ドキュメンタリー映画『すばらしき映画音楽たち』(配給:アンプラグド)がカリコレ2017にて全回満席となる大ヒットとなったことを記念し、シアター・イメージフォーラムにてロードショーすることが決定致しました。つきましては、下記の通り、映画監督の樋口真嗣さんと、本作の製作総指揮を務めた作曲家の戸田信子さんをお迎えしたトークイベントを執り行いました

映画『すばらしき映画音楽たち』特別先行上映会トークイベント
■日時:10月3日(火) ■場所:シアター・イメージフォーラム
■登壇者:樋口真嗣さん(映画監督)
戸田信子さん(作曲家、『すばらしき映画音楽たち』製作総指揮)

本作は、『ロッキー』や『E.T.』『スター・ウォーズ』『タイタニック』など、世界中の人々の心に残る名作映画たちを支えてきた映画音楽たちが、どのようにして生まれたかを紐解く音楽ドキュメンタリーである。カリコレ2017にて全回満席となる大ヒットとなり、10/7(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショーすることが決定した。これを記念し、都内で特別先行上映会が行われ、映画監督の樋口真嗣さんと本作の製作総指揮を務めた戸田信子さんがトークイベントに登壇した。
本作のプロデューサーとして本作に携わった戸田さん。「はじめは制作として関わる予定ではなかったのですが、近年素晴らしい作品が日本で公開しないことが多いので、私がこの作品に関われば日本で公開できると思い、私自身も出資し、制作として参加させて頂きました」と本作の制作経緯を語った。本作について樋口さんは開口一番「これパッケージにできるの?」と聞き、「教育用としても、とても素晴らしい作品だと思うから、ぜひパッケージにした方が良いですよ!」と強く勧め、会場ではうなずく人が多く見られた。
本作を制作をする上で戸田さんは、「作曲家のインタビューを集めることにとても苦労しましたね。コンポーザーを出す順番など、エージェントと話し合うのがとても大変でした」と苦労を明かした。映画監督として活躍している樋口さんは、映画と音楽を合わせることについて「ものすごく計画性をもって作るべきなのか、それともセッションのように作るべきなのかとても考えさせられますね。僕は結局映像を撮る側なので、音楽的にどうしてもはまるかはまらないか分からない時がある。音を足した方がより良い作品になるのであれば、映像を直したいと思うので、作曲家と話し合いながら進めます」と、映画監督としての意見を語った。また本作でレイチェル・ポートマンが映像を見ながら作曲していくシーンについて、「ピアノ1本だけで感情を拾って作曲をしていくのは、観ていてとても良いなと感じました」と本作で印象に残ったシーンを語った。
本作ではハンス・ジマーが惜しみなく制作方法や作曲することについて語っている貴重な映像が流れる。ハンス・ジマーについて戸田さんは「実はハンス・ジマーって音楽作っていないではないかと批判されることが多いんですね。けれどそれは違くて、音の素材を作る人が何人か集まり、チームとなって作曲をしていきます。その音素材をまとめていくのがハンス・ジマー。映像にはめていくスポッティング作業は映画にとってとても重要になってくるので、その責任を負うことはとても大変なんです」と、本作でも明かされなかった事実に、観客を驚かせた。また、「ハンス・ジマーが作曲を担当した『インセプション』では、まるまる1曲で作曲したらしいんですが、そのあとエディターが映像に合わせて編集したんです。それを踏まえた上でハンス・ジマーは1曲を作り、提供したと聞きました」と、貴重な裏話も披露。
最後に本作について「映像だけでは表現するのに充実しきれない部分があるので、その部分を音楽はとても助けてくれる存在というのを改めて感じさせてくれる作品です。よくこんな素晴らしいインタビューを引き出せたなととにかく感心しました!続きがとても観たいですね!」と樋口さん。戸田さんは「本作を日本で公開できたことがとても嬉しいです。映画を愛する方にはぜひご覧いただきたい作品です。本作を観て、新しい映画の楽しみ方を引き出してもらえたらなと思っていますので、何度もご覧頂ければ嬉しいです」とメッセージを残した。

映画『すばらしき映画音楽たち』は10月7日(火)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開中。