TBS テレビ製作、彩プロ配給の『米軍（アメリカ）が最も恐れた男 その名は、カメジロー』は、8/12（土）より先行公開の沖縄・桜坂劇場で異例の大ヒット公開中、そして 8/26（土）より東京のユーロスペースでも公開され、土日の全 8 回と、3 日目の 28（月）の初回、2 回目までの 10 回の上映全てが満席となる大ヒットスタートとなった。勢いは衰えず、公開 4 週目の 9 月 2 日までに全国の興行収入累積は、15,000,000 円を突破。また、来週末には、沖縄の観客動員累計が、1 万人を突破する見込みである。

日程 9 月 2 日（土）11:30 回の上映後 14:00 回の上映後
場所 ユーロスペース Scr2 (渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 3F)
登壇者 佐古忠彦監督 藤井和史氏（エグゼクティブプロデューサー）
MC 皆川玲奈(TBS アナウンサー)

舞台挨拶では、佐古監督が「初めて映画制作に挑戦しまして、上映後に拍手を頂くというこんなに嬉しいことはありません。本当にありがとうございます」と一言。藤井氏「ユーロスペースという場所が、渋谷の奥にあり、普段足を運ばない方はハードルが高いのかなと思う。最後の上り坂がキツイ坂なので、どのくらいの方に足を運んで頂けるか不安だったが、今日こうやって、満席になって、本当にありがとうございます」と一言挨拶。
MC「沖縄の観客動員数が間もなく 1 万人を突破する」と言われ、佐古監督「本当に信じられないことばかりでして、夢を見ているかのような気持ちで過ごしています。8/12(土)の沖縄先行公開の際も、朝劇場に着きましたら、驚くような行列ができており、300 人収容の劇場がすぐ満席になって、約 100 人の方が入場できないという大変な状況でした。一人一人の方のお顔を拝見していくと、ある一定の世代の方ですと『またカメジローに会いにきた』そんな表情をしてた。その方々の子供時代、亀次郎の演説があるという日には、早めに家族揃って晩御飯を食べて、『今日は亀次郎があるよー』とむしろを持って出掛けるといったエピソードを今回の取材で聞くことが出来た。沖縄に“ワジワジ”という言葉がありますけど、私に声を掛けて下さった方に『“ワジワジ”した気持ちを皆で分かち合えて話が盛り上がった』と話すんです。そういう意味でいうと、５０年前、６０年前の亀次郎さんの演説会はこういう雰囲気だったと思う。沖縄から東京へ熱気が伝わり、先週来満席が続いていて、本当にありがとうございます」と喜びを表現。


MC「瀬長亀次郎を取り上げようと思ったきっかけは？」の問いに佐古監督「日々、沖縄の基地問題をお伝えする中で、中々瞬間瞬間を切り取るだけで、全体像が伝わらないなという想いがずっとあり、当時の沖縄で一体何があったのか、沖縄の戦後史が本土の人の認識からすっぽり抜け落ちているんだなという気がずっとしていた。あの時代の主人公の一人である瀬長亀次郎さんを通して、戦後史を見つめることで、本土の人の一面的な批判がなくなり、『なぜ、沖縄の人が声を上げ続けるのか』その核心を感じ取ってもらえるかもしれないと思った」と切り出し、「亀次郎さんという人はたくさんのエピソードを持っていて、そこをどんどん掘り下げていきたいという想いと、沖縄の戦後史を見ないといけないという想いもありましたから、そこをどう編み込んでいくか、作り手としては、一番悩ましいところではあった」と苦労を語る。
ニューヨーク在住経験のある女性から「アメリカは亀次郎さんのことを恐れていたと言っていた。やっぱり、今日の社会では、ムスリムだったり北朝鮮のミサイルだったり、為政者が“恐れ”をすごく利用しているように思う。タイトルは現代の恐れを利用する政治家のことを意識してつけられた題名なのでしょうか？」と質問。佐古監督「この映画は、さまざまなテーマが入っています。あの時代に亀次郎が民衆と一体となることにアメリカは恐れを抱いていて、本土に影響を及ぼすことが怖いという理由で、本土に渡るパスポートをなかなか出さず、17 回目の申請にして、ようやく出したそう。亀次郎を沖縄に閉じ込めていた」と語る。続けて「9.11 同時多発テロの際に現地で取材し、メディアがどんどん戦争に向かっていったと感じた。キャスターが『アメリカよ奮い立て』と発言している報道を見たり、街に出ると星条旗が溢れていて、戦争はこうやって起きていくんだなと思った。ですから、どういう方向に進んでいくか分からない時代だからこそ、冷静に物事をみつめることができるかが問われていると思う』と語る。
最後に、佐古監督「色々歴史を見た時に『点』がいっぱいあるんですけど、いろんな作業をすることでひとつの『線』につながっていくんですね。今があるのは、歴史があるからだと痛感した。歴史を見れば、今が分かるんだなと感じる。なぜ、沖縄の人々が声を上げ続けているのかということを含めて、沖縄と本土との溝を少しでも埋めることができればと思う」と力強いメッセージを送った。