国内外で常に注目を集める黒沢清監督が劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台「散歩する侵略者」を映画化。数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくる、という大胆なアイデアのもと、長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里ほか日本映画界を代表する豪華キャストを迎え、誰も見たことがない新たなエンターテインメントが誕生。現在、全国劇場にて大ヒット上映中です。

この度、『散歩する侵略者』が10月5日よりスペイン・シッチェスで開催中の【第50回シッチェス・カタロニア国際映画祭】に正式出品され、公式上映が行われました。
本作は、第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、その後もニューヨーク映画祭、釜山国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭での上映や世界25カ国での劇場公開がすでに決定しています。
シッチェス・カタロニア国際映画祭は世界3大ファンタスティック映画祭の一つに数えられ、本作は公式コンペティションである「ファンタスティック・コンペティション」部門に正式出品。現地時間10月12日、公式上映が行われました。
公式上映には、本映画祭の常連でもある黒沢清監督の新作を観ようと1384席の劇場を満席に埋め尽くす多くのファンが集まり、黒沢清監督が登場すると大きな拍手と歓声で迎えられました。黒沢清監督が「50回目の記念すべき年に呼んでいただけたことを嬉しく思っています。約10年ぶりにシッチェス映画祭を訪れて、映画祭がどんどん大きくなっているのを感じました。この映画の「侵略」もシッチェス映画祭のように、どこまで広がっていくのか、楽しみに観ていただきたいです。この映画はホラー映画ではありません。ファンタスティック映画祭にふさわしい、本当に“ファンタスティック”な楽しい映画になっていますので、あまり緊張せず、最後まで観てもらえたら嬉しいです」と挨拶すると大きな歓声が上がりました。
上映中も拍手や歓声が巻き起こるなど熱気に満ちた公式上映となりました。上映後も興奮したファンたちが黒沢清監督のもとに殺到。写真やサインを求める姿が見受けられました。

◆公式上映&舞台挨拶:10月12日(木)17:45〜(スペイン・シッチェス現地時間)
◆会場:Auditori Meliá Sitges (1384席)
【黒沢清監督】公式上映・舞台挨拶コメント
「こんなにたくさんの人が入っていて正直ものすごく驚いています。今年はシッチェス映画祭が50回目の開催ということで、そんな記念すべき年に呼んでいただけたことを本当に嬉しく思っています。僕は約10年前にもシッチェス映画祭を訪れていて、その頃はもう少し小さな映画祭だったような気がします。でも今回、シッチェスの街をずっと歩いて行ったら、カフェの前にゾンビが座っていたり、骸骨が吊り下がったりとどこまで行っても映画祭の雰囲気が続いていて、映画祭自体がずいぶんと大きくなったなあと感じました。また50年経ったら、どこまで広がるんですかね。シッチェス映画祭がスペインを通り越して、世界中に広がっていっているんじゃないかと想像するととてもわくわくします。
 今からご覧になっていただく映画は日本のある都市を舞台にした映画なんですけれども、物語は人間ではない未知のものが、いつのまにかだんだんと広がっていって、どんどん普通の人間の生活を「侵略」していく映画です。いったいどこまで広がっていくのか、シッチェス映画祭よりもまだ大きく広がっていくのか、そのあたりを楽しみにして観ていただきたいんですが、この映画はホラー映画ではありません。ファンタスティック映画祭にふさわしい、本当に“ファンタスティック”な楽しい映画になっていますので、あまり緊張せず、最後まで観てもらえたら嬉しいです。本当にありがとうございました」

【第50回シッチェス・カタロニア国際映画祭】 
2017年10月5日(木)~10月15日(日)(スペイン・シッチェス現地日程)
1968年にスタートし、今年、記念すべき50回目を迎えた。サスペンス、アニメ、フィクション、SF、スリラー、ホラーなどに特化した映画祭で、世界三大ファンタスティック映画祭(シッチェス・カタロニア国際映画祭、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ポルト国際映画祭)の一つにも数えられている。国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の長編映画祭。近年、日本からは2015年に『アイアムアヒーロー』(佐藤信介監督)がコンペティション部門で観客賞と最優秀特殊効果賞の2冠を、2016年に『君の名は。』(新海誠監督)がアニメーション部門で最優秀長編作品賞を受賞し、話題となった。本年度は、本作をはじめ『無限の住人』(三池崇史監督)、『サバイバルファミリー』(矢口史靖監督)がコンペティション部門に、『東京ヴァンパイアホテル』(園子温監督)がミッドナイト・エクストリーム部門に、『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』(湯浅政明監督)がアニメーション部門に正式出品されている。