話題作が続く瀬々敬久監督が自らの企画で完成させた『菊とギロチン』。大正時代を舞台に、女相撲の力士たちと世界を変えることを夢見るギロチン社の青年たちが出会うという、史実から創造されたオリジナル・ストーリーだ。初日を迎えたテアトル新宿は満席お立ち見の大盛況。監督が30年も温め続けた本作。その想いに応えるかのように、総勢30名のキャストが集結し、監督自身の演出による舞台挨拶で満場の客席を大いに盛り上げた。

登壇したのは、木竜麻生、東出昌大、寛 一 郎、韓英恵、渋川清彦、大西信満、嘉門洋子、大西礼芳、山田真歩、嶺豪一、篠原篤、川瀬陽太、大森立嗣、仁科あい、持田加奈子、播田美保、和田光沙、前原麻希、背乃じゅん、田代友紀、原田夏帆、荒巻全紀、池田良、飯田芳、小林竜樹、木村知貴、小水たいが、伊島空、東龍之介、瀬々敬久監督の総勢30名。テアトル新宿史上最多人数の舞台挨拶となった。


舞台挨拶はまず、女相撲一座「玉岩興行」の面々が、親方を演じた渋川清彦を先頭に劇中衣装で登場し、客席内を練り歩き。舞台では、ギロチン社のリーダーで詩人でもある中濱鐡を演じた東出昌大を筆頭に、次の登壇者を紹介し呼び込む「マイクリレー方式」で、寛 一 郎はじめギロチン社のメンバーが順に登場。挨拶がひとしきり終わると、東出と寛 一 郎も女相撲の練り歩きに加わり、初日のサプライズプレゼントとして用意されたTシャツや手ぬぐいを客席に投げ入れると、客席から大きな歓声!そこからさらに、劇中で重要な役を演じた大森立嗣らも登場し、大西信満は「(出演している)井浦新くんも今日来たいと言ってたんですが、他の仕事で来れなかったので、きょうは井浦さんがつくったジャケットを着て来ました」と粋な挨拶。

後半には劇中で披露された女相撲甚句「イッチャナ節」を嘉門洋子の三味線、山田真歩の鈴、仁科あいと木竜麻生の唄で聞かせ、そして、劇中で女相撲・最高位の大関・梅の里を演じた前原麻希の「祝い四股」!前原の四股とともに「ヨイショ!」の掛け声が客席からも飛ぶ。そこへ瀬々監督の無茶ぶりが炸裂。「寛 一 郎、行け!!」と監督。「えーっ!」とびっくり顔の寛 一 郎だったが、監督命令とあっては拒めず、恥ずかしそうにしながらも四股を披露。すると今度は「東出、行けー!」と監督の声。最初は、いやいやと後ずさりした東出だったが、さすがにギロチン社リーダー、覚悟を決めると「ヨシ!」とばかりに力を込めた四股!客席は大盛り上がりだった。

ヒロインの木竜麻生は、初めての主演作の舞台挨拶に感極まった様子で「映画がこうやって広がっていくのが本当に嬉しいです」と涙をこらえながらの挨拶。東出は「たくさんの方の支援やこうして足を運んでくれる方があってこそ、できあがった映画です。夏の暑さを吹き飛ばす、閉塞感を打ち破る作品となりました。監督の言葉ではないですが、あとは世界の風穴へ。そうなればいいなと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします」とコメント。寛 一 郎は「撮影が2年前だったんで今まで実感がなかったんですが、今日みんなの顔を見たら、あの懐かしい現場を思い出しました。お客さんを前にして、今日公開なんだと、今実感しました」と場を和ませた。

マイクリレーあり、練り歩きありプレゼントあり、歌あり、シコありの盛りだくさんとなった今日の舞台挨拶。瀬々監督の心の底から絞り出すような「ありがとうございました!」の声と東出が音頭をとった一本締めで舞台挨拶は終了した。

『菊とギロチン』
監督:瀬々敬久 脚本:相澤虎之助・瀬々敬久
出演:木竜麻生、東出昌大、寛 一 郎、韓英恵、渋川清彦、山中崇、井浦新、大西信満、嘉門洋子、大西礼芳、
山田真歩、嶋田久作、菅田俊、宇野祥平、嶺豪一、篠原篤、川瀬陽太 ナレーション:永瀬正敏
2018 年/日本/189 分/カラー/シネスコ/DCP/R15+/配給:トランスフォーマー
©2018 「菊とギロチン」合同製作舎 公式サイト:http://kiku-guillo.com/