「講談社青い鳥文庫」で累計発行部数300万部を誇る人気シリーズ「若おかみは小学生!」(原作:令丈ヒロ子・絵:亜沙美)。4月よりテレビ東京6局ネットにてTVアニメも放送され大きな話題を呼び、さらに、「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」等、数多くのスタジオジブリ映画の作画監督でも知られる高坂希太郎が『茄子 アンダルシアの夏』(03)以来15年ぶりとなる劇場公開作の監督を務めた劇場版『若おかみは小学生!』が9月21日(金)より絶賛公開中!

公開直後から、SNS上では「自然と涙が出てきた」「今年一番泣いた映画だった!」と感動の口コミが溢れ、おっこをはじめとする劇中キャラクターのファンアートを描いてアップする人が続出した本作。TOHOシネマズの多くの劇場で再上映が始まり、さらには、『君の名は。』の新海誠監督や『GANTZ』作者の奥浩哉氏、『モテキ』の久保ミツロウ氏、『ちはやふる』の末次由紀氏らもツイートで絶賛するなど、“若おかみ旋風”が巻き起こっている。

こうした反響を受け、本日10月21日(日)、立川シネマシティにてスペシャルトークショーが行われ、物語の主人公・おっこ(関織子)の声優を務めた小林星蘭と音響監督を担った三間雅文が登壇した。

公開から1か月を迎えたにも関わらず、多くの劇場が再上映を決定したことを受け、小林は「(こうした現象を)あまり聞いたことが無かったので、すごく嬉しいです!」と笑顔で感謝を報告。本作で音響監督を務めた三間は、「音響監督は簡単に言うと、監督を中心に役者や作曲家、音響効果の方々の間に入って調整する“通訳”みたいな仕事。例えば監督が『もっと明るく』と指示した際に、役者の方にそのまま伝えるのではなく、どうして明るくなるのかを説明したりする立場です」とまずは自身の役割を説明。本作において、「高坂監督からは、「ドカン!という音を入れてほしい」と要望があったので、じゃあ金属音で表現してみよう等と調整しました」と振り返った。

TVシリーズと劇場版、両方の演出をした三間は、アフレコがほぼ未経験だった小林の第一印象を「素直」と語り、「彼女の素直さには、演技ではなく本当に素直な気持ちがありました。他の大人のキャストの方々も、彼女の素直さに自分たちの芝居の原点にかえっていたんじゃないかなと思うくらい新鮮なアフレコ現場でした。収録が終わった後、キャスト全員『この現場に感謝している』と言ってくれましたが、すべて小林さんのおかげです」と大絶賛。一方小林は照れ笑いを浮かべ「自分はまだまだ初心者だなと思うところが多くて…。水樹奈々さんや松田颯水さんなど声優の方々に囲まれて、皆さんの力って本当にすごいなって」と謙遜しつつ、「おっこだけに見えるユーレイのウリ坊役の松田さんとの収録は、別室でお互いヘッドホンを付けて実際に他のキャストの方にはウリ坊の声が聞こえないように収録していたんです。経験のないことだったので、とても印象に残っています」と述懐した。

劇場版では俳優陣とプロの声優陣が混合するキャスティングとなったが、三間は音響監督として「声優が初めての方も結構いらっしゃったので、一つ一つのシチュエーションを丁寧に説明することを意識しました。特に、おっこの亡くなったお母さん役の鈴木杏樹さんは役について悩まれていたので、長い時間話し合いましたね。」と説明。結果として、「皆さん本当にお上手で、すごく自然だった」と称賛の言葉を贈った。完成した作品を観た小林は「客観的に見ちゃって…感動して涙が出てきました。「自分がやっているんじゃないんじゃないか」って、今までにない不思議な感覚がありました」とコメント。「アニメのような実写のような、本当におっこちゃんが話している感じがして、『私本当に収録してた?』って思いました」と会場を笑わせた。

そんな小林に対し、「一つ一つのことを聞き逃さないようにこちらの演出をまっすぐ聞いてくれた」と感謝した三間は、『茄子 アンダルシアの夏』でもタッグを組んだ高坂監督については「疲れました(笑)」と一言。どよめく客席に「とにかくこだわりがすごいんですが、高坂さんはそのこだわりを明文化しないので、それを探るのがとても難しい」と釈明し、「自分からアイデアを10個出すと、高坂さんは「よし!全部やろう!」って言う人。今回は高坂さんの話をじっくり聞いて進めていこうと思いました。『茄子 アンダルシアの夏』ではだいぶ苦労したので(笑)」と笑顔で当時の心境を吐露。本作で「おっこが同級生の真月とケンカして、『うぅ~っ』と唸るシーンで、三間さんから『もっと強く、もっと唸って』と指示されたのがすごく大変でした」と語った小林にも、「高坂監督の無茶をお伝えしただけなんです…(笑)。小林さんの若さで腸が煮えくり返るほど唸った経験はないはずなのに、その節はご迷惑をおかけしました。」と陳謝した。

イベントでは、多くの鑑賞者から「もう一度聞きたい!」と反響の高い劇中の挿入歌『ジンカンバンジージャンプ!』を小林が生披露。本楽曲は、おっことグローリー・水領(ホラン千秋)がドライブするシーンで流れるが、小林の歌に合わせて該当シーンがスクリーンに映し出されると客席からはどよめきが。手拍子が起こり会場全体が一体感に包まれる中、三間は「劇中歌を歌っているのが、小林さん本人であることを今日の登壇の打ち合わせまで知らなかった」と告白し観客を驚かせ、「けど今日聞けてよかった。娘の歌を聴くようでドキドキしました」と喜びを語った。歌い終えた小林は「緊張しましたが、皆さんと盛り上がれて楽しかったです。まだまだ“若おかみ”頑張りますので、皆さんぜひ映画を観て、拡散してください!」と改めて本作をアピールした。