50年前に、ベトナム戦争に徴兵される前に、人を殺すことを拒否して、アメリカを去ったパルバース監督が、「”国に戦争に行けと言われても行かない。人を殺せと言われても殺さない”という勇気を知ってもらいたい」と、通常“卑怯者”とみなされる脱走兵をヒーローとして描いた日豪合作映画『STAR SAND ─星砂物語─』のDVDセル・レンタルが同時リリースされ、iTunes、Google play、Amazon Prime Video、U-NEXT、Video Market、DMM. COM、ひかりTV、J:COMオンデマンド、dTVでも配信中です。

それを記念して、1945年の沖縄と現代の東京のヒロインを演じた、織田梨沙さんと吉岡里帆さん及びロジャー・パルバース監督がトークイベントを開催しました。会場は、吉岡里帆さん演じる志保のシーンで撮影も行った、ベリーベリースープ原宿神宮前店です。

冒頭の挨拶で「(トークイベントに)あんまり慣れていなくて」と言った織田さんを見て、吉岡さんが「梨沙は本当に照れ屋なんです。私は今日彼女をサポートするために来たと言っても過言ではない」とジョークで挨拶をし、和やかなムードでトークイベントはスタート!

6 月 8 日(金)18:15〜
登壇者:織田梨沙 吉岡里帆 ロジャー・パルバース監督
会場:ベリーベリースープ 原宿神宮前店

パルバース監督も、「日本語でいいいですか?」というジョークで挨拶。監督は、「ちょうど2年前の6月にこのベリーベリースープで撮影させていただいて、2年ぶりに来て、こんなイベントもやらせていただいて嬉しいです」と話しました。2016年の東京で、戦時中の洋海(ひろみ)の日記を読む女子大生・志保役の吉岡さんも、「志保が、卒論を書くために洋海が書いた過去の日記を読んでいる時に自分が向かったからこそ出た答えを見つける大事なシーンを撮りました。将来の何の希望もなかった卒業間近の大学生が、初めて自分から発見して、人の人生に興味を持ち出すという、好きなシーンでした」と話しました。

1945年の沖縄で、戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた少女・洋海(ひろみ)役で、本作で初主演を飾られた織田さんは、昨年の本作公開時に「演技がいい」と言ってもらったり、「考えさせられた映画でよかった」という感想をもらったとのこと。吉岡さんは、「私だけ現代のパートを撮っていたので、昨年の初日舞台挨拶で、梨沙とも、満島(真之介)さんとも、三浦(貴大)さんともやっと対面できて、すべてのパートが揃った感じがしました。銃撃戦があったりする映画ではなく、それ以上にもっと小さな星砂のような希望を描いている映画で、私はノートでしか見ていない洋海の人生がとても繊細に描かれていて、特に私の家族は感動して、『とてもいい映画に巡り会えたね』と言ってもらえました」と述懐。「洋海も満島さんの役も、孤島に生きるために逃げてきた人たちなので、『逃げ出すことは悪ではない』というのは素敵なテーマだなと思って本編を見ました。」と話しました。

先日のシドニープレミアに参加した監督は、「日本人は沖縄の戦争だとか天皇制だとか映画の背景を知っているけれど、オーストラリア人は知らないから心配していた。けれど、『STAR SAND』は戦争映画というよりも、非暴力、愛についての映画だから外国でも理解してもらえて嬉しかったです。」と話しました。

「DVDや配信では、巻き戻したり、好きなシーンをもう一度見たりできるので、ここをじっくり見てほしいというようなシーンを教えてください」と聞かれ、織田さんも吉岡さんも、日本兵(満島真之介)とアメリカ兵(ブランドン・マクレランド)のシェイビングシーンを挙げました。織田さんは、「言葉がわからない2人が、初めて心を通じて楽しくやっているシーン。洋海が初めて笑顔を見せるシーンでもあるので、見てください」と話し、同じシーンを挙げた吉岡さんも、「日本兵とアメリカ兵が分け隔てなく、ただ、髭があるの嫌だなと思って髭を剃っているシーンが、国とか戦争とかが関係なくなっている段階でのシーンなので、生活感があっていいんです!」と力説。

2人のオススメのシーンを聞かれた監督は、「梨沙ちゃんはキスシーン。16歳の少女のファーストキスの無邪気さ、美しさ、本当の愛の純粋さがあった。ブランドンもよかったけれど、梨沙のイニシアチブでやったキスで、美しかった。一方、里帆ちゃんは緑魔子さんから星砂をもらうシーン。横から2人の手を撮りました。2本の傘がハートに見えるように撮りました」とオススメしました。

『STAR SAND』はどういう存在か聞かれ、織田さんは「初めて主演した映画ですし、英語のセリフも初めてで、大きな影響があった映画でした。自分で言うのも恥ずかしいけれど、演技で成長できました」と話し、吉岡さんは、「この、戦争を題材にしたラブストーリーの監督が、初めて映画を監督した、オーストラリアのロジャーさんだったことが私にとって、とても大事なことです。自分以上に日本のことを知って愛している監督で、完成した本編を見て、こういう風に物を見ることができたら素敵だなと思いました。」と話しました。

最後のメッセージとして、織田さんは、「戦時中のお話でもありますが、それよりも、『人と人』、『戦わない勇気』といういいメッセージがあるので、もっといろんな人に見えてもらえたらなと思います。劇場でご覧になられた方も、なられていない方もぜひDVDで見ていただけたらなと思います」、吉岡さんは、「ぜひDVDを手にとっていただきたいですし、夏がやってくると、戦争のことを考えるべきだと思うので、戦争を知らない若い方たちにもぜひ見ていただきたいですし、戦争の一片を知っている方たちにも、『逃げることは悪ではない』というとても優しい、温かいメッセージが込められているので、DVDを通してそのメッセージが伝わればと思います。ぜひ見てみてください。」、監督は「舞台は日本ですが、どこででもこの物語は成り立ちます。僕ら皆は国籍を問わず繋がっているんです。私は50年宮沢賢治の研究をしているから、その影響があるといいですけれど、劇中のボブ曰く、僕らは皆天の川で繋がっているんです。最近そういう発想が脇役になってしまっている。ぜひそういう憧れを持ってこの作品を見ていただければ、私は満足です」と話しました。

●あらすじ:1945年の沖縄。戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた16歳の少女・洋海(ひろみ)は、洞窟で日本軍とアメリカ軍からの脱走兵、隆康とボブに出会う。隆康とボブ、そして彼らの世話を焼く洋海の間には、不思議な関係が築かれてゆく。
 ある日、戦いで脚を負傷し、除隊を余儀なくされた隆康の兄・一(はじめ)が、養生のために洞窟にやって来るが、それは悲劇の幕開けだった──
 2016年、東京。大学生の志保は、卒業論文のために教授から一冊の日記を手渡される。それは、戦時中に沖縄の小島で暮らしていた少女のものだった。志保は日記を読み、そこに封印されていた過去の出来事にわれ知らず迫ってゆく……。

●出演:織田梨沙 満島真之介 ブランドン・マクレランド 三浦貴大/ 吉岡里帆
    寺島しのぶ/ 渡辺真起子 石橋蓮司 緑魔子
 監督・脚本: ロジャー・パルバース   原作:ロジャー・パルバース『星砂物語』講談社刊
 主題曲:坂本龍一      公式サイト:www.star-sand.com

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