アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞し、世界で2500万人が観た奇跡のドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』(05)の続編である『皇帝ペンギン ただいま』が2018年8月25日(土)に公開となります(配給:ハピネット)。

本作は撮影に最新鋭のデジタル4Kカメラとドローンを導入。また、水温マイナス1.8℃のなか、南極海では史上初となる水深70mの水中撮影に挑みました。透き通る南極海を飛ぶように狩りをする皇帝ペンギンの雄姿と、氷海下に生息する多様な生物の撮影にも成功しています。まだ子供の羽毛に覆われている若いペンギンたちの初めての旅に密着し、厳しい自然の中で一生懸命に生きる彼らの姿と親子の絆を感動的に描き出します。時にドキドキハラハラさせられながら、かわいいだけではない彼らの真の姿とともに南極の絶景を迫力の映像で紹介する珠玉のドキュメンタリーです。この度、サンシャイン水族館にてフランスから来日する本作の監督リュック・ジャケと、日本におけるペンギン研究の第一人者である上田一生先生のトークイベントを行いました。

【イベントレポート】
夕暮れの水族館に登場したリュック・ジャケ監督と上田先生は、ペンギンが空を飛んでいるように感じる開放的な水槽「天空のペンギン」前でにこやかに握手を交わし、フォトセッション後、多くの生物が泳ぐ大水槽「サンシャインラグーン」前でトークショーを行いました。

監督は、12 年ぶりに続編を制作した理由を聞かれると、「COP21 という国際会議の開催時期に合わせて南極に行き、南極の現状をライブで会議会場に伝えるということが大きなきっかけになりました。温暖化によって氷が溶け、南極の陸地の形も水の流れも変わり、南極の景色が変わっています。今回の撮影時は雨が降り、雨が降るのは初めてで非常に驚きました。ヒナの羽は耐水性が無く、濡れてしまったヒナは凍死するしかありません。人間にとって 1℃や 2℃は大きな変化ではありませんが、氷が溶けるか溶けないか、というところでペンギンにとっては命に関わる状況で、生態系に大きな変化をもたらします。今の状態では皇帝ペンギンは 50 年後に絶滅すると言われています。かと言って、私が解決できる問題ではありません。この作品を観て、南極の状況を知らしめて皆さんの意識化を図りたいと思っています。」と、地球温暖化のペンギンへの影響を語り、観客への意識化を力強く訴えました。

イベント後半には、クイズ大会を行い、「ペンギンの種類は何種類?」というクイズでは、見事「18 種類!」と回答する“ペンギン好き”な参加者に、上田先生が 18 種類の名前を全て紹介し、観客からはどよめきが起こるなど、水族館の夏らしい雰囲気の中、イベントは終始にぎやかに終了致しました。