大ヒット上映中の『寝ても覚めても』。初日からテアトル新宿では立見がでるなど全回満席という大ヒットスタートとなった本作。世界では 20 各国以上で公開が決まっている。SNS でも「今年一番の傑作!」「とにかく普通の恋愛映画だと思って観に行ったら凄まじいものを観せられた!この映画凄すぎ!」「完全に『寝ても覚めても』中毒になった…。
また観たくて身体震える」などの大絶賛の感想で連日大盛り上がり!

大盛況のティーチイン第三弾には、岡崎を演じる渡辺大知さんと濱口竜介監督が登壇しました!渡辺は本作で麦の遠縁にあたる親戚の岡崎を演じている。古い家屋に暮らし母(田中美佐子)と居候の麦と生活している。朝子(唐田えりか)や春代(伊藤沙莉)とも仲が良く、ある夏には花火と西瓜、夏の風物詩をみんなで楽しみ、その中でもムードメーカーとして周りを笑顔にする岡崎。麦が姿を消し、朝子が東京に行った後、彼がどんな時間を過ごしたのかは映画を観た人にしかわからない。ただ、登場人物の中で一番と言っていいほど、日々を生きる大切さを日々噛み締める役どころだ。物語の深みを与える登場人物として、本作を深堀りしました!

★渡辺大知「いちファンとして、とても好きな映画」

開口一番、会場につめかけた多くのお客さんを前に「土曜日のお昼という、一番いい時間にこの映画を選んで頂いてありがとうございます!」と濱口監督は挨拶。そして渡辺さんは「実はぼく、昨日も劇場に観に行ったんですよ。一ファンとして、とても好きな映画です」と告白。再度観直してどこが好きだったかと話し出した渡辺は「『寝ても覚めても』を2回観たんですよ。初回と二回目、別々のとことで泣きましたね(笑)。終盤の麦(東出昌大)と朝子の2ショットシーン。あそこの淡い色合いが、滲んで見え辛いような映像がとてもいい色で!後は中盤、物語の重要なシーンで原作にはない演出なんですけど、暗転してものすごい地響きが聞こえる。(実際にあった出来事を取り入れているが)当時のことを思い出して、その時の自分と呼応して、誰かの腕を掴みたくなるような心持になりました!」と自身の出演している映画にも関わらず、はにかむ監督を横目に、底知れぬ愛を剥き出しに好きなシーンをしゃべり倒していた!さらに、今SNSでも話題になっている、朝子の突飛な行動。その後のバスのシーンで見せる唐田えりかの表情についてはふたりそれぞれが泣きそうになったと話していた。
なんであのシーンが撮れたのか、という渡辺の問いかけに濱口監督は「なんどきなしにに見ていたら、すごい表情をしているな、と。急ぎカメラを回して、唐田さんを見ていたら僕も泣きそうになりました」と当時を振り返った。

★「監督にしてやられた」!?観客の気持ちを覆す映画が作りたかった。

本作の冒頭に火花が散って、出会い頭に恋に落ちキスをする麦と朝子。とても夢見心地のような場面設定に、そんなわけないだろ、と誰もが思う瞬間に渡辺演じる岡崎が「んなわけねーだろっ!」と快活に一蹴するシーンがある。その言葉をどうして入れたのか、という質問に「誰が観ても同じ気持ちを抱くシーンだと思います。だから、岡崎に観客との橋渡しをしてもらったんです。誰かだ言ってくれると安心するでしょ」と監督。そして「朝子の感情が読みづらい、あのシーンはどういう意味だったの?」という質問に対しては「基本的には人ぞれぞれの解釈をして頂ければ。観る人によってそれぞれの人生が見えてくる作品になっているのはないかと」とあえて回答をにごした監督。渡辺からも監督に質問「僕は結果としてそうなることはあるけれど、感情移入で映画を観ることはないんですね。感情移入しなかったから悪い映画だとも考えないです。感情移入させようとして映画を作ることってありますか?」という渡辺の言葉に、監督は「本当に性格の悪い人間だと思われるかと思うんですけど、7 割くらいは感情移入させるつもりで作ってます。7 割くらい人のこと分かった気でいたら、最後にそれをくつがえすということをしたくてやってるんですよね(笑)」と仰天告白をした。『寝ても覚めても』はどこまでが監督が意図していることなのだろうか、濱口監督マジックにもう一度騙されてみたくなるような回答に、場内もざわついた。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS
★公開表記:テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷シネクイントほか全国大ヒット公開中!