5 月 26 日(土)に埼玉県のこうのすシネマにて、『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』公開記念トークイベントを開催いたしました。

日程 5 月 26 日(土)13 時〜13 時 30 分 場所 こうのすシネマ
登壇者 松田美智子(「サムライ 評伝 三船敏郎」著者)、三船力也(コンサルティング・プロデューサー)
司会進行 脇田巧彦

1965 年から三船敏郎を取材してきた映画記者・脇田の「大変お世話になった三船さんへの恩返しの気持ちで、こうのすシネマさんでの上映をお願いしました」という挨拶の言葉とともにトークイベントは始まった。

本作が製作されたきっかけを尋ねられた三船力也は「中沢敏明プロデューサーと松田美智子さんが三船プロに来て、書籍を出す話があり、打ち合わせの中で、ドキュメンタリー映画を作る、という話に発展した」と答え、また、松田も「三船敏郎について書いてみませんか?という申し出が、かつて三船プロにも所属していたセディックインターナショナルの中沢プロデューサーより話があった」と書籍の成り立ちについて話し、書籍とドキュメンタリー映画が一つのプロジェクトとしてスタートしたことが明かされた。

三船敏郎について、書籍を執筆するにあたり多数の関係者への取材を行った松田が「どなたも、三船さんは気遣いの人だと仰います。律儀で几帳面で義理堅く、そして清潔好きで。そうした細やかな心遣いをなさる一方で、外国人に対しては非常に堂々とし物怖じせず威厳があるのが、三船さんの大きな特徴だと思います」とその人柄を評すと、三船力也も「撮影所で手にしていた刀を、家の中ではコロコロ(掃除道具)に持ち替え、キレイ好きだった、子供の頃の記憶がある」と自宅での三船敏郎の意外な一面を披露した。

また、長年、三船敏郎を取材した脇田も、ニューヨーク、ボストン、ワシントンへの三船敏郎の渡米に同行した時の思い出として、「ホワイトハウスへ表敬訪問した時、厳重な警備のホワイトハウスに、セキュリティチェックが一切なく颯爽と入っていった三船さんを見て、改めて“世界のミフネ”であることを実感した。そんな“世界のミフネ”の宿泊ホテルには、カーク・ダグラスやリー・マービンなど名だたるハリウッド俳優から連日シャンパンなどの差し入れが届いたが、「脇田くん、今日はラーメンに行こうや」とこっそりラーメンを食べに行ったこともあり、そうした庶民性のある方だった」と、三船敏郎との印象深いエピソードを語った。

続いて、三船敏郎の出演作で気に入っている作品 3 本を問われた二人は、三船力也が「海外で初主演したメキシコ映画『価値ある男』、三船の内面にある繊細で優しい一面が役に表れている『吹けよ、春風』、そして僕のナンバーワンは『酔いどれ天使』です。黒澤と三船の初タッグ作品で、全てのシーンから三船のエネルギーやバイタリティを感じる印象的な作品です」と家族ならではの視点で選んだ作品を紹介すると、松田は「リアリティ溢れる演技が鮮烈だった『酔いどれ天使』。三船さんが 35 歳の時に 70 歳の役をおやりになりその演技に驚いた『生きものの記録』。あと、『無法松の一生』。三船さんの良さが全面的に出ていて、殺陣はありませんが、耐えに耐えてその思いが通じないという役を見事に演じていて一番好きな映画です」と三船への思いを熱く語った。

最後に、松田は「三船さんはあの風貌から信じられないかもしれませんが、とても駄洒落がお好きな方で、例えば、撮影所で、今日は飴の安売りの女優が来るからと言ってみえたのが、キャンディス・バーゲンだったり、昨日俺は 10 万に 1,2 万足りない男と会ってきたと仰るので、それって誰ですか?と聞くと、ジーン・ハックマンだ、と答えた」と三船敏郎のユーモラスな一面を披露し会場を爆笑の渦に包んだ。そして、三船力也は「今後も三船敏郎の出演作が、国内外問わず、いつまでも観てもらえるようになっていけばいいな、と思っています」
とトークイベントを締めくくった。

なお、こうのすシネマでは上映期間中、劇場ロビーで三船敏郎の愛用品を展示、三船敏郎グッズも販売する。