シンガポールを舞台に恋人とそのセレブ一族との間で揺れる独身女性の葛藤と成長を描いた映画『クレイジー・リッチ!』(配給:ワーナー・ブラザース映画)が9月28日(金)より新宿ピカデリー他ロードショーとなります。来週の日本公開に先駆けトークショー付き試写会を実施いたしました。音楽情報サイト『bmr』の編集長を務める音楽評論家/編集者/ラジオDJであり、アジア系ポップカルチャー評論家の丸屋九兵衛さんにご登壇いただき、本作の魅力を存分に語っていただきました!!

【日時】9月18日(火)イベント21:05~21:30(25分) ※試写上映後
【場所】ワーナー・ブラザース 内幸町試写室(東京都港区西新橋1-2-9 日比谷セントラルビル)
【ご登壇者】丸屋九兵衛(アジア系ポップカルチャー評論家)

映画を観終えたばかりの満員の観客の盛大な拍手に迎えらえ、本作には主人公の親友ペク・リン役で出演し、ラッパーとしても活躍中のオークワフィナの代表曲「Yellow Ranger」をBGMに登場した丸屋九兵衛氏。まず、世界興収1憶8800万ドルを記録し大ヒット中の本作について「ハリウッド映画では25年ぶりのオールアジアンキャストという大快挙なんです!」と述べる。「実は多民族国家である米国で1番映画を観ることにお金を費やしているのは誰か?―アジア系なんです」さらに続けて「最も平均年収が高いのもアジア系、25年前(90年代)はアメリカの3%未満しかいなかったアジア系だが、いまやアメリカ人の15人に1人がアジアの血を引いている」という。「そんな中で、アジア系主演作は150本に1作あるかどうかでしょ?そんな25年間を経てようやくアジア系によって作られた映画が『クレイジー・リッチ!』なんですよ!」と本作の意義を熱く語った。また、本作の個性豊かなキャラクターを演じるキャストたちについて、「なんといっても(主演の)コンスタンス・ウー!「フアン家のアメリカ開拓記」というドラマで一気にネームバリューがあがった」と、彼女の演じたキャラクターやその演技について注目する。また、「お笑いとラップを駆使してアジア系のステレオタイプと闘ってきたラッパー兼コメディアン兼女優のオークワフィナが演じるペク・リンのキャラクターが最高!」と語り、アメリカで人気のコメディアン兼女優のエレン・デジェネレスを例えた劇中の台詞にも触れ、日本語字幕のアレンジを納得と評価する。さらに、ペク・リンの父親を演じたケン・チョンの俳優になるまでの珍しい背景や、アメリカのコメディ界で活躍する丸屋氏お気に入りのジミー・O・ヤン(バーナード役)のおもしろ漫談エピソードなどディープなトークが炸裂。アジア系だけどアメリカを舞台に活躍する俳優・コメディアンたちを称え、本作のキャストにいかに注目すべきかを語った。

他にも、原作者の出自について、25年前のアジア系メインキャストの映画『ジョイ・ラック・クラブ』へのオマージュについてのトリビア、シンガポールの団地に住み込み経験のある丸屋氏の体験談や旅行でのアドバイスなど、最後のフォトセッション中までも話題は尽きず、あっという間に終了の時間に。イベントは大盛況のうちに終了した。

監督:ジョン・M・チュウ『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』 原作:ケビン・クワン著「クレイジー・リッチ・アジアンズ」(竹書房) 出演:コンスタンス・ウー、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ヨー、オークワフィナ、ソノヤ・ミズノほか 配給:ワーナー・ブラザース映画 2018年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/英語/121分/原題:Crazy Rich Asians