2006年版「この恋愛小説がすごい」の第1位に輝いた作家・島本理生による禁断の純愛物語を、嵐の松本潤主演で映画化した『ナラタージュ』が10月7日(土)、ついに全国公開される。その公開に先駆けた9月27日(水)には公開直前イベントとして、東京 恵比寿ザ・ガーデンホールにて「一生に一度の恋をした人」限定!スペシャル試写会を開催。主演の松本潤(33)をはじめ、ヒロインを務める有村架純(24)、坂口健太郎(26)、本作のメガホンをとった行定勲監督(49)が参加した。

高校教師と生徒という立場で出会った葉山(松本)と泉(有村)。そんな2人が時を経て運命的再会を果たし、一生に一度の許されぬ恋に身を焦がしていく…。そんな本作にちなんで、27日(水)に 「一生に一度の恋をした人」限定スペシャル試写会が開催され、600人が詰めかけた。

大歓声で迎えられた葉山役の松本は、「映画を観た後は声を出したくなくなるのでは?自分の中で芽生えた感情を心の中に取っておきたくなるような2時間20分後になるはず」と不敵に予告し、「皆さんにどう受け取ってもらえるか興味があるし、ドキドキします。皆さんの今まで経験した恋愛と重ね合わせてどう受け取ってもらえるか。そして数年後に思い返したときに、この映画は記憶に残る大事な作品になっていたら嬉しい」と公開直前の心境を打ち明けた。

松本演じる葉山との禁断のラブシーンに体当たりで挑んだ泉役の有村は、松本から「架純ちゃんの表情が崩れる姿が見どころ。体当たりして演じている分、感情が如実に表れている」と評されると、「葉山先生に対して『何なんだこの人は』という思いもあったし、憎しみはないけれど実はある、という複雑な心境でした」と演じた当時を回想。葉山に対する嫉妬に燃える大学生の小野役の坂口は、「撮影を通して驚いたのは、松本潤さんが松本潤さんじゃなかったこと」と謎の感想を漏らして松本や会場を「?」とさせつつ、「テレビの中にいる松本さんの印象でいたけれど、もはや松本潤さんではなかった。完全に葉山先生として現場に立っていた」と松本の憑依ぶりに舌を巻いていた。

一方、構想10年をかけて本作を完成させた行定監督は「恋愛ものは身近な感情を扱うものなので、嘘をつかないで演じてくれる役者が必要だった。このメインキャスト3人は、そんな人たちだった。かかった10年は、今ではメインキャスト3人を待つための時間だったと思えている」と配役に納得の様子だった。

イベントでは、観客から「一生に一度の恋」を経験したエピソードを募集。その中から松本ら4人がそれぞれ気に入ったものを発表した。

いとこに対する抑えられない気持ちを綴ったエピソードを選んだ行定監督は「エロい!」と感想を述べて、松本から「3文字!」とツッコまれながらも、日活ロマンポルノなみのストーリーを勝手に妄想し「すごくいいストーリー!映画化決定でしょう!」と一人大興奮。それに松本も「どんどん膨らみますね!妄想が激しいですね!」と行定監督のイマジネーションにお手上げだった。

坂口がチョイスしたのは、可能性ゼロだった女性と今では結婚して30年経っているという男性の経験談。坂口は「独白のような文体が素敵。恋愛はブレたりゆがんだりするものだけれど、それもなく、完成された一つの話になっている」と純愛に感激。別れた男性に対する未練のような思いを抱いた女性のエピソードを選んだ有村は「携帯電話もない、文通だったという今の時代じゃない恋愛模様がいい。ピュアというかそういうものを感じた。素敵な恋愛ですね」とうっとりしていた。

そんな中で松本が選んだのは、10歳以上歳の離れた男性に恋をしているものの、彼の都合で頻繁に会えないという女性の複雑な気持ち。『ナラタージュ』の設定に近いエピソードに松本は「こういう方にぜひこの作品を観てほしい!」とアピールし「ポジティブな気持ちとネガティブな感情がありながら、でもポジティブな気持ちを信じたいという思いが伝わってきた」と思いを代弁。そして「この女性にとって、今日見た映画が背中を押してくれるような作品になってほしい。そしてもう少し歳を重ねたときに、この映画を改めて観るとまた印象が変わっているかもしれない」と客席にいるこの女性に対して語り掛けるようにエールを送った。