(左から)ジャッキー・ウー監督、雪村いづみ、鈴木紗理奈、赤座美代子、小林啓子
9月24日(日)新橋のスペースFS汐留ホールで「キセキの葉書」(11月4日(土)より渋谷ユーロライブほかにて順次全国ロードショー)の完成披露上映会が行われた。上映終了後、ジャッキー・ウー監督(年齢非公開)、鈴木紗理奈(40才)、赤座美代子(73才)が舞台挨拶に立った。

本映画でマドリード国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞した鈴木紗理奈は「人生のご褒美をもらえた気分だった」と喜びを語った。ジャッキー・ウー監督は「原作に惚れ込んで映画化をしようと思った。実話に基づいた映画なので認知症、鬱病になる前のお母さんを元気なお母さんを描こうとするが、時にはラジカルに、時には攻撃的に生きるお母さんを描けるのは僕かなと思った。鈴木紗理奈さんは勘のいい役者さんだと思う」と話した。赤座美代子は「認知症の役はたまにありますが、最初脚本を読んだ時、この母親は娘に愛情があるのかなと思ったが、娘が送ってくる葉書に番号を振れとか言うところがリアリティがあると思えた」と語った。鈴木紗理奈は赤座美代子のことを「劇中とは違ってとても元気な女性で、私は最近、テニスを始めたのですが赤座さんから『勝つわよ!』と言われました」と語った。ジャッキー・ウー監督は「脳性マヒの娘を演じた女の子は、関西の役者の女の子で元気な女の子だった。目を開けっ放しにしてくれとか、色々な注文に答えてくれた」と語った。鈴木紗理奈は「娘役の女の子は自分に負担がかからないように気を使ってくれた。映画の出演の話をいただいた時、なぜ自分に主演のオファーがあったのかと思った。自分だったら鈴木紗理奈は選ばないと思った。でも映画の出演を決めて、監督を信頼してついて行こうと思った」と語った。ジャッキー・ウー監督は「鈴木紗理奈さんは勘の鋭い人で、才能もある。脚本に書かれている・・・という表現をどう演じるかも伝えた」と語った。鈴木紗理奈は「監督はマドリード国際映画祭最優秀監督賞を受賞した時に非常に冷静でした。もらったトロフィーも、えっ、そんな所に置いておくの?という感じでした」と語った。

 ジャッキー・ウー監督は「映画を作りながら感じたことはキセキを人は願っている。キセキを起こさなくてはならない人がいる、そしてキセキを起こす人がいるということでした」と語った。赤座美代子は「日本も高齢化社会を迎えていて、この映画を観ると心の中が温かくなります」と語った。鈴木紗理奈は「私の実の母親が映画を観て喜んでくれました。子育てをしながら仕事をして、映画の撮影で2、3日家を空けた時もあり、母の支えがあり、賞を取れて、お母さんに恩返しが出来たと思っています。監督に出会えて勘が良いとか才能があるとか言ってもらえて感謝しています」と涙ながらに語った。
 その後、会場に駆けつけていた雪村いづみ(80才)とエンディングテーマを歌った小林啓子(70才)と一緒に記念撮影を行った。