9月6日(水)、よしもと祇園花月にて「京都国際映画祭2017」の開催概要発表会見が行われました。「京都国際映画祭」は「京都映画祭」の伝統と志を引き継ぐ映画祭。「映画もアートもその他もぜんぶ」というほかにはないテーマを持ち、今年10月12日(木)〜16日(日)の開催で4回目を迎えることになります。今回のキャッチコピーは『京都三泊四日。』というもの。京都の街に新鮮な驚き、感動のステージを創り上げます。
ステージにはMCの木村祐一、KBS京都の平野智美アナウンサーが登場です。京都国際映画祭のテーマや今年のキャッチコピーについて説明されました。木村は「(映画祭への)地元のみなさんの期待度、浸透度を感じる」と話したあと、「京都には言われたくないことを知ってる人もたくさんいる」と笑いを誘います。


最初は門川大作京都市長の挨拶です。「文化で全国を元気にしていこう、京都が、この映画祭がその拠点になれば」と話し、来年は明治維新150年であること、第一回の万国博覧会が西本願寺を中心に行われたことなどに触れ、「市民みんなで応援し、楽しませてもらいたい」と語りました。

続いて京都府 商工労働観光部 観光政策監 古川博規氏が登壇。府立植物園や大学などと連動して、ワークショップやアート展などを行っていること、日本初上映の台湾映画などについても話し、「みなさんに楽しんでいただければ」と挨拶しました。


京都国際映画祭実行委員会 名誉委員長の中島貞夫氏は「京都は映画の故郷、新しい波が京都から起こって欲しい、という気持ちで参加させていただいている」とコメント。映画の楽しさを味わってもらいながら、新しい映画づくりをもう一歩、二歩進めるためにはこの映画祭の成功が必要であることなどを話しました。

続いては、京都国際映画祭実行委員会 実行委員長の中村伊知哉氏の挨拶です。西本願寺を始め、岡崎公園、植物園など京都らしい場所を使うこと、さらにアニメ100周年など新しいイベントも盛り込んでいることをアピール。「3泊4日の間、世界中のみなさんに楽しんでいただきたい」と話しました。

そして、改めてオープニングセレモニーが世界文化遺産「西本願寺」の重要文化財でもある「南能舞台」で開催されることが発表されました。去年の二条城もビックリしたと木村。まさか今年は西本願寺の能舞台に上がれるとはと驚いた様子で話しました。

西本願寺 本多隆朗執行長は「大変ありがたく、ご縁の深さを感じている」と話し、この映画祭が新たな展開になることを喜んでいるとコメント。そして「レッドカーペットは国宝の唐門をバックに歩いていただくことも考えている」と発表しました。さらに1909年に西本願寺で映画に関するイベントが行われたエピソードを披露。西本願寺は時代ごとに文化、芸術と向き合い、育ててきた歴史があることを話し、京都国際映画祭を全国、全世界にアピールできる素材と思っていると話しました。


続いては映画部門についての説明です。ステージには京都国際映画祭総合プロデューサー 奥山和由氏が登壇。過去三回以上のプログラムの充実ぶり、アニメ部門が新しく発足、さらに目玉として「火花」がワールドプレミアで上映されることをアピールしました。そして個人的に「五社英雄監督特集」を切望していたことを告白。厳しく教えられた過去のエピソードを披露し、原点を見直すということも大切、原点という意味で「五社英雄監督特集」が実現したことを話しました。

ここから「映画部門」各賞の紹介です。日本映画の父と呼ばれる故・牧野省三監督を偲び、1958年に創設されたのが「牧野省三賞」。昨年からは発表、授与式を京都国際映画祭で行なっています。今年は西本願寺南能舞台で行われるオープニングセレモニーで発表されます。続いては「三船敏郎賞」について。戦後の日本を代表するスターであり、その日本人離れしたアクションは、世界の映画表現・演技において革命的な影響を与えてきました。その三船敏郎の名前を冠した同賞は、国際的な活躍を期待される俳優に贈られます。こちらも今年の受賞者が10月12日(木)のオープニングセレモニーで発表されることが伝えられました。

続いて「上映される各部門」の紹介です。「特別招待作品」は、京都国際映画祭2017以降に公開予定、日本未公開の海外作品など、刺激的な作品をゲストの参加とともに紹介します。
続いては第2回沖縄国際映画祭からスタートした「TV’ DIRECTOR’S MOVIE」です。テレビ局と吉本興業によるこの共同プロジェクトは、既存のジャンルにとらわれない意欲的な作品創りを目指したもの。沖縄に続き、充実した作品の数々をいち早く、一挙に上映するプログラムとなっています。
「サイレント クラシック映画」は、日本の映画発祥の地「京都」ならではの温故知新な映画体験を発信する京都国際映画祭のパーマネントカテゴリー。活弁や演奏を交えて上映される作品、デジタルで修復され、鮮明な画像を楽しめる名作、さらに芸人が活弁に挑戦するなど、ライブ感あふれる映画体験ができるプログラムです。
一人の人、一つのテーマなどにスポットを当てるのが「特集上映」。「五社英雄特集」では、没後25年を経て、今なお注目を集め続ける名監督・五社英雄氏の初期から晩年までの作品を、関係者の貴重な証言なども交えて紹介します。
「内田裕也 ロックンロールムービー」は、毎年京都国際映画祭を盛り上げてくれるロックンローラー・内田裕也氏ならではの視点で作品を紹介していきます。
「映画祭連携企画」は京都で行なわれる様々な映画祭、イベントと手を組み、作品の紹介上映を実施するなど、映画の街「京都」を盛り上げる企画です。
「京の映画」は「京都」を”人”、”場所”などいろいろな視点から紹介する、京都にゆかりのある作品を紹介します。
2014年から京都国際映画祭の会場として使用されていた元・立誠小学校の竣工が1927年、同じ年に「忠次旅日記」も公開されました。今回事前企画として9月23日(祝・土)に「『忠次旅日記』(デジタル修復版)井上陽一 活弁ライブ」が開催されることも発表されました。

