9月1日公開『妻の愛、娘の時』は、母の死をきっかけに、田舎にある父の墓を、主人公が住む都会の街へ移動させようとすることから物語が始まります。母の想いを大切にしたい主人公の女性は、父の墓を守ってきた先妻の一途な想い、そして、主人公の夫や、若い世代でまるで価値観の違う主人公の娘も巻き込み、衝突しながらも徐々に和解の道を見いだしていきます。私たち日本人にもとても身近な話題で、他人事とは思えない展開時に、笑い、泣き、感動するラブストーリー。

本作鑑賞をきっかけに、家族のお墓について、また終活について深く考えさせられることから、本イベントの観客は、夫婦限定で募集をかけ、「夫婦で円満にお互いの想いを話し合うきっかけにしたい」「子供がおらず、終活について不安に思っていたので勉強したい」などの悩みをお持ちに方にお集まり頂き、上映前には、終活カウンセラー武藤頼胡氏をゲストに迎えてお話を伺うトークイベントを行いました。

武藤氏:
この映画を観て、お墓まいりに行きたい!と思いました。一つのお墓から人生何十年にも渡る思いが湧いてくる。わたしは母がなくなっているのですが、「母にこういう事言いたかったな」など、自分の感情にも改めて気づきました。
映画に出てくる三世代の女性たちの考え方の違いがすごく面白いですね。考え方はちがっても、大事にしている思いはみな一緒なんです。

◆お墓問題について。
林修先生の番組に出たとき、奥様100人に聞いたアンケートで「旦那様と一緒のお墓に入りたいですか?」50%がNOだったんですね。これは単に旦那様側の問題ではなく、実家のお墓を守る人がいない、自分が継ぎたいという答えが多い。終活の相談って、いまはダントツでお墓の相談が多い。新しいお墓を買うにしても「お墓をどう守っていくか、だからこの人と入る」という決め方が多いように思います。

最近の問題だと、一番は生まれた場所で死ななくなったことですね。田舎から都会に出てきて、故郷のお墓を管理する人がいなくなる、これは社会背景からしても出てくる問題です。日本の人口はいま1億2500万人、50年後には8000万人になると言われています。お墓や終活の問題はどうしても起きてくる。もっと考える機会を増やさないといけないですよね。

◆終活についてまずは話し合いが大事。映画を見たり、お墓まいりをして夫婦で話し合うキッカケに!
なかなか日常で話し難い話題ですが今ちょうどお盆なので、とても良い機会ではないでしょうか。
1ヶ月後にはお彼岸もあります。年中行事の時が身近な人と集まるので、話題にする良いきっかけになりますね。
70代以上の方は、家の宗旨・宗派を知らないアンケート結果も出ているので、まず、実家のお墓に誰が入っているのか、どんな宗派なのか、知ることからはじめてみてはどうでしょうか。家の状況を知る事が終活の第一歩ですね。
この映画『妻の愛、娘の時』みたいな作品があると、観た帰りに感想を言い合いつつ語りやすいですよね。お墓まいりに行った後なども話しやすいです。
今まで“縁起でもない”という気持ちから話しづらく、余計に不安も生じてしまったと思いますが、現在はたくさん勉強する機会があります。まずは知る事が大事です。
お墓のことを最初に話すといろいろと解決しやすくなるものです。終活で相談に来られた人は、先の方に光を見つけることができ、自力で解決できるようになります。
いま選択肢は、供養だけでも100~200とたくさんの方法があります。
家族のカタチ、生活の延長線上にお墓があるので、一つの情報だけに偏らず、いろいろと知って頂きたいです。

東京フィルメックス オープニング/釜山国際映画祭クロージング
台湾版アカデミー賞「金馬奨」主要7部門ノミネート/香港電影評論学会大奨 監督賞受賞
香港版アカデミー賞「香港電影金像奬」主要9部門ノミネート
アジア版アカデミー賞(アジア・フィルム・アワード)主演女優賞&生涯貢献賞 W受賞!
シルヴィア・チャン監督・主演作『妻の愛、娘の時』
『過ぎゆく時の中で』(88)、『恋人たちの食卓』(94)など数多くの香港・台湾映画に出演してきた大女優シルヴィア・チャンが監督・主演を務めた映画『妻の愛、娘の時(原題「相愛相親」)』の日本公開が今年の9月上旬より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショーが決定。本作は、先日(3/19)発表されたアジア版アカデミー賞(第12回アジア・フィルム・アワード)にて、シルヴィア・チャンが主演女優賞&生涯貢献賞をW受賞しました。
女優業のみならずこれまでに金城武主演『君のいた永遠』(99)、ベルリン国際映画祭コンペティション部門選出の『20.30.40の恋』(04/日本未公開)、トロント国際映画祭出品の『念念』(15/日本未公開)などの監督作を世に出してきたシルヴィア・チャンの最新作は、母の死をきっかけに、田舎にある父の墓をめぐる3世代の女性たちのそれぞれの想いを切実に、時にユーモアを交えて描いた感動作。撮影は、ホウ・シャオシェン監督作品や、『春の雪』『空気人形』など日本映画の撮影も手掛けアジアを代表する名カメラマン、リー・ピンビンが担当。
チャン監督演じるヒロインの夫役として、『青い凧』(93)、『春の惑い』(02)などで知られる中国映画界の巨匠・田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)監督が俳優として出演。チャン監督が『呉清源 極みの棋譜』(田壮壮監督/07)に出演して以来の仲で今回の出演に至った田壮壮が、優しく包容力あふれる味わい深い演技を披露していることも話題となっています。
監督:シルヴィア・チャン 撮影:リー・ピンビン  出演:シルヴィア・チャン、ティエン・チュアンチュアン、ラン・ユエティン、ウー・イエンシュー、ソン・ニンフォン、レネ・リウ 2017|中国台湾合作|中国語|カラー|120分|DCP  (C)2017 Beijing Hairun Pictures Co.,Ltd. 配給:マジックアワー  公式サイト: http://www.magichour.co.jp/souai
9月1日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショー