第70回のエミー賞で6年連続ノミネートを果たし、第34回テレビ批評家協会賞ではプログラム・オブ・ザ・イヤーを含む3部門を受賞した大人気海外ドラマ「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」。シーズン1&2のDVDリリースを記念し、映画評論家町山智浩をゲストに迎え、トークショー付試写会が開催された。イベントでは第1話を上映後、カリフォルニアから帰国した町山智浩が登壇し、本作について徹底解剖した。

本作は、潜入、暗殺、ハニートラップなどあらゆる手を駆使したスパイ・ミッションと、彼らを追うFBIとの攻防戦をスリリングに描いた【S級スパイ】の任務を描くサスペンス・アクション。本作についての感想を求められた町山は「スパイが題材のホームドラマです。夫婦間の嫉妬や痴話喧嘩が描かれていて誰にでも共感を呼べるドラマになっています。話数が進むごとに死体の数が増えて、大変な事態になる。収集がつくのかな(笑)」とコメントした。
元CIAのスパイが企画・製作総指揮をしているだけに、圧倒的なリアリティで繰り広げられる本作の時代背景に関して、1980年にレーガン大統領が勝利し“悪の帝国演説”を行い、1983年に米ソ間で核戦争が始まる寸前だった当時、大学生だった自分の過去を振り返りながら最前線の水面下で戦っていた米ソのスパイや核戦争を未然に防ぎ「世界を救った男」と呼ばれているスタニスラフ・ペトロフなどの人物の紹介をふまえつつ、本作が当時の時代背景を忠実に描いたクオリティの高さであると解説した。

一方で、本格的なスパイ・アクションものと謳いつつも、スパイとはまた別の顔として夫婦や親としての側面も取り上げたホームドラマとしての本作の魅力について聞かれると、「ミッション遂行の一環として仮面夫婦が“作らされた”子供が何よりも大事になってしまったスパイ夫婦の心情の変化や関係性もまた見どころ」だと語り、9月18日に発表された第70回エミー賞で、本作品が『主演男優賞』『脚本賞』と栄えある賞に受賞された件に触れた。授賞式中に受賞者の一人が客席の恋人にプロポーズし話題となった一連の場面を受けて、「実際に現実でもパートナー同士で事実婚状態である主演の夫婦を演じるケリー・ラッセルがマシュー・リスに対して、『プロポーズしないでね』と言ったんですよ。夫婦の関係性がドラマのままで面白いですね。」とコメントし授賞式で話題となったエピソードも披露した。
 
また、事前にTwitter上でファンから募集していた質問の一つの『ソ連のスパイがアメリカに潜入という反感を買いそうなドラマがシーズン7まで続くほど人気が出た理由』について問われると、「次第にアメリカナイズになっていくフィリップと、冷たいソ連スパイであり続けるエリザベス。我々見ている方はソ連が崩壊している現実を知っているけど、劇中の彼らは知らないからこの先どう生き残るか、というところが面白いんじゃないかな。」とコメントし、スパイという特殊な職業に関係なく本作は『夫婦』や『父と母の問題』など、視聴者が共感しうるストーリーであることを「サザエさんがスパイみたいなものですよ、波平の頭の髪の毛はアンテナで、ボスはタラちゃん。タマがロボット」と国民的にアニメに例え、会場は笑いに包まれた。最後に、「見ていくうちに、だんだん良くなる。シーズン3で、観ていてよかった。と感動を呼ぶところがあって、シーズン6までありますので長いですが頑張っていきましょうね(笑)」と締めくくりイベントは大盛り上がりの中終了した。「ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ」は現在発売中だ。


作品名 『ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ』

セルDVD発売中
DVDコレクターズBOX 7枚組 各¥9,000+税

デジタル デジタル配信中

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発売元  20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン