映画『ナラタージュ』松本潤、有村架純ら “壊れるくらい忘れられない人”を語る!
2006年版「この恋愛小説がすごい!」の第1位に輝いた作家・島本理生による禁断の純愛物語を、嵐の松本潤主演で映画化した『ナラタージュ』が10月7日(土)、ついに全国公開された。同日の東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズでは初日舞台挨拶が行われ、松本潤、有村架純、坂口健太郎、大西礼芳、古舘佑太郎、行定勲監督が登壇した。
高校教師と生徒という立場で出会った葉山(松本)と泉(有村)。そんな2人が時を経て運命的再会を果たし、一生に一度の許されぬ恋に身を焦がしていく…。この日の舞台挨拶の模様は、全国129の劇場へ生中継された。
葉山役の松本は「この映画を通して、これまでやってきたこととは違う表現の方法もあるということを学んだ。役として何かを表現するときに、こういうやり方もあるんだと、行定監督に広げてもらった作品。監督に感謝です」と俳優としての成長を実感。葉山との禁断のラブシーンに体当たりで挑んだ泉役の有村は「これまで正統派な役が多かった中で、このような作品の色や役柄は初めてでした。自分としても選んでいただいたことが嬉しかったし、光栄に思います。23歳という年齢でこの作品を残せたことは、今後も自分にとって大切なものになる」とシミジミ。そんな有村に大西は「撮影中は有村さんが悶絶する姿を見た。その悶絶がこの劇場に知れ渡ったはず」と労っていた。
泉の恋人で葉山に対する嫉妬に燃える大学生・小野役の坂口は「この役は結構一筋縄ではいかない役だと思った。やっていることは酷いけれど、気持ちもわかる部分もあり、愛くるしさを感じた。観客の方々に対して、愛してほしい小野君として役を作りました」と報告。役柄に共感する観客が多いことが伝えられた坂口が「嬉しいです」と表情を緩めると、松本は「いいなぁ~」と羨ましがって笑わせた。
12年の構想を経て本作を完成させた行定監督は「この映画が作られるまで悶絶していましたが、今思えばこのキャストにたどり着くまでの時間だったと思っています。隅から隅までキャストに恵まれ、あいまいな愛の話だが何かが伝わる恋愛劇として作品を豊かにしてくれた」と俳優陣の熱演に感謝しきりだった。
映画の内容にちなんで“壊れるくらい忘れられない人やモノ”を聞かれた松本は「この映画を観終わったときにあったのは、これまで自分が生きてきたことを振り返る時間でした。中村勘三郎さんや蜷川幸雄さんら、もう会えない人のことを考えた。人の人生の記憶にどれだけ残ることができるのかを考えさせられた」と真剣な面持ちで回答。その次に指名された有村は「真面目なお話の後に…」と苦笑いしながらも「母の手料理」と答え「風邪をひいて熱を出してしんどかった時に、母が作ってくれたのがちらし寿司だった。食べたら凄く美味しくて、今でも忘れられません」と“おふくろの味”を紹介。それに松本は「素敵だな~、母の手料理。素晴らしいですね」と感心していた。
坂口は「ポジティブな思い出じゃないかもしれないけれど、衝撃的だったのは、オヤジが泣いているのを見た時。それは今でも強烈に覚えています」。大西は「祖母が好きだった美空ひばりさん」。行定監督は「今はもうないけれど、台湾で食べたイカ墨団子」。そして古舘は「中学時代にプロレスが好きで、家で友達と体が壊れるくらい練習した日々があった。その時の激痛は覚えています」と上手くお題にかけて笑いをとっていた。
最後はヒット祈願として、鏡割りを実施。劇中では雨のシーンが重要な意味を持つことから、樽の中身は“雨水”という変わり種。松本は「昨日も雨がたくさん降ってましたからね」と斬新すぎる鏡割りに驚き顔。無事に木槌で蓋を叩き割ると、中身を覗きながら「凄い透き通っている綺麗な雨水」と感想を述べた。
最後に松本は「苦くも濃密なラブストーリーになりました。たくさんの人に届き、たくさんの方の心に残ってもらえる作品になれば嬉しい。そしてこの映画が観客の皆さんのものとなり、たくさんの人に愛される作品になることを祈っています」とメッセージした。