ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018<会期:3月15日(木)~3月19日(月)>が開催中です!3日目となる3月17日(土)には、ゆうばりチョイス長編から八千草薫と仲代達也が共演した中みね子監督作『ゆずり葉の頃』の上映や若手女優浅川梨奈が登壇しました『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』の舞台挨拶などが開催されました。

<ゆうばりチョイス長編:『ゆずり葉の頃』舞台挨拶>

3月17日(土)10:00頃~ 会場:合宿の宿ひまわり 武道場

 夫である岡本喜八監督作品のプロデューサーを長年務めてきた中みね子(岡本みね子)のオリジナル脚本による初監督作品『ゆずり葉の頃』(2015年劇場公開作品)の舞台挨拶が行われ、監督の娘である岡本真実氏が登壇。朝早い上映にも関わらず満席となった会場を見渡し、「今日、母と電話したときに『(観客の数が)20人くらいかな?』って話していたのですが(笑)、こんな多くの方にお越しいただいて本当に嬉しいです。母に伝えたらきっと泣いてしまうと思います」と感激した様子で語った。当初はメガホンを取った監督本人による登壇を予定していたものの、来夕前に骨折をしてしまったことが原因で、急遽、娘であり本作にも女優として出演を果たしている真実氏の登壇となった本イベント。監督が骨折したことを裏付ける“証拠写真”として、レントゲン写真がスクリーンに映し出されると、どのように治療を施したのか真実氏らが解説を始めるまさかの展開に。MCからは思わず、『こんなことする映画祭ないですよ(笑)』とツッコミが入ると、客席は笑いに包まれた。終始和やかなムードでイベントが進む中、MCから、父親である喜八監督と作品作りに関して違いがあったかと問われると、「全然違います!」と即答。「母は私が現場にいると照れちゃうみたいで。例えるならば、娘の授業参観に来た母親、のような感じです(笑)私と(夫役を務めた)風間さんのシーンも、私がしゃべりだすと少し後ずさりしていたこともありましたね」と秘話を明かすなど、娘である真実氏しか知らない撮影秘話が続々と明かされる舞台挨拶となった。

<ゆうばりチョイス長編:『積むさおり』舞台挨拶>

3月17日(土) 18:20頃~ 会場:合宿の宿ひまわり 研修室4F

 マーティン・スコセッシ監督「沈黙-サイレンス-」や「昼顔」などの黒沢あすかと、「ホシの招待状」「ロックアウト」などの木村圭作出演の梅沢壮一監督作『積むさおり』の舞台挨拶が上映後に行われ、観客からの温かい拍手に迎えられ梅沢監督と女優の黒沢あすから出演者が登場した。

映画祭の印象を聞かれた黒沢は「ゆうばり映画祭に参加するのは一昨年ぶりですが、毎回参加する度に自分がどの立ち位置にいるのかを確認でき、改めてスタートが切れるように励まないと思わせてくれる場所です」と笑顔で語り、超満員の会場に梅沢監督は、「2年前に撮影した作品で、やっと皆様に観て頂けるのが嬉しい」と喜びを語っていた。

また大きな笑い声やシャワー中に歌うなど、うるさい旦那・慶介について黒沢は「全然大丈夫ですよ。もう46(歳)ですし、バツイチだし。」とあっけらかんと語り、続けて「なぜ離婚しないのか、なぜ慶介を殺そうと思わないのか、その判断を下すのは若いうちか、離婚という経験をしていなければ、そういう選択肢もあったかもしれませんがね。女性は結婚・出産・子育てなどを経て、色々な人間関係ができてくるので、多くのことに臨機応変に対応していくうちに、常に自分の中に積み重なっていく何かがあるのは、ひしひしと感じています。また50(歳)手前になると、女は図太くなってくるんです。だからさおりのように自分自身を追い込んだり、夫に対してどうしようとかは考えなくなってくるんですね。彼は彼でいいんじゃない、この関係性は壊したくないとなるんです」と自身の経験に基づき、さおりと慶介の関係性を冷静に分析していた。さらに観客からの質問タイムでは「旦那の慶介は当て書きだということでしたが、奥様(黒沢)についても普段に近い感じで撮られているのでしょうか?」と夫婦で参加しているならではの問いに、監督は「決して近くはないですね。かといって、『冷たい熱帯魚』の愛子のような感じでもないですよ。黒沢は毎回エキセントリックな役を演じることが多いので、今回はそういう役ではなく、違ったキャラクターを目指したいという思いもありましたので、あえて内側に溜め込み自己完結する役にしたら、違う面も見られるかなと思い書きました。だから彼女の素とも違いますね」と語り、黒沢も「全く違いますね、これっきりです!」と語気を強めて語り、観客を笑わせていた。

<ゆうばりチョイス長編:『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』舞台挨拶>

3月17日(土)20:20頃~ 会場:合宿の宿ひまわり 武道場

 日本が誇るコンテンツのアイドルにゾンビが合体し、パルクールなどのアクションも取り入れた新感覚ガールズアクション・ゾンビ映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』のワールドプレミア上映が行われ、会場の熱気が冷めやらぬ中、本作の主演を務める、人気アイドルグループSUPER☆GiRLSのメンバー浅川梨奈、俳優の尚玄、熊谷祐紀監督、が登場すると、会場中に響き渡る大きな拍手と声援が巻き起こり、一気にボルテージが最高潮に!劇中での衣装そのままの姿で登場した浅川は「数ある作品の中から本作をお選びいただき、ありがとうございます」と挨拶し、続く熊谷監督、尚玄らも一言ずつ挨拶をし、舞台挨拶はスタートいたしました。

本作が初のゾンビ映画となったという、熊谷監督。「普段はなかなかゾンビ映画を観る方ではないのですが、今回たまたまお声かけをいただいて。浅川さんはじめ、キャストの皆さんの頑張りでなんとか形にすることが出来ました」と語る。


さらに撮影時のエピソードに話が及ぶと、「撮影が終わって改めて感じたことは、やはり私は台風を呼べるようになったなと。もともと何か楽しみなことがあったりすると、台風にあたってしまうことが多かったんです。本作の撮影期間もたった一週間だったのに、初日と最終日に台風が来てしまって。私やっぱり“持ってる”なと思いました(笑)」と茶目っ気たっぷりに明かす場面も。また、撮影現場の雰囲気については「監督が本当にほんわかしていて、優しい方なんです。映画の撮影現場は空気あピリピリしてしまうこともありますが、本作では一切なかったです!ずっと笑いながら、和気あいあいな雰囲気で撮影を楽しめました。監督のお人柄のおかげですね」と笑顔を見せた。さらに、浅川さんが4年ぶり、尚玄は10年ぶりとなった今回の“来夕”。久しぶりとなったゆうばり映画祭について、尚玄は「やっぱり楽しいですね!人の温かさだったり、距離の近さが魅力的ですよね」とすで満喫している様子だった。

そしてイベントの最後には、「6月に公開を迎えるので、一人でも多くの方に観てほしいなと思います!」(尚玄)、「公開までまだ時間はありますが、見に来てくださった皆さんが、一人でも多くの方に魅力や感想を伝えていただけると嬉しいです。またぜひ劇場にも足をお運びください!」(浅川)、「ちょっと笑えて泣けるゾンビ映画を作ったつもりです。ぜひ皆さんまた観にいらしてください」(監督)とそれぞれ一言ずつ挨拶し、イベントは終了いたしました。