『犬ヶ島』ウェス・アンダーソン監督「世界中で一番に来たかった場所」 6年越しに迎えた日本公開初日に感無量!!
この度、全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)を手掛けたウェス・アンダーソン監督が贈る映画『犬ヶ島』が5月25日(金)に日本公開いたしました。
全編にわたり日本を舞台とし、”ドッグ病”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描く本作。先日開催された第68回ベルリン国際映画祭では、銀熊賞【監督賞】を堂々受賞!日本の映画ファンのみならず、全世界中からますますの注目を集めております!
この度、本作の舞台となった日本での公開を祝してはるばる来日した、
ウェス・アンダーソン監督とコーユー・ランキンが、
日本人ボイスキャストの野村訓市さんとともに初日舞台挨拶を実施いたしました!
ウェス・アンダーソン監督が、大好きな日本を舞台に4年の歳月をかけ作り上げた渾身の作品となる本作を引っ提げ、熱望していた訪日が13年ぶりに実現!今回主役に大抜擢された期待の新星子役のコーユー・ランキンと、友人としてウェスの長年の夢を支え続けた野村訓市さんで初日舞台挨拶を実施いたしました!先日実施されたイベントでは、日本への敬愛の念を込めた本作を、日本ファンへ直接届けられるということにただただ興奮しきりで「日本での公開が僕にとってはワールドプレミアだよ」とも明かしていたウェス。イベントで日本のファンの熱気に触れたことでその想いはますます燃え上がり、急遽決定した初日舞台挨拶では、制作当時から思い描いていた日本での公開という日を遂に迎えた心境を吐露!また犬ヶ島に追放された犬たちを守ろうとする学生たちが劇中で巻いている“犬派”と書かれた鉢巻きを客席全員で巻き、記念撮影を行うほか、ファンからの質問にも快く応じるなど、6年越しの夢が叶った日本公開初日という記念すべき日を大いに楽しみました!!!
<イベントレポート>
全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)を手掛けたウェス・アンダーソン監督が、自身が敬愛する日本を舞台にストップモーション・アニメーションの最新作を生み出し、さらには第68回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞したことで、日本でもますます注目を浴びている本作!
日本への敬愛の念を込めた本作を、日本のファンへ直接届けられるということにただただ興奮しきりだったウェスですが、先日開催された来日イベントで「制作初日から日本での公開を夢見ていたんだ。日本での公開が僕にとってはワールドプレミアだよ」と明かすと、そのウェスの日本に対する熱い想いに胸打たれるファンが続出!セブンネットで発売されたオフィシャルアクションフィギュア6体セット付きムビチケカード前売券は予約期間を待たずしてすべて売り上げ、今回急遽決定した初日舞台挨拶のチケットも発売開始からたった2分の間にすべての座席チケットが売り切れるなど、驚異的な動きを見せています!
そんなウェスの6年越しの願いが果たされる日本の公開初日。会場には記念すべき日を祝おうと、強烈な倍率のなかでチケットを勝ち取った熱狂的なファンが大集結!ウェスの日本への熱い想い、そして細部にわたるこだわりに溢れたの最新作を鑑賞したばかりの客席は、アタリと犬の感動的な物語、作りこまれたセット、美術の数々に圧倒されている様子…!
そして、いよいよ、MCによって本作の監督を務めたウェス・アンダーソンとウェスに見初められ、主人公のアタリ役に大抜擢されたコーユー・ランキン、そして長年ウェスの夢を友人として、本作では原案・日本人ボイスキャストのキャスティングディレクター、小林市長役として支え続けてきた野村訓市さんが登場すると、客席からは大きな拍手が巻き起こりました!
ウェス・アンダーソン監督は「この映画を作るために約6年間も作品に費やしたんだ。世界中のどこよりも、今、日本のこの六本木ヒルズの映画館でみんなと過ごしていることがすごく嬉しいよ。そして一緒に映画を作り上げてきたクン(野村訓市)、コーユーといった素晴らしいコラボレーターとここにいれることが幸せだ。」、コーユーは「(劇中の口笛を披露!会場から拍手!)今日この日を迎えてとっても緊張しています。ウェス監督とは3年前8歳の時のレコーディングの時に初めて会いました。とても優しくて面白くて落ち着いている人で、そんな監督の映画に参加できたことは今でも素敵な思い出だなと思っています!」、野村さんは「この映画で小林市長という唯一の悪役を演じました野村訓市です。この映画はウェスの“ちょっと手伝って”から気づけば3年も経っていました。今まで試写会などでいろんな方々におもしろかったって言ってもらえていたんですけど、今日はお金を払って観に来てくださったみなさんにここまで素敵な反応を頂いて有難いなって思います。」と、それぞれご挨拶。
早速、ウェスがMCに長い時間をかけた本作の制作について問われると、「とても長い時間をかけた映画だから、その答えはすごく長くなるけど、今日は短く話してみるよ。(笑)まずは声を吹き替えるキャストの方々とのアフレコ収録があるんだ。それはとっても楽しい時間であっという間に過ぎていく。その次はアニメーターと、実際のパペットを動かしながら撮影を進めていくんだ。それは何年も時間のかかる大変な仕事だけど、幸いにも僕のチームは素晴らしい技術を持ったエキスパートが揃っていたから、とても楽しく作業することができたよ。この撮影は瞑想に近くて、心を落ち着かせながら時間をかけながらやっていくんだ。」と、6年の歳月をかけた撮影期間を振り返りました。
そして、公開日を記念して特別に観客から質問を募集することに!
選ばれた一人の方から「今日はありがとうございました!すごく楽しかったです。昨日まで追加の舞台挨拶があるなんて知らなかったので、追加のチケットを無事に買って今日ここでウェス・アンダーソン監督に会えていることに感動しています。この映画の制作に携わった約670人の方と一つの作品を作るのは予想外のことがたくさん起こるんだろうなと思いますが、制作はどのように進められているのですか?」と質問が飛ぶと、ウェスは「おっしゃる通り、大勢の方々と仕事を進めるのはとても大変なことだよ。でも今回は数年前に『ファンタスティック Mr.FOX』を作ったときのスタッフが大勢戻ってきてくれたんだ。僕たちはお互いの仕事の進め方をよくわかっているから、コミュニケーションシステムが完ぺきだった。それにこういったアニメーションは、常に微調整をすることができるけど、実写映画となると、そのときの場所やキャストの都合もあって、その瞬間でしか撮ることができないシーンなどがたくさんある。そういった意味でも今回はとても楽に進められたかなと思っているよ。」と優しく答えました。
続けて、2人目の方から「初めまして。わたしはウェス・アンダーソン監督の作品が、自分の人生を変えてもらったといえるくらい昔から大好きで、いまは映画の勉強をしています。私は監督の作品の色味がすごく好きです。毎作品テーマカラーを決めていらっしゃると思うんですけれど、それはいつもどういったところからインスピレーションを受けているんでしょうか?」とマニアックな質問が飛ぶと、ウェスは「通常は撮影前からカラーチャートを作って色を決めているんだよ。でもこの映画は全シーン通して、ゴミが多くて、空の色も暗くて、ハッピーな場所じゃないから、結果的にどんよりした色になってしまった。この映画のテーマカラーも、ゴミ色になってしまったなって思っているよ(笑)」と明かしました。
最後に、観客へのメッセージと好きなシーンを問われた面々。野村さんが「僕は友人として参加しているけれど、友人以上にウェスは才能のある監督だと思っています。彼の働き方、諦めない作り方をする人は、今までも会ったことないくらいの人だなと思っています。そして僕はウェスの作ったこの日本の映画を世界で一番理解できるのは日本のみなさんだと思っているので、是非友人の方にも勧めてください。僕はスポッツとアタリの絆があるけど、スポッツがチーフと入れ替わっても、同じような友情を持っているところが好きです。」、コーユーは「今日はありがとうございました!僕はこの映画の色や音が綺麗でストップモーションと思えないくらい素晴らしくて、本当に全部が好きです!」、そしてウェスが「今、僕は本当に感動しています。みんなが映画を観てくれて、ファンのみなさんからも素晴らしい質問をもらって、そしてクンやコーユーが僕についてのコメントを言ってくれて心から感動しています。アリガトウゴザイマシタ!(※日本語)」とメッセージを寄せ、観客に大歓声を浴びながら会場を後にしました。
続けて、実施された舞台挨拶でも、大勢の観客から歓声と万雷の拍手によって迎えられたウェスとコーユーと野村さんの3名!
ウェスは「制作が始まった6年前から日本での公開を、皆さんの前に立つこの瞬間を、本当に楽しみにしていた。世界中で一番に来たかった場所だよ。」と感無量の想いを明かし、コーユーは「2月にベルリン国際映画祭で映画を観た時、本当に素晴らしくていい思い出になりました!今日も日本に来ることができてとても嬉しいです」とこれまでのプロモーションを振り返り、野村さんは「雪だるま式に増えていった仕事が今日終わるので、すがすがしい気持ちです(笑)制作に入る前に、絵コンテ用に音を撮るんですが、“君の声が一番悪役っぽいっから”と言われながら悪役にキャスティングされてしまいました。」と思い出を明かしました。
ブライアン・クランストン、ビル・マーレイ、エドワード・ノートン、スカーレット・ヨハンソン、ティルダ・スウィントンなど豪華キャストが集結している本作で、キャスティングについて問われたウェスは「最初にキャスティングしたのがブライアンだったよ。彼とは初めての仕事でチーフ役をオファーしたんだけど、本当に素晴らしい声だった。ほかのみんなはかつて僕の作品にも出演してくれていて付き合いの長い友人たち。そして、クンは小林市長のはずじゃなかったんだけど、低くて印象に残る悪役の声は彼しかいないと思って残すことに決めたんだ。」と明かしました。
またそれぞれのキャラクターが吹き替えキャストに似ていることについて「すべてのパペットは必ずしも声を当てたキャストに影響されていると思うよ。人間のキャラクターの声も、あの人に似ているって思いながら観てくれるといいな。」とコメントしました。
最後に、日本の観客に観て欲しいシーンについて問われると、ウェスが「この映画はすでに世界各国で公開されているけど、日本の観客のみなさんが世界で一番100%この映画を理解してくれると思っているんだ。日本の人や文化にインスパイアされてできている部分がたくさんあるからね。この映画の日本は僕の想像からできているミニチュアの日本だし、ちょっと慣れ親しんだものとは違うかもしれないけど、是非こんな日本にも行ってみたいなと思ってもらえることを祈っているよ。」と明かし、野村さんは「日本人からすると背景のお酒のラベルから何からまで観たくなってしまうと思うけど、僕はウェスはあたたかくてとてもいいストーリーを書く人だと思っているので、アタリと犬の美しい話をまずは楽しんでいただければと思います。細かい部分は2回目、3回目で是非掘り起こしてください!」とコメント。
コーユーは「映画のなかでは人間と犬の愛情がとっても強いので、是非注目してください!」と明かすと、話題がコーユーの収録時の話になり、「撮影ではオーディションだとおもってたら5時間収録して驚きました」と明かすコーユー。すると、ウェスが「本当はコーユーって決めていたんだけど伝えたくなかった。というのも、アタリは本来もうすこし年上の男の子が演じるはずの役だったんだ。その後もいろんな少年がオーディションをしたけれど、彼の8歳の声が、一番感情がこもっていて、一番心の打つ声だったんだよ。」とコーユーくんのキャスティング裏話を明かし、コーユーも照れた様子で頷きました!
客席には、犬ヶ島に追放された犬たちを守ろうとする学生たちが劇中で巻く“犬派(PRO-DOG)”と書かれたハチマキが配られ、会場中が”犬派“で団結!!!会場からは”ウェスー!“、”ありがとう!“、”おもしろかった!“と大きな歓声が贈られ、ウェスの日本への想いと日本のファンの想いがひとつになったイベントは大盛り上がりの中、幕を閉じました。
以上