ニューヨーク出身のチャーリー・シーン(『プラトーン』)、ウーピー・ゴールドバーグ(『天使にラブ・ソングを・・・』)、そしてニューヨークを愛するスタッフキャストがマルティン・ギギ監督のもとに集結し、2001 年 9 月 11 日、NYワールドトレードセンタービルで起きた米同時多発テロ事件をビル内部の視点から描いた『ナインイレヴン 運命を分けた日』の公開記念上映前のトークイベントに作家・猪瀬直樹氏が登壇した。

■日程: 9月11日(月) 18:30~19:00
■会場: 新宿武蔵野館 スクリーン1 (東京都新宿区新宿 3-27-10 武蔵野ビル 3F)
■登壇者:猪瀬直樹(作家) MC:森直人(映画評論家)

『ナインイレヴン 運命を分けた日』の公開記念トークイベントが 9.11 テロから 16 年が経った先日行われ、日本の首都・東京の都知事を経験した作家・猪瀬直樹がゲストとして登壇した。
「チャーリー・シーンが久々に主演をしていたし、面白かった。でも(一番思ったことは)高層ビルのエレベーターは怖いよ、ということ。豊洲や武蔵小杉あたりの高層ビルに住むのは大変だよ!」また、9.11 そして日本人にとっては 3.11(という数字)は忘れられない日付として述懐。3.11については、都知事を辞めた後に、水没した気仙沼公民館の屋上 446 人が一晩どうやって生き延びたのか、取材を重ね証言をとり「救出」という本を出版しており、その時の様子なども合わせて語った。「わがままな奴もいるんだよ。446 人の中にも変なのがいる。映画の 5 人の中にも変な人いる。理にかなったことをお互い言っているつもりでも、密室の中のサバイバルは、言葉の一つ一つでも変わってくるからどういう話し合いをして、どう助け合うかが大事。」と作品とリンクさせながら振り返った。

9.11 はテレビの報道、3.11 は twitter の波及が役に立った事にも触れ、もし今、有事が起きた場合についての話題になると昨今の北朝鮮のミサイル問題にも話が及び「結局、中国が原油を輸出しないとかで制裁措置をとるとか、トランプさんが言っている。安保理事会でロシアと中国に働きかけているが、闇ルートで経済制裁も入ってきちゃう。北朝鮮と韓国が分断している状況が、一番アメリカやロシア、中国にとってちょうどいい状況。もし、ここで金正恩さんが殺されて、朝鮮半島が統一されてしまうと、核兵器を持った大きな国ができてしまう。それの方がかえって危ないという考えもある。実際北朝鮮のミサイルはアメリカ上空まで飛ばすことはできる。ただどこで落ちるか精度の問題があるから上の方で爆破させると電波攻撃になる。
そこまではやらないようにしないと。」と見解を示した。
「(日本人は)″9.11″は皆他人事だと思っているが” 3.11”は自分事だと思っている。(外国人は)3.11は遠くは他人事だと思っている。私は都庁で 3.11 を経験した時はエレベーターには乗らなかった。そういう自分なりの危機管理は絶対必要。こういうことが起きないと思っているかもしれないが、エレベーターに閉じ込められるような出来事は誰にでも起こりうると思った方がいい」猪瀬節で警鐘を鳴らし、イベントを締めくくった。