シアター・イメージフォーラムにて開催中のアピチャッポン監督特集上映「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018」。開催を記念して行われた劇場トークに、今年5月『KUICHISAN』『TECHNOLOGY』を公開し連日立ち見がでるほどの大盛況で話題を呼んだ新鋭 遠藤麻衣子監督が登壇いたしました。

■日時:2018年8月12日(日)11:00の回『世紀の光』上映後 ■登壇者:遠藤 麻衣子監督

■場所:渋谷 シアター・イメージフォーラム

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映画だけでなく美術のフィールドでも世界的に活躍するタイのアピチャッポン・ウィーラセタクンの代表的な長編劇映画3作を上映する特集上映がシアター・イメージフォーラム(渋谷)で開催中だ。開催を記念して行われた劇場トークには、遠藤麻衣子監督が登壇。

今年5月に『KUICHISAN』『TECHNOLOGY』をシアター・イメージフォーラムで公開すると、当初は1週間のレイトショーだったにも関わらず、その衝撃的な映画体験が話題となり連日立ち見がでるほどの大盛況。その後、3週間の追加上映が決定し、話題を呼んだ新鋭監督だ。

『世紀の光』を2006年の東京フィルメックス以来久しぶりにみた、という遠藤麻衣子監督は「ダクトのシーンなど当時も今回も印象的なシーンがかわらず、凄いと思った。皆既日食のシーンは忘れてたんですよ。今回改めてみて面白いなと思った。」と感想を述べた。また、前日に劇場で鑑賞しなおしたという『ブンミおじさんの森』について「ブンミは2010年の東京フィルメックスではじめて上映された時にみて、その時寝ちゃって。1回目はいまいちかな、と思ったんですけど、今回もう一度みていて、全く同じ場所で寝ていたんですよ。で、全く同じ場所で起きた。それは、この映画の導き方がすごく安定しているというか、そういう意味で完成度が高いというか。すごいと思った。」と語った。また今回の特集上映での上映はないが、一番好きな作品として「最初にみたアピチャッポン監督の映画で、NYにいた頃、伝説的なレンタルビデオ屋「キムズビデオ」に働いていた友人に勧められてみた『トロピカル・マラディ』」を挙げ「すごくパーソナルですごくコアな所にいっている作品。毎回みる度に自分が人生のどこに立っているか反射してくるものが全然違う。みる度にかわって、パーソナルなことを思わせてくれる作品」と魅力を語った。また、司会者から「遠藤監督の作品をみたとき、アピチャッポンの『真昼の不思議な物体』を初めてみた時のような自由さと新しいさを感じた。しかし一方で映画を、物語を、語ることを意識しているように感じたが意識していることはあるのでしょうか」と尋ねられると「アピチャッポン監督の作品でいうと、『世紀の光』での皆既日食やダクトのシーンだったり、舞台「フィーバールーム」だったり、“語れないものを語る”ということを凄くしているんだな、と思った。私も“語れないものをどう語るか”―例えば超常現象として片付けられてしまっていることなど、“語りにくことを、語られていない形のものをどう語るか”を考えていて、それは共通点かもしれません。」とアピチャッポン監督と自身との共通点を語った。


【チャッポン・イン・ザ・ウッズ2018】長編3作+短編1作+映画館限定メッセージを上映

2010年カンヌ国際映画祭パルムドールの『ブンミおじさんの森』劇場公開以来、日本でも多くのファンを獲得して来たタイ出身の映画監督・美術作家アピチャッポン・ウィーラセタクン。次回作はティルダ・スウィントン主演で南米コロンビアでの撮影が決定、現在準備中。アピチャッポンの新たなステージが始まるこの機会に、もう一度、これまでの長編映画の代表作3作をスクリーンで堪能する特集上映。上映作品:『世紀の光』(2006)『ブンミおじさんの森』(2010)『光りの墓』(2015)+『光りの墓』上映前に短編『国歌』を上映+『世紀の光』『光りの墓』上映前に映画館限定の監督メッセージ上映

詳しい上映スケジュールは公式HPで→http://www.moviola.jp/api/