2006年版「この恋愛小説がすごい」の第1位に輝いた作家・島本理生による禁断の純愛物語を、嵐の松本潤主演で映画化した『ナラタージュ』が10月7日(土)に全国289スクリーンで公開し、大ヒットスタートを記録。それを記念して東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで16日(月)、主演の松本潤、有村架純、そして行定勲監督登壇の大ヒット御礼舞台挨拶が行われた。

高校教師と生徒という立場で出会った葉山(松本)と泉(有村)。そんな2人が時を経て運命的再会を果たし、一生に一度の許されぬ恋に身を焦がしていく…。
本作の公開後の反響に松本は「知り合いの男性から長い感想をいただいたり、平日の昼間に見てくれた友人からは、たくさんの人が劇場に入っていることを教えてもらった」と大ヒットを実感。釜山国際映画祭の公式上映に参加した有村も「監督や作品をリスペクトされている方が多く、質疑応答はものすごい数の人たちが手を上げてくれた。しかも2歩、3歩踏み入った質問をしてくれて、とても楽しかった」と充実した表情を浮かべた。

12年の構想を経て本作を完成させた行定監督は、「大ヒットで首が繋がった。これが当たらなかったら路線を変えようと思った」と覚悟を決めていたことを明かし、「この人間関係のあいまいさのようなものを描きたい。わかりやすくしなくてもいい。それこそ映画だからできること。こうやって多くの皆さんに見ていただけたということで、またこういった作品をやれる猶予期間が延びた」と嬉しそうに語った。

この日は松本、有村には内緒で行定監督が感謝の手紙を執筆し、司会が代読。本作を通じて「自分の表現の幅が広がった。これまでの自分がやっていた方向とは違う、そぎ落とす方向でやらせてもらったことで、幅が広がった」という松本には、『君が参加してくれたからこそ1本の映画が救われた』『不器用でその分誰よりも努力してここにいる人』『繊細な君とはもっともっと自由に旅してみたい。次はどんな冒険をしようか?その日を楽しみにしている』などの言葉が贈られた。

そして「映画の面白さを改めて感じた作品。葛藤しながら作品を作る楽しさを改めて感じた。色々な出会いや発見をくれた作品。撮影から今日まで、充実した時間でした」と感謝を口にする有村には、『精神的にもきつく不安があったはず。覚悟しなければいけないこともあったと思うが、泣き言も悩みも打ち明けず、ひたすら役と向き合った。その苦悩する姿こそ女優の最も美しい姿。あなたほど寡黙で芯の強い女優を私は知らない。これからもかたくなに演じることに拘り続けてほしい。そして日本映画史に残る女優になって。あなたなら必ずできる』との言葉が贈られた。

行定監督からの激賞に有村は「このようにお手紙をいただいて……今までやってきて良かったなと思いました」と号泣。その横でハンカチがないことに焦り、「こんな展開になるとは思っていなかった!」と笑わせた松本も「この手紙をいただけたことが一番の宝物。監督、スタッフの皆さん、このタイミングで架純ちゃんとこのようなラブストーリーができたことに感謝した」と感無量の様子だった。