国内外で常に注目を集める黒沢清監督が劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台「散歩する侵略者」を映画化。数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくる、という大胆なアイディアをもとに、誰も見たことがない新たなエンターテインメントが誕生しました。
この度、豪華キャスト&監督登壇の初日舞台挨拶を実施いたしました!さらに、キャスト、監督&観客にも「どこに“侵略”するかわからない」完全シークレットの【サプライズ舞台挨拶】も! キャスト陣が初日を迎えた喜びを語る華やかなイベントになりました。

①「豪華キャスト登壇!初日舞台挨拶」
【場所】新宿ピカデリー 【日時】9月9日(土)11時25分~11時55分
【登壇者】 長澤まさみ 松田龍平 長谷川博己 高杉真宙 恒松祐里 黒沢清監督
②「どこに“侵略”するかわからない!【サプライズ舞台挨拶】」
【場所】109シネマズ二子玉川 【日時】9月9日(土)15時30分~15時55分
【登壇者】 長澤まさみ 松田龍平 長谷川博己 高杉真宙 恒松祐里 黒沢清監督

●初日舞台挨拶@新宿ピカデリー スクリーン1
主人公・加瀬鳴海役の長澤まさみは「皆さんお忙しい中、ありがとうございます。(上映後の観客に)いかがでしたか?(会場拍手)ありがとうございます。よりもっともっとたくさんの方に映画館で映画を観ていただきたいと思っています」と挨拶。長澤は新たな挑戦について問われると「鳴海としては一番大切なパートナーである真治(松田)との関係が生活の基盤にあるので、本当に夫婦のように見えるお芝居ができたらという思いがありました」とコメント。劇中ずっと怒っている設定について「怒りの中に鳴海の全てが注ぎ込まれていました。愛情や優しさ、悔しさだったりといろんな感情が集約されていたので、人間らしい役を演じることができて勉強になりました」と答えた。黒沢監督は「『こんなふうにお願いします』と言うと、普通(の俳優)は『はい』とか『嫌だ』とかそういう反応が返ってくるんですが、長澤さんは『あ、はい』と。一回『あ』と(入って)ちょっと虚無的な顔をする。これがうれしいやら困ったやらで。でも必ずやってくれる、頼もしい女優でした」と長澤に厚い信頼を寄せている様子だった。
加瀬真治役の松田龍平は「今日は初日を迎えられて、こんなにたくさんの皆さんに来ていただけて嬉しいです。ありがとうございます」と挨拶。侵略者に乗っ取られた鳴海の夫・真治役の松田は「黒沢さんに撮影に入る前に『宇宙人みたいですね。そのままで大丈夫です』と言われてほっとしたのを覚えています。宇宙人といっても見た目は人間ですし、ただ概念を一つも持っていない空っぽな状態なだけ。そんな僕を黒沢さんや長澤さんをはじめ皆さんに引っ張ってもらった。空っぽなんだけれども、『これはなんだろう』『へぇ』という好奇心のようなものを持ちながらやっていた」と役作りについて語った。黒沢監督は「最初にお会いしたときに、『宇宙人役なので、よくわかりません』と正直に言いました。『それでも大丈夫ですよね?』と聞いたら、松田さんは『ふっ』と笑って『大丈夫だと思います』と言って見事に演じてくれました」と、長澤と同様、松田への信頼を語った。
桜井役の長谷川博己は「念願叶って黒沢監督の作品に出演できて、さらにカンヌ国際映画祭にも参加させていただきました。こうやってまた皆さんと初日舞台挨拶を迎えることができて嬉しいです」と挨拶。ずっと黒沢監督のファンだったと明かし、「幸せな時間でした!あまりにもファンなので黒沢さんの過去作品の話ばっかりを撮影中に聞きまくって…相当鬱陶しかったんじゃないかと(笑)」とコメント。これに対し、黒沢監督は「自分としては珍しいのですが。長谷川さんと一緒になると、撮影現場で雑談ばかりしていました。ほかにもいろいろと考えなきゃいけないことがあったのに(笑)」とジョークを交え、会場の笑いを誘いました。また長谷川は劇中での大掛かりな爆破の中で走るシーンについて、CGではなかったという話を披露。本番1回しかもワンカットで行ったことを語り、観客を驚かせた。
天野役の高杉真宙は「こんなにたくさんの人に今日お会いできて嬉しいです。そして、この『散歩する侵略者』の一人として、ここに立つことができて本当に幸せです」と挨拶。松田同様、侵略者の役作りについて、「既にいくつか概念を奪っている状態の侵略者の役だったので、どうしたら侵略者っぽくなるのか考えながら演じていました」とコメント。「(松田が)どんな感じで演じていらっしゃるのか気になっていました。侵略者としてようやく会えたシーンはなんか不思議な感じでしたね。やっと出会えた感がありました」。松田も「同じ侵略者として、初めて会うのに初めてな感じがしなかった」と笑顔をのぞかせた。
立花あきら役を演じた恒松祐里は「1年前に、血だらけのセーラー服姿ででクランクインした日がすごく懐かしいです。あの夏に頑張った作品が、今日から皆さんの元に届くと思うとすごく嬉しいです」と挨拶。アクションに初挑戦した恒松は「2ヶ月、アクションをひたすら練習しました。アンジャッシュの児嶋さんとのアクションは、意外と身長が高くて、その背中に飛び乗って首を絞めるシーンが一発でやらなきゃいけなかったので難しかったです!」と明かした。アクションはすごく気持ちいいです。普通の女の子より力がある設定だったので、みんなバンバンやられてくれて、すごく楽しかったです(笑)」と満足気にコメントした。
黒沢監督は「この映画をご覧になって、一言では簡単に言えない複雑な感情が皆さんの心の中に今残っているのではないかと思います。映画は宣伝のためには一言で簡単に言えるのが良いと言われてはいるんですが、それだけではないと思います。一本の映画を観て、観る人によっていろんな観方もありますし、簡単に自分の中で全部は理解できない色々な感情が心の中に沸き起こる。それも「映画の強い力」のひとつだと思います。簡単に一言でこの映画を解決せず、長く皆さんの心の中に、記憶に、残っていただければ嬉しいです」と本作に込めた思いを語った。
第70回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品、さらに北米を含む25カ国での公開が決定しているが、既に発表されている第50回シッチェス・カタロニア映画祭に続いて、今月開催される第55回ニューヨーク映画祭、10月開催の第22回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門に正式招待されることが発表された。黒沢監督は「世界の様々な国で上映されるのはありがたい話ですね。特に釜山はエンターテインメント映画に関して素晴らしい作品がたくさんあるので、その韓国の方に『散歩する侵略者』がどのように観られるのか、今からすごい楽しみです」と期待を語った。


