6月27日開催『君が君で君だ』慶應大学凱旋トークイベント
池松壮亮主演、キム・コッピ、満島真之介、大倉孝二共演の超衝撃作『君が君で君だ』が 7 月 7 日の七夕より全国公開いたします。
本作は、好きな女の子の好きな人になりきって、自分を捨て去り、10 年間彼女を見守ってきた 3 人の男たちの愛の結末を描いた恋愛譚です。日本の伝説のロックシンガー「尾崎豊」になりきるのは、映画俳優として唯一無二の存在感を示す池松壮亮。
そして、世界中の誰もが知るハリウッドの名俳優「ブラッド・ピット」になりきるのは、確かな演技力で頭角を現す満島真之介。さらに、日本の歴史を大きく変えた人物「坂本龍馬」になりきるのは、独特の個性が光る大倉孝二。ヒロインを務めるのは、映画『息もできない』での演技で世界中の注目を集め、多くの熱烈なファンを持つ韓国人女優キム・コッピ。
監督・脚本は、国内外で高い評価を受ける松居大悟。疾走感ある映像に今という時代を映し出し、観る者の恋愛観を試す、松居大悟監督が長年温め続けてきた完全オリジナルラブストーリーです。国境も常識も越えた愛の物語は、観る者の恋愛観を揺さぶります!
そしてこの度、慶應大学の同級生でもある松居大悟監督、企画・プロデュースを担当した阿部広太郎プロデューサーが慶應大学に凱旋しトークイベントを実施いたしました。
【開催日時】
6月27日㈬
14:45上映開始
16:35トークイベント開始
【登壇者】
松居大悟監督
阿部広太郎プロデューサー
渡辺尊俊宣伝プロデューサー
上映後の熱気あふれる教室に、慶應大学出身で同級生でもあった松居大悟監督、阿部広太郎プロデューサーが登壇すると、歓迎の拍手が沸き起こった。
松居は「久しぶりに来たら、見たことのない校舎が多くて驚きました。今日は映画をご覧頂きありがとうございます。」と様変わりしたキャンパスへの驚きと、集まった後輩たちへ感謝の言葉を述べた。
池松壮亮、満島真之介、大倉孝二がそれぞれ、尾崎、ブラピ、坂本龍馬になりきる本作にちなんだ、本イベント“なりきり上映会”。
松居が「『ファイト・クラブ』のブラピが目の前にいますね(笑)」と革ジャンに柄シャツの男子学生を発見し、続けて「ギターを持っている尾崎もいる(笑)龍馬も何人かいますね」と白の T シャツの袖をまくり、ギターを持った学生や黒の着物を着た学生を見つけ嬉々としてコメント。そして松居は「先生もですか!?いつのブラピですか?」と驚きを隠せずにいると、先生は「『テルマ&ルイーズ』のときです(笑)」とにこやかに答えた。
MC より松居大悟監督という慶應大学 OB がいることを知っているかと会場へ呼びかけると、半数ほどの手が上がり、松居は「小劇場系だからね(笑)」と自虐。続けて阿部は「慶應大学一有名な映画監督ですよ(笑)」と冗談を交え、会場の笑いを誘った。
さらに MC よりどんな学生時代だったかを聞かれると松居は「創像工房 in front of.という演劇サークルに入っていて、大学には 7年間通い続けていた」と答えると、続けて MC より、なぜ 7 年間も大学に通っていたのかを尋ねられ、松居は「演劇にのめりこみすぎて」と演劇に明け暮れた学生時代を振り返った。
本作製作のきっかけを尋ねられると松居は「この映画の基になった舞台を 2011 年に阿部くんが見に来てくれた。その時に阿部くんと久しぶりに会い、“電通の阿部です”って言われたとき、僕自身が日の目を見ない一番つらい時期でもあったから、不信感しかなかった(笑)」と阿部との最悪の再会を語ると、続けて松居は「はじめに阿部くんが“映画のコピーを書きたい”と言ってくれた時に50 枚くらいの企画書を持って、プレゼンしてくれた。そのとき同級生とかなあなあな関係ではなく“あ、こいつ本物だな”って思った」と振り返ると阿部は「喫茶店でプレゼンした後に、お店を出て初めて(松居と)握手をして、信頼されたなと感じたのを覚えています」と嬉しそうに語った。
