ、悲しみと悔しみを抱えながら再生しようともがく家族の姿を丁寧に紡ぐ感動作。


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