●どこに侵略するかわからない!【サプライズ舞台挨拶】@109シネマズ二子玉川 シアター3

新宿ピカデリー舞台挨拶のラストで長澤まさみから発表された完全シークレットの【サプライズ舞台挨拶】。豪華キャスト&監督は、大型サロンバスに乗り込み、どこに舞台挨拶に行くのか知らされないままLINE LIVEに登場。楽しく会話しながら、「侵略先」を予想する模様が全国に生配信された。会場に選ばれたのは109シネマズ二子玉川。豪華キャスト&監督の登場に、会場はどよめきが起こるのか!?と思いきや、なぜかアットホームな雰囲気に。【サプライズ舞台挨拶】を予想して来た人は?と観客に問いかけると、多くの人が手を挙げた。公式Twitterなどのヒントを頼りにきた観客がほとんどで、中には新宿の舞台挨拶から続けて参加したファンも。
長澤は「こういったサプライズ舞台挨拶をするのははじめてで、ドキドキしていたのですが、結構アットホームな感じで、会ったことがあるような気がして嬉しいです」と感想をコメントし、松田も「確かにサプライズ感は・・・。でも、逆にドキドキしていたのでこのくらいの感じがすごくありがたいですよね」と賛同。長谷川は「役者をする前に、1年間、二子玉川で働いていたことがあり、ヒントで少し窓から外を見たときに、すぐにわかりました」と懐かしんだ。黒沢監督は「本当は映画を観て“サプライズ”していただきたいので、これくらいの雰囲気でほっとしました」と語った。
最後に、キャストの皆さんよりこれから映画をご覧になる方へメッセージをいただきました。
長澤:この映画では今まで見たことがないことが起こります。ちょっと現実にもこういうことが起こるんじゃないかと錯覚するような映画になっています。是非、何回でも観ていただきたいと思える作品になっています。ぜひ楽しんでください。
松田:これから映画を観てもらえるというだけで嬉しいです。日常がいつのまにか少しおかしいぞという空気が流れていく、『散歩する侵略者』というタイトル通りの面白い映画になっていると思います。
長谷川:色んなエッセンスが入った新しい映画になっていると思います。普段の日常を少し疑ってみるというか、そこに疑問を持ってみるというきっかけになれるような作品になっていると思います。もしよかったら口コミでぜひ宣伝してください。
高杉:いろんな方向から楽しめる映画だと思います。僕はこの映画を観て、自分も知らないうちに着々と侵略されて行くのかな、という感覚に襲われました。皆さんも気づかないうちにこの映画を観て侵略されてください。
恒松:私はこの作品の中でアクションシーンを頑張っていますので、ぜひそちらにも注目していただいて、私のアクションも格好良かったな、とも口コミで広めていただけると嬉しいです。