MC より、“普通の学生からクリエーターとしてなぜ成功できたか”と聞かれると松居は「すごく焦ったこと」と回答。続けて「演劇を続けていくと思っていた仲間たちが、次々と大手企業の就職が決まっていき、自分はモノづくりで生活できるようにならなくてはと思った。
企画書は 10 案以上準備し、面白いことを作ることだけに時間を費やそうと徹底的にやった」と自分の夢を叶えるハングリー精神を語った。そして阿部は「松居監督や尾崎世界観さん(クリープハイプ)の近くにいると、その志の高さを感じるんです。松居監督は海外の映画祭で作品を上映し、世界に感情を届けようとしている。その姿を見て自分も志を高く持ち仕事をしないといけないと思い、“世の中に一体感をつくる”気持ちで取り組んでいました。コピーライターとして、“今でしょ!”が生まれた東進ハイスクールの CM「生徒への檄文」篇の制作に携われたり、たくさんの仕事をしていたけれど、もっと彼ら(松居監督や尾崎世界観ら)とともにモノづくりをしたいという気持ちが強くなり、一日ずつ積み重ねてきた」と熱く語ると続けて「一生懸命頑張っていると時に“意識が高い”など揶揄されることがあるけれど、気にせずに、何を目指して進むのか、志を高く持つことが大事だと思います」と後輩たちにメッセージを伝えた。
学生からの質問コーナーでは、「韓国では一途に思いを寄せる人をひまわりと太陽の関係に例えることがあるが、それを知っていて狙ったのですか」と本作のキーアイテムでもあるひまわりの花について聞かれると松居は「知ってるし(笑)」と強がった知ったかぶりのリアクションを取り、笑いを誘うと、「二人が結ばれたら嬉しい、結ばれなかったら悲しいだけの決まりごとのような愛ではなく、ひまわりが太陽を見つめ続けているだけのような愛のあり方がないのかなと思って、この映画を作った」と偶然の一致を語った。さらに「尾崎、ブラピ、龍馬がひまわりで、ソンが太陽。ソンは英語表記にすると SUN(太陽)なのです」と裏設定も披露した。
さらに女子学生から「髪の毛を食べるシーンなどびっくりする行動がありますが、こういった行動は実例を調べたのか、ご自身が考えたのか知りたいです」と聞かれると監督は「僕の中では、“ご飯を炊くときに、お米を研ぐ”のと同じだと思っている」と独自のたとえで語ると、MC が「好きな人への当たり前な行動と思っているということですよね」と松居に確認すると、会場から大きな笑いが起こった。
さらに松居は「究極に好きになるとその人になりたいと思う」と発言。会場から驚きの声が上がり、松居は「好きな人の好きな音楽を聴いたり、映画を見たり追体験したいというものを突き詰めると、その人になりたいでしょ?」と独自の愛の在り方を語ると、さらに驚きの混ざった笑いが会場を包んだ。最後に阿部は「何かになろうと本気で思えばなりきれる。この映画はいくつものメッセージがこもっているから、何か一つでもキャッチして自分のものにしてくれると嬉しいです」と後輩たちへ語り、松居は「慶應であることに後ろめたさを感じていたけれど、こうして教室で上映させてもらえてすごくうれしくて、闇みたいな過去が報われた気がします」と晴れ晴れとした表情で語り、「この映画を見て感じた感情は一言では言えないようなものだと思いますが、それを言語化してもらうことでこの作品も成長します。是非とも一緒にこの映画を育てていってほしいです。ありがとうございました」と笑顔で語りイベントは終了した。