そして今年からアニメーションカテゴリーが追加されたことが話され、ナビゲーターに「京都特別親善大使」のアニメ「有頂天家族」を起用したことが発表されました。世界最高齢のアニメーション作家集団「G9+1」プロジェクトの紹介も行われました。日本のアニメを創設したベテランクリエーターたちの新作や過去の短編作品の上映、舞台トークも予定されていることなどが話されました。
ここで今年のワールドプレミア作品、300万部を超えるベストセラー又吉直樹著書を板尾創路監督が映画化した「火花」の紹介として、予告編と主演の菅田将暉氏、桐谷健太氏のコメントが流されました。2人はたくさんの人に見てもらえるのがうれしいと話し、コメディ映画ではなく、青春映画であること、公開されることが楽しみでうれしいと話しました。
ここで奥山氏がゲストを紹介。五社プロダクション代表取締役 五社巴氏が登壇します。監督によく怒られたと振り返る奥山氏。五社氏は「没後25年にこのような機会をいただいたこと、スタッフのみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです」と話しました。
続いては、大阪芸術大学教授 おもちゃ映画ミュージアム代表で、サイレント・クラシック映画のディレクターでもある太田米男氏です。今年は大江能楽堂がメインの会場に決まったのがうれしいと太田氏。映画の原点はコメディであるということをテーマに、去年はチャップリン、今年はコメディ映画の女王メーベル・ノーマンドを始め、女性ががんばるプログラムを上映することを発表。そして「古い映画はなかなか見る機会が少ない、活弁、音楽、映像とのコラボで新しい発見があると思う」と語りました。
続いて「TV DIRECTOR’S MOVIE」の出演者も登場しました。テレビ朝日共同制作作品「N.Y.マックスマン」の主演を務めた稲葉 友氏は、ニューヨーク帰りの探偵役であることのほか、撮影の裏話も披露。見どころとして歴代のマックスマン3人が並んでの変身シーンを挙げて、自身も変身ポーズを見せると、舞台上からも「カッコいい!」の声が上がっていました。
続いては朝日放送共同制作作品「ありえなさ過ぎる女〜被告人よしえ〜」の主演・浅香あき恵です。今回はシリアスな役どころで「ほぼほぼ無表情」だったとのこと。撮影中はどんな作品になるかわからなかったけど、見てみるとめっちゃおもしろかったとアピールします。そして「私って笑顔、表情に助けられていた、無表情は不細工」と話すと、木村がすかさず「そうですね!」とツッコんでいました。
3作品目は、テレビ東京共同制作作品「海辺の週刊大衆」に出演しているNMB48渋谷凪咲です。初めての映画でヒロイン役だったので「みなさんから愛されなくてはと本番前イチゴをたくさん食べて挑みました」とコメント。主演のピース・又吉との撮影中のエピソードも披露されました。
続いては、毎日放送共同制作作品「よしもと新喜劇映画 女子高生探偵 あいちゃん」に出演したNMB48谷川愛梨、内木志、村瀬紗英の挨拶です。ストーリーのあらすじに触れたあと、新喜劇メンバーとの撮影中の裏話として「みなさんがやさしかった」「川畑座長がNMBにくわしかった」などのエピソードを話しました。
映画部門に続いては、アート部門の解説です。今年のアート部門は『生生流転』全てのものは絶えず生まれては変化し、移り変わっていく。をテーマとして掲げていることを発表。アートプランナーのおかけんたが登壇し、旅を意識して企画を考えたと話します。そして、図書館で行われるイベントや北山エリアで大学といっしょになって行う取り組みなどを紹介しました。
そして会場ごとのイベント紹介も行なわれました。「京都駅ビル」は、機関車を模した鋼鉄製のオブジェを展示する橘宣行『銀河鉄道たちばなDX』、「京都芸術センター」はLIMITS 『Digital Art Battle in KYOTO』。世界レベルで盛り上がりを見せる、デジタルアートのバトルイベント「LIMITS」を実施します。
「元・立誠小学校」では『精華百華展 陶器展・陶器市』『アニメを通して見る京都の世界』などの展示・企画が行われます。「京都府立植物園」では、Yotta『穀(たなつ)』、お茶の京都博『宇治茶BAR』、石原和幸『よしもと演芸 in 京都』などが行なわれます。
「藤井大丸」はSTICK 『SHUTTER BOMB in KYOTO』、銀シャリ鰻和弘『鰻の1コマ入魂展』、「京都タワーサンド」では、『ギャグ!?アート!?ゆりやんレトリィバァ×イチハラヒロコ そこそこええ人生でいきやー。ガチャ。』を開催。「ジェイアール京都伊勢丹」では、ヘザーブラウン『ヘザーブラウンmeets京都国際映画祭』が、「京都伝統産業ふれあい館」では、『首里嵯峨 2017 秋』、ミハイル・ギニス『Futuristic Craftsmanship』京提灯×ハイテクニット、『京の職人ワークショップ』、月亭方正 笑福亭笑利 『伝統工芸を纏って落語を一席』が行われます。