『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』―次々に大ヒットアニメーション映画を生み出し、国内外で今最も注目される映画監督・細田守。2018年7月20日(金)公開の最新作『未来のミライ』(監督・脚本・原作:細田守/スタジオ地図作品)で挑むのは、甘えん坊の男の子“くんちゃん”と未来からやってきた妹“ミライちゃん”が織りなすちょっと変わった「きょうだい」の物語です。昨年12月に行われた製作発表会見では、海外のマスコミも多数駆けつけ、既に88の国と地域(5月現在)での配給も決定。公開前から全世界注目の作品となっています。

この度、世界三大映画祭の一つとしても知られる、第71回カンヌ国際映画祭開催期間中に実施される「監督週間」に選出され、細田監督と本編でくんちゃん役を演じた上白石萌歌が招待を受け、5月16日(水)(現地時間)に2回の公式上映が行われました!

今年が開催50年目の節目となる「監督週間」は、フランス監督協会が主催し、カンヌ映画祭から独立した並行部門。作家性を重視し、映画監督が世界に出て行く登竜門として知られており、これまでもソフィア・コッポラ、日本人では大島渚、北野武などが選出。また近年、「監督週間」に選出された、バンジャマン・レネール監督『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』(2012)、高畑勲監督『かぐや姫の物語』(2014)、そしてクロード・バラス監督『ぼくの名前はズッキーニ』(2016)は、いずれも米国アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされています。今回は1609本もの応募作品の中から、20本の長編作品が選ばれアニメーション作品では、『未来のミライ』だけが正式招待されました。

細田監督と上白石は、5月16日(現地時間)の公式上映にあわせて現地入り。監督週間部門のメイン会場である「シアタークロワゼット」にて、2回の公式上映舞台挨拶を行いました。
8:45から行われた1回目の上映は、10代からシニア層までの劇場を埋め尽くす850人もの観客が来場。上映中、上白石が演じるくんちゃんの4歳ならではの天真爛漫なしぐさ、その愛くるしい表情に何度も笑いが起き、家族それぞれの想いに感嘆の声が漏れ聞こえていました。
15:00から行われた2回目の上映は、1回目を上回るほどの大盛況!会場入口が見えないほどの長蛇の列が開場30分前から出来、850人キャパの会場は満席の上、100名以上のお客さんが入れず入場規制まで行われる人気ぶり。上映中は何度も笑い声が聞こえ、観客の興奮が伝わってきました。さらにエンドロールが始まると、スタンディングオベーションと大きな拍手が起こり、エンドロール終了後も拍手は鳴りやまず、大きな歓声を受けた細田監督は涙目になりながらも観客の声援に答えるように会場を何度もお辞儀をし、大熱狂の中、終了となりました。


2回目の舞台挨拶を終えた感想
≪細田守監督コメント≫
すごく照れくさいですが、お客さんに喜んでいただけたことがとっても嬉しいです。(お客さんの反応を観て)居場所があるんだなという気持ちになり、うるっときちゃいました。これからこの作品がいろいろな場所で公開され、様々な人と出会い、多くのお客さんたちと関係を築いていってくれたらいいなと思います。本作は日本の片隅の小さな家族の話ですが、日本から遠く離れた場所にもきっと同じような思いを感じたり、自分の家族を思い出していたりしながら映画を観てくださったのかと思うと感慨深いです。距離は遠いですが、映画を通してお互いに手を取り合ったような気持ちになりました。映画祭には色々な価値観を持って様々な生活をしている人たちがたくさん訪れますが、一つの作品を観て、その中で何か考えたり感じたり楽しんだりということが出来るんだなと。初めてカンヌに来て、カンヌの懐の深さ、器の大きさみたいなものを感じ、改めて招待いただいたことを光栄に思います。日本のお客さんにも期待して待っていてほしいです。

≪上白石萌歌コメント≫
今の気持ちを一言でいうと、胸がいっぱいです。2回目の上映も監督が隣にいて、上映後はとても良い表情をされていたのが、本当に嬉しかったです。自分の携わった自分も大好きな作品がこうやってたくさん拍手を頂き、良い反応を頂けて本当に幸せです。自信を持って日本の皆さんにもお勧めできる作品になっています。