新井英樹原作の熱狂的なファンを持つ漫画の実写映画化作品『愛しのアイリーン』が、大ヒット上映中だが、本作で主演安田顕の新妻アイリーン役を演じているフィリピンで活躍する女優ナッツ・シトイ(27)が緊急来日し、監督の𠮷田恵輔監督(※吉は土よし)(43)と公開記念ティーチインイベントが本日都内で実施された。

観客から割れんばかりの拍手で迎えられたナッツは「皆さんの心に残ることを祈っています」と述べ、吉田は「自分は久々に観たので他人の映画を観ているようだ」と会場を沸かせつつ、感謝の意を述べた。
その後、鑑賞直後の観客から質問を受けるティーチインの時間に、観客から「劇中のアイリーンはその後どうなったか」という質問に吉田は「原作漫画のラストではアイリーンと岩男の子供“岩子”が登場します。漫画と同じくそのシーンも撮影したが、ただの説明をしているだけのような感じになり、雪山の盛り上がったシーンで終わりたかったので、カットしました」という幻の別エンディングの存在を語った。
続いて「ナッツさん自身は岩男の事を好きになったんでしょうか?」という質問が挙げられるとナッツは「私は撮影中、役に入り込み自分自身アイリーンと思っていた。アイリーンとして岩男と恋におち、愛していました」と純粋な気持ちを語った。
次に「ナッツさんをフィリピンでどうやって見つけましたか?また役が決まった時のナッツさん自身のお気持ちはいかがでしたか?」という質問には、まず吉田が「フィリピンのプロダクションを通じて約10名くらいのオーディションをしました。4番目のナッツを見た瞬間に、見つけた!と思いました。まさに漫画から飛び出してきたようなアイリーンそのままでした。そのあとの6人は消化試合でしたね(笑)」とオーディションの裏話を語り、ナッツは「この役が決まり始めて脚本を読んだときに引き込まれました。それまで女優をあきらめかけていた時期もあったのですが、役者としてステップアップできると思いました」と語った。
観客から「おすすめシーンは?」と聞かれると吉田は「フィリピンでのお見合いに行くバスのシーンで、僕一番後ろに座っているんです。その隣は音声さんで、スマホを観ている演技をしながら音声を確認していますので、次に観るときはそこにも注目してもらいたいです」とカメオ出演している撮影裏話を語った。一方ナッツは「商店街を岩男と歩き、心を通わせるシーンが印象的です。あの時は自分の心から出た演技だったので自然にできました」とまじめに語り、吉田から「天才!」と太鼓判を押された。
最後に吉田は「こんな変な映画は他にないので、ぜひ友達におすすめしてください」と監督として宣伝の仕事も忘れず、ナッツは「なかなか日本で観客と一緒に作品を観られる機会は無いので、今日はとても嬉しかったです」と観客に改めて感謝の気持ちを伝えた。

出演:安田顕 ナッツ・シトイ 河井青葉 ディオンヌ・モンサント
福士誠治 品川徹 田中要次/伊勢谷友介/木野花
監督・脚本:吉田恵輔(※吉は土よし)
原作:新井英樹「愛しのアイリーン」(太田出版刊)
音楽:ウォン・ウィンツァン
主題歌:奇妙礼太郎「水面の」 (WARNER MUSIC JAPAN/HIP LAND MUSIC CORPORATION)
企画・製作:河村光庸 製作:瀬井哲也 宮崎伸夫 エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸 岡本東郎 プロデューサー:佐藤順子 行実良 飯田雅裕
製作幹事:VAP 企画・制作・配給:スターサンズ 制作協力プロダクション:SS工房
2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ(VAP/スターサンズ/朝日新聞社)レイティング:R15+