この度、2018年9月21日(金)公開、映画「食べる女」(配給:東映)にて、9月20日(木)19:30より二子玉川蔦屋家電にて、原作者・脚本・プロデュースを務める筒井ともみによる、「おいしいレシピとおいしいトーク」イベントが開催された。

小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香と、今を代表する豪華女優陣の共演が大きな話題となっている映画『食べる女』。筒井ともみ著『食べる女  決定版』(新潮文庫)の短編集を、筒井自身が脚本化した。登場する女性陣はそれぞれに悩み抱え、自分にとっての本当の幸せは何なのかを模索し、見つけていく・・・。

そんな本作の原作・脚本・そして映画にでてくる料理のレシピの考案者でもある、筒井ともみ自身によるトークショーが開催され、映画・料理の話、そして映画に出てきた実際の料理を、イベント参加者に実食いただくイベントが開催された。

この日集まった料理はもちろん、映画も楽しみにしている参加者の前に登場した筒井。そんな観客を前に、映画『食べる女』の舞台裏が筒井自身の口から語られた。なぜ「“食”と“性”をテーマで作品を書こうと思ったのか?」と問われると、
「最初出版社からお話をいただいた時は、高級レストランで展開するラブアフェアなラブストーリーをお願いされたんです。」
と暴露する筒井。
「だけど私はそういった高級レストランも好きじゃないし、実直な食べ物と普通に、だけどチャーミングに生きている女性たちの物語を描くことにしました。そして私は食もセックスもどちらも大事なもので、同じフィールドの中のものだと思っています。なので今回”食”と”セックス”をテーマにした作品を作り上げました。」と語った。

そんな経緯を経て映画化に至った本作。しかしその道のりは簡単ではなかったと筒井は言う。
「最初は「セックス・アンド・ザ・シティ」のようなものを作ってと言われたんです。だけれど私はそういった作品は好きではないので、今回のような脚本を書いたのですが、「話が分かりづらい」と言われて、思うように実写化に至らなかったんです。そこでやっと東映とお話が結び、いい意味で”リアルな女たち”を描く映画ができたと思います。」とコメントした。

そして原作を書き上げていた10年以上前から、主演は”絶対に小泉今日子”がいいと思っていたと語る筒井。

「小泉さんとは「センセイの鞄」という作品で初めて出会ったのですが、とてもきっぱりした方だし、小泉さん自身がとても”おいしそうな方”だなと思ったんです。それに私の描きたい世界にピッタリだと思っていたので、主演は絶対に小泉さんがいいなと思っていました。」
と脚本を書きあげてから映画化に至るまで、筒井は約2年間小泉にラブコールを送り続けたと語った。

また本作は小泉以外にも、沢尻エリカ、前田敦子、鈴木京香など、豪華女優陣の共演が大きな話題となっているが、キャスティングはすんなりと決まったという。
筒井は「スタッフ・キャスト誰に聞いても楽しかったと言われるようないい雰囲気の現場でした。それに全員がくいしんぼうで大食いなんですよ。そこもよかったかなと思います。」と笑顔で語った。
そして女優陣が勢ぞろいする食事会のシーンの雰囲気を聞かれると、
「その場で私が実際に料理を作ることはありませんでしたが、暖かいものは食べる人のことを考えてベストのタイミングで出せるようにしていました。だから女優陣のみなさんもカットがかかっても食べ続けていて(笑)
みなさん残すことなく、きれいに食べてくださったんですよ。ある日の現場で、菜の花の昆布締めが出ていたんですが、私は普段から料理と自分の間に極力、距離を作りたくて、手で食べられるものは手で食べるんです。そして撮影現場でもみなさんに”手で食べて!”と言っていました。その演技もとてもよくてみなさんまさに”おいしい女”でしたね。」
と撮影現場の舞台裏の様子を語った。

また筒井自身も食べることが大好きで料理は毎日作り、献立も毎日自分で考えいるというが、そのコツは「”手書き”で献立を書き上げること」だそう。
筒井は「自分で献立を書いていると手順が改めて自分の中で整理できて、スムーズに料理をすることができるんです。だから私、食材を余らせることがほとんどないんですよ。」と自身のコツを観客に披露した。

そして料理の話が盛り上がる中、実際に筒井自身がこの日のために作った料理が参加者の前に運ばれた。この日用意された料理は、映画にも登場し実際にキャストも食している、「手羽先の岩塩焼き」「牛ひきと春雨の煮込み」「だだちゃ豆ごはん」の3品。
その日集まった参加者に早くも料理のコツを披露する筒井。筒井のこだわりだという、大皿に盛られた料理を思わず身を乗り出して覗き込む観客たち。筒井自身が取り分けた料理を口にした観客たちからは思わず「おいしい」という言葉が漏れた。

もともとあるレシピを自分で作りながらアレンジをしていくという筒井だが、作品を作り上げるうえでも、「他人が発したある一言を掘り下げて作品に活かすこともある」と言う。しかし一番のいい素材は「自分自身」だと語り、「そこが作品の人物を作り上げるうえで核になります」とコメントした。

参加者が映画の話を聞きながら料理を味わう中、早くもイベント終了の合図が告げられ、最後に筒井は本作のキーアイテム”満月”にかけて、
「今年の十五夜は24日で、映画公開後の3日後にやってきます。十五夜は月に願い事をする日ですけれども、世間も普段はこの時期
ハロウィーンでにぎわっていますが、そういった雰囲気今年は少ないように感じます。
今年は災害が多い年だったからでしょうか。そんな年だからこそみなさんもこの映画を観て、月に何かお願い事をしてもらえればなと思います。」と締めくくり、イベントは終了した。

===STORY===
とある東京の古びた日本家屋の一軒家、通称”モチの家”。家の主は雑文筆家である、古書店を営む・敦子(トン子)。
女主人はおいしい料理を作って、迷える女たちを迎え入れる。男をよせつけない書籍編集者、いけない魅力をふりまくごはんやの女将、2児の母であり夫と別居中のパーツモデル、ぬるい彼に物足りないドラマ制作会社AP、求められると断れない古着セレクトショップ店員、料理ができないあまり夫に逃げられた主婦、BARの手伝いをしながら愛をつらぬくタフな女・・・。
今日も、人生に貪欲で食欲旺盛な女たちの心と体を満たす、おいしくて、楽しい宴が始まる。

===作品概要===
【キャスト】小泉今日子 沢尻エリカ 前田敦子 広瀬アリス 山田 優 壇 蜜 シャーロット・ケイト・フォックス 鈴木京香/
ユースケ・サンタマリア 池内博之 勝地涼 小池徹平 笠原秀幸 間宮祥太朗 遠藤史也 RYO(ORANGE RANGE) PANTA(頭脳警察) 眞木蔵人
【監督】生野慈朗 【原作・脚本】筒井ともみ『食べる女  決定版』(新潮文庫刊) 【主題歌】 「Kissing」Leola(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ) 【音楽】富貴晴美 【コピーライト】 © 2018「食べる女」倶楽部 【区分】PG12 【公式HP】 http://www.taberuonna.jp/