マーティン・スコセッシ監督が「世界の至宝だ!」と絶賛する、映画の父“リュミエール兄弟”が製作した作品1422本から厳選された108本より構成された映画『リュミエール!』が10月28日(土)より東京都写真美術館ホール他全国順次公開することが決定!
この度、本作の日本語版ナレーションを、映画への造詣が深い落語家の立川志らくさん(54歳)が担当することになり、9月12日(火)に日本語ナレーション収録を実施いたしました。

◆日時9月12日(火)◆会場:ソニーPCLスタジオ クリエーションセンター

収録当日は、報道陣を前に、本作の中から「水を撒かれた水撒き人」「ラ・シオタ駅への列車の到着」「日本の闘志」と題された3作品のナレーションを収録。軽妙かつ愛嬌のある温かな語り口で順調に収録が進みました。

そのあと取材に応じた志らくさん。テレビのナレーションは何度かあるが、映画のナレーションは本作が初めて、とのことで、その感想を問われると「とても貴重な映像の数々なので、あんまり邪魔しちゃいけないなと思いながら、あんまりキレイにしゃべりすぎても、それならばアナウンサーとか声優さんとか連れて来ればよいわけですから、そんなところを悩みながら撮りました」と答えた。

続けて「観る前はよっぽど映画好きか、映画監督やカメラマンがみるべき映画かと思っていたんだけど、実際にみて観ると、映画に多少でも興味があれば娯楽として楽しめるはず!いまの若い人たちはyoutubeのために自分で撮影したりしているけれど、何が違うって、(リュミエール作品は)絵画みたいなんだよね、ストーリー性はそれほどなくても楽しめると思う」と本作を解説。
さらに好きなシーンは「意味もわからず、乳母車が道をドンドン通ってくる映像」だそうで、「最後に演出なのかたまたまなのか、ヨチヨチ歩きの子がすーっと歩いてくるんだよね。“まるでチャップリンの「モダンタイムス」のように”と解説も入るんだけど、その子の後姿がチャップリンのようで。大きな意味はないんだけど、感動的だなと。映画って、意味がなくても面白いんだなって映画の原点のようですごく印象に残りました」と映画に造詣が深い志らくさんならではの感想も。

また今年観た映画の中で一番好きな作品としては「ラ・ラ・ランド」を挙げ、「この作品が今年観た中で一番。フレッド・アステアの作品とかみていたものとしては、この時代によくこの映画を作ってくれたなと、ミュージカルが好きで好きでしょうがない、という気持ちが画面にあふれていて、その好きさが現れているとそれだけで楽しくなるんですよ。そういうのが映画の原点ですよね」と語ってくれた。

落語家としてだけでなく、映画の評論や現在TBS系「ひるおび」のコメンテーターとしても活躍する立川志らくさん。「昔から好きなものは片っ端からやっていこう、と思ってるし、新たに挑戦したいのは、落語家として一本映画を作りたいなぁと。私が唯一できるのは、自分の師匠である立川談志がどんな人だったか、それをちゃんと映画で描きたい。談志はこんなハチャメチャで嫌われていたけど、一方ではこんなに愛されていた、というのをドラマ仕立てで作ってみたい。それができるのは談志の弟子で映画に精通していないと、となると志の輔さんか私かな。誰が談志をやるかっていえば、私が演じれば似てますよ、憑依芸で(笑)」とユーモアを交えて答える一幕も。

最後に本作を「映画マニアにはたまらない作品で、しかも普通の映画ファンがみても熱狂できる、本当に貴重な作品。これから自分のもっているちょっとした機材で映像を撮ろうと思っている人、短編を作ろうとしている若い映画人は観るべきです!目からウロコで、この作品はまさに動く絵画!内容以上にいかに構図にこだわるか、そこに作り手の愛情が加わるか、それを発見することができる作品です!」と熱く語り、終始、映画愛にあふれたナレーション収録になりました。