第23回釜山国際映画祭、映画『寝ても覚めても』台風直撃で野外舞台挨拶中止の悲劇もはねのけ、Q&Aは延長しても終わらない!
現在、全国にて大ヒット上映中の『寝ても覚めても』。初日からメイン劇場で
あるテアトル新宿では立見が出るなど全回満席の大ヒットスタートを切り、世界では 20 ヶ国以上で公開が決まっている。SNS でも「今年一番の傑作!」「この映画凄すぎ!」「また観たくて身体震える…」などの感想と共に「もう 5度目の鑑賞…」といった『寝ても覚めても』中毒者が出るほどの、ファンを作っている。
その『寝ても覚めても』が、カンヌ国際映画祭、トロント国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭に続き、アジア最大級の映画祭である、第 23 回釜山国際映画祭(10 月 4 日開幕)に出品され、主演の東出昌大とヒロインの唐田えりかが正式上映後の Q&A に登壇。前日の海雲台グランドホテルで行われたマリ・クレール・アジア・スター・アワード 授賞式では2人揃って「フェイス・オブ・アジア」賞を受賞した。
■10月 5 日(金)
・マリ・クレール・アジア・スター・アワード 授賞式 19:30~21:00
@海雲台グランドホテル(グランド・ボールルーム)
フェイス・オブ・アジア受賞者:東出昌大、唐田えりか
★白熱のQ&A
同日 10 月 6 日(土)15:29(日本同時刻)にはアジアの風部門に出品された『寝ても覚めても』公式上映後に、東出、唐田による Q&A を実施した。台風直撃のため、残念ながら野外舞台挨拶は中止となったが、チケット発売 3 分で完売した「寝ても覚めても」の上映は、悪天候のなか、いち早く本作や東出昌大、唐田えりかを見たいと駆け付けたエンドロールが終了すると、客席で観客と一緒に鑑賞していた東出、唐田が登壇。二人とも韓国語で自己紹介すると、大きな拍手が沸き起こった。客席からの Q&A を受け付ける際に、東出、唐田え自身が質問者を選ぶというスタイルに、客席の熱は一層ヒートアップした!
一人二役の演じ分けはどうだったか?という質問に東出は「濱口監督から撮影に入る前に、演じ分けないで下さい、という指示をもらいました。 演じ分けたという意識はなく、麦という人物と亮平という人物の二人を同時進行で撮影していたという感じです」 と回答。またそれぞれの役柄と自分自身の似ている点があるかと問われると 「麦を動物に例えると猫で、亮平は犬だと思います。僕自身はどちらかというと 猫なので、そういった意味では麦に似ているのかもしれません」と東出。
唐田は「私は脚本を読んだ時から朝子に共感しましたし、演じているうちに何か芯の部分がどんどん朝子に 近づいていった気がしました。とにかく何も考えずに朝子を生きた、という感じです」と寝ても覚めても“寝ても覚めても”の朝子状態だったことを明かした。それに対し、そばで唐田を見守っていた東出は「唐田さんは何も考えずに、と言っていましたが、何かゾーンに入ったような感じで演じているのを傍で見て感じていました。
まさに濱口映画のミューズ誕生といった感じでした」 と本作でヒロインデビューの唐田を大絶賛。
釜山国際映画祭初参加の二人。韓国のお客さんにメッセージをと言われ東出は「韓国が好きで、プライベートでも何度も来ていますが、初めての釜山で、『寝ても覚めても』を観てもらえてとても嬉しいです。日本でもこの作品は観る人によって感想が十人十色なので、映画に対して熱心な韓国のお客さんからどのような反応が得られるのか、とても興味深いです。カンヌでフランス人のジャーナリストに”日本では婚約者が他の男性と 出て行ったらあんなに怒るのか?”という質問を投げかけられて、やはり文化が違うな、と思ったのですが、韓国の人は日本の人と同じような気持ちになってくれるのでは、と思っています」。唐田は「ひょっとしたら、観た人は朝子に共感できないかもしれませんが、この映画を観て何か感じとってもらえれば嬉しいです」と答えた。
30 分の Q&A 時間を延長しても質問は引きも切らず、最後に司会者が Q&A 終了を告げると、二人にサインを求める観客が殺到し、二人の退場もままならないほどの熱気で溢れた Q&A だった。 韓国では来年のホワイトデー公開を予定している。
★2 人揃って受賞!!
また、前日に行われたマリ・クレール Asia Star Award では『寝ても覚めても』で東出、唐田が揃ってフェイス・オブ・アジア賞を受賞。韓国語で挨拶をした。日本でも TAMA 映画賞での最優秀作品賞、東出の最優秀男優賞の受賞がアナウンスされたばかりだが、それに続く韓国での受賞の知らせと共に、韓国プレミアに美しい花を添えた。
<受賞コメント>
東出:こんにちは。東出昌大です。このような映えある賞を頂き大変光栄に思います。ただ一言、アジアで仕事したいです。
賞をありがとうございます。
唐田:こんにちは。初めまして。唐田えりかです。今日はとてもとても嬉しいです。また、釜山国際映画祭に参加出来るように、頑張ります!
ありがとうございました。