8/26(土)の公開より2週間程経った9/11(月)、公開後初めて観客を前に登壇した三島有紀子監督。
「8/26にこの世に生まれてきてくれたこの映画が、今は色んな方々に育ててもらっているという感じです。私のところにもたくさん感想が寄せられてきていて、観る人によって感情移入するポイントが違うし、様々な見方をしてくれている。皆様に伝わっていると感じています」と現状の心境を語りました。

●日程:9月11日(月)
●場所:テアトル新宿 (新宿区新宿3-14-20 新宿テアトルビルB1)
●イベント登壇者:三島有紀子監督(48)

本作は、8/24~9/4にカナダで開催されたモントリオール世界映画祭でコンペティション部門に出品をされ、見事に審査員特別グランプリを受賞。この日、監督にトロフィーが授与されました。
受賞について、「全く想像していませんでした。最初メールで知らされて、朝の通勤ラッシュの中一人立ち止まって『えッ!』と叫んでしまいました」と、スタッフもキャストも全員が驚きの受賞発表であったことを明かしました。
モントリオールでも「すごく感動した」「泣けた」という人が続出。同映画祭の中でも一番集客が多かった作品となったことが一番嬉しかったと振り返ります。「ある種のステップファミリーという特別な家族を描きながら、普遍的な家族の話でもあったり、人間同士のコミュニケーションの話でもあったりもする。前半は見方によっては何も起こっていない感じに思われるかもしれないけれど、まさに色々なものが張り巡らされていて、後半に繋がっていきます。それが(海外の皆さんにも)伝わったんだと実感しました」と海外で高い評価を得ていることへの喜びを語りました。
「DEAR ETRANGER」という英語タイトルについて、『ジャストフィットだった』とモントリオール映画祭で評価されていることに対し、「色んな異質な人と出会って、色んな化学反応が生まれて、死んでいくのが人間の人生だと思いながら映画を撮っていたので、『親愛なる、異質な人へ』というタイトルにさせていただきました。この英語とフランス語をMIXしたタイトルが非常にモントリオールの皆さんに評価していただいて、このタイトルにしてよかったなと思います」とタイトルに込めた思いを述べました。


重松清さんの原作が21年前に刊行され、それを脚本家の荒井晴彦さんが温め、21年の歳月を経て、三島監督とタッグを組み映画化となった本作。
観客からの「なぜこの作品を作ろうと思ったのか」という質問に対し、「この話は、浅野忠信さん演じる主人公の信(まこと)という人が、まだ生まれてきてい命であったり、奥さんの元旦那さんであったり、色んな人と出会うことによって、その人の本質がだんだん剥き出しにされていく物語だと私は受け取りました。剥き出しにされ人間の本質が見えてくるところが一番面白いと考えていて、そこを一番大切に描こうと思いました」と、監督自身が惹きつけれれた本作の魅力を語りました。
また、「(脚本家の)荒井さんの目線と自分の目線を足して作っていった」という本作。実は、終盤の田中麗奈さん演じる信の妻・奈苗のカラオケシーンは、最初に荒井さんが用意した脚本にはなかったといいます。「(田中麗奈さん演じる信の妻の)奈苗という女性を、ただ新たしい命を迎えることが全てと思っている何も考えていない女性にはしたくありませんでした。彼女自身もやはり色々なことに悩んでいたんだということを分かるシーンをつくりたいということで、カラオケのシーンを書いてもらいました」と製作の裏話を披露しました。
最後に、「21年前の設定とは違うところもたくさんあるので、原作と映画を比べてながら見ていただき、そこも楽しんでほしいです。正解を見つけられずにそれでも必死に生きている姿というのは私にとって美しい姿です」と観客へ力強いメッセージを送りました。

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