今もなおカルチャーアイコンとして注目され続けている寺山修司が、唯一遺した傑作小説を『二重生活』の岸善幸がメガホンをとり再構築し映画化、菅田将暉とヤン・イクチュンを W 主演に迎えた『あゝ、荒野』。
期待が高まる後篇の公開初日、上映後の舞台挨拶に菅田将暉と岸善幸監督、さらにかねてより寺山修司のファンであり、主題歌「今夜」を手がけたBRAHMAN のボーカル・TOSHI-LOW が登壇しました。

♦ 日時:10 月 21 日(土) 10:45~11:10
♦ 会場:新宿ピカデリー スクリーン1(新宿区新宿 3-15-15)
♦ 登壇者:菅田将暉、TOSHI-LOW(BRAHMAN)、岸善幸監督

『あゝ、荒野』 後篇が本日初日を迎え、ダブル主演を務めた菅田将暉、岸善幸監督、そして本作の書き下ろし主題歌を手掛けたBRAHMANの TOSHI-LOW が登壇。早朝から劇場には長蛇がみられ満員御礼。上映後の熱をおびた会場で初日舞台挨拶は行われた。
後篇を観終わったばかりの観客から盛大な拍手に迎えられ菅田、岸監督が揃って登壇。菅田「あいにくの天気の所朝早くから今日はありがとうございます。この所、暑いと思ったら寒くなって、この体をいじめてくる感じ、なんか荒野っぽいなと個人的には思ってました。(撮影をしていた)ちょうど去年のあの頃はもっと暑かったなと思ってそんな次第でございます。」岸「去年の今頃はヤンさんの誕生日のお祝いをしました。今日こうして後篇初日を迎えてついに完結です。よろしくお願いします。」と和やかな雰囲気でスタート。 先日の第 22回釜山国際映画祭ではじめて世界お披露目となった現地に赴き、その反応を肌で感じたという二人は菅田「海外の人って本当に(先入観なしに)素直で、僕の事を知らない人達が作品を観てくれる環境は新鮮でした。言語は違えど伝わるものはちゃんと伝わるな、と。」岸「ヤンさんの母国で上映できたことが本当に光栄でした。Q&Aという上映後に観客の方とお話できる機会があったんですが、鋭い質問が沢山あって(笑)これからの励みになりました。」と手ごたえを語った。本作の舞台となった″新宿“で満を持しての舞台挨拶ということで、新宿の夜景やビル群はここ<新宿ピカデリー>の屋上で撮影、また劇中で象徴的に撮っていたカラスが菅田の背後に偶然現れた奇跡的なカットがあったという秘話を明かし「菅田将暉は、カラスも呼ぶ!(笑)」と絶賛。菅田は「そんなシーンあったんですか?!リアル新宿ですね(笑)」と掛け合いをみせた。後篇で描かれる、新次(菅田)VS 裕二(山田裕貴)戦、新次 VS バリカン(ヤン・イクチュン)戦のボクシングの試合シーンは5日間連続の壮絶な撮影現場だったという。


「一緒に闘っていた山田(裕貴)から″人を超えたね(笑)“と言われました。朝方撮影が終わってその後すぐドラマ『ジミスゴ(地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子)』の撮影だったんですけどもう体から熱を発してしてました。高熱ボーイですね・・・。」と会場を沸かせる一幕も。
監督が一緒にボクシングを始めると言いながらその姿を見なかった、と言いつつ、ボクシングの辛さがこれ以上分かるとカットがかけられなくなるから辞めた、という真意を知った菅田は「監督はメイクさん他全員泣いてるような現場で一人だけ鬼になって引いてみててくれたんです、皆拍手!」と現場の熱さを振り返った。
そして、新宿新次、バリカン建二のイメージカラーである赤、青の花束を携えて、本作の主題歌「今夜」 を手掛け たBRAHMAN、TOSHI-LOW も駆 け つ け登壇!
TOSHI-LOW は「(作品を観て)一言じゃ言い表せないけど、即興性の高いあのテラヤマ感というものを出すのはとても難しいと思うけど良く紐解いたなと。これは1つのすごい正解だったと思った。」と岸監督をたたえつつ、「あと、木下あかりのおっぱいより菅田の尻をみていた自分がいた(笑)。格好良いです、役者、菅田将暉!」と大絶賛。楽曲については、きっと頭のどこかで新次や建二がいたと思う、と言いながら、なんとその場で「今夜」がギター弾き語りで生披露された。このサプライズに感無量の菅田へ対して「(この曲)できることなら練習してライブで歌ってもらっていい?観に行くから!」と熱いリクエストに拍手が沸き起こった。最後に菅田は「皆さん、TOSHI-LOW さん今日は本当にありがとうございます。この作品が大好きです。どんどん広めて頂けるとうれしいです。」と万感の思いを込め舞台挨拶を締めくくった。