渋谷ユーロスペースにて絶賛公開中の映画『ロスト・イン・パリ』の公開を記念して、KIRINJI 堀込高樹さんをゲストに迎えたトークショーを開催いたしました。

8 月 11 日(金・祝)、公開中の映画『ロスト・イン・パリ』の上映後トークショーが渋谷ユーロスペースにて行われた。
本作にコメントを寄せている KIRINJI の堀込高樹さんをゲストに迎え、ライター・編集者の小柳帝さんが司会をつとめた。堀込さんは「映画のトークショーに出演するのは初めて」(本人談)とのことで、貴重な機会を逃すまいと詰めかけた KIRINJI ファンを中心に、場内は満席となった。
本作で初めてアベル&ゴードン監督の存在を知ったという堀込さん。小柳さんに感想を聞かれると、「おもしろかったです。気負わなくていいのがいいですよね。こういう暑い最中に観るのがいいと思いました」と、夏にぴったりの映画だと太鼓判を押した。

本作で監督・脚本・製作・主演をこなしたアベル&ゴードンは「ジャック・タチのエスプリを継ぐ監督」と言われていることから、トークはタチの話題に。堀込さんは、もともとタチ作品を観たことはなかったがサントラは非常によく聴いていたそうで、「タチ作品のサントラ風の曲を作ってゲーム会社に応募したら合格しました(笑)」と、思わぬエピソードも飛び出した。また、今回、本作にコメントを寄せるにあたって初めてタチ作品を鑑賞。「アベル&ゴードンよりもタチの方がクレイジー。タチがすごいらしいからって観