東出昌大を主演に迎え、濱口竜介監督が芥川賞作家・柴崎友香による同名恋愛小説を映画化した『寝ても覚めても』(全国にて大ヒット上映中/英語タイトル「ASAKOⅠ&Ⅱ」)。

このたび、カナダ現地時間9月12日(水)18:15(日本時間13日(木)7:15)から北米プレミアとなる公式上映が第43回トロント国際映画祭にて行われ、濱口竜介監督が登場しました。

初のトロント国際映画祭への参加となった濱口竜介監督。到着翌日からカナダ媒体による取材が行われ、「フィクションでありながら自分の内側にある感情と出会う、まるで瞑想をしていかのような特別な映画体験だった」「寓話のようでありながら、誰しもにあてはまるところあって説得力がある」「リアリティがあって感情豊かな台詞が素晴らしい」などと称賛されていた。

快晴の9/12、劇場前には上映直前までなんとか会場に入ろうと押し寄せた映画ファンが列をなし、Scotiabank Theater スクリーン2(客席476席)満席の中で行われた公式上映。プログラミング・ディレクターのジョバンナ・フルヴィが「『寝ても覚めても』は、独自の優れたスタイルと特別な語り口を持った映画。そして濱口監督はこれからもたくさんの名作を生み出していく監督です」と紹介し上映が開始。盛大な拍手が送られる中、上映後のQ&Aに濱口竜介監督が登壇した。

観客からは、映画化の動機や映画にあたってこだわった点についての質問、「(猫の)ジンタンの演技が素晴らしかった!」「朝子の行動に驚き、引き込まれた」「串橋(瀬戸康史)の発言によって一気に緊張感が高まるシーンが素晴らしかった」という感想が上がった。

英語タイトル(「AsakoⅠ&Ⅱ」)について問われ、濱口監督は、日本語のタイトルが『寝ても覚めても』で、これが”寝ても覚めても、あなたのことを24時間考える”という、より恋愛映画らしいタイトルであること、英語タイトルはワールドセールスmk2によって付けられたものだが、ヒロイン朝子の第1章、第2章という彼女の変化を表すタイトルとして間違っていないなと思ったことを明かした。

また、東出昌大演じる、予測不能な行動をする麦のキャラクターの背景には何かあるのか?という質問に対して、原作者の柴崎友香から「実は麦は宇宙人で、地球で感情を学んでいる途中」という裏設定があると聞いて腑に落ちた、と暴露し会場を大いに湧かせていた。


Q&Aが終わった後も、監督に感想を伝えようと行列が出来、サイン攻めに合う監督の姿はさながらスターのよう。中には、「カンヌで『寝ても覚めても』を観た友人から、とにかくよかったから絶対に観て!と言われて来て、非常に感動しました」という観客も。すでに国際的に口コミが広がっていることが感じられた。

カンヌ国際映画祭でお披露目された本作は今回のトロントでの北米プレミアを経て、次は、ニューヨーク映画祭、釜山国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭とまだまだ世界中を回る予定。引き続き世界中に『寝ても覚めても』旋風を巻き起こし続けるに違いない。

<公式上映直後の濱口竜介監督コメント>

満員の熱気が溢れた会場での上映、終映後も止まない熱狂を感じました。Q&Aでは、観客のみなさんが、映画をしっかりと観てくださっていることが伝わってきて嬉しかったです。ここトロントから、『寝ても覚めても』が北米に広がっていってくれたらと思います。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
★公開表記: 9月1日(土)、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷シネクイントほか全国公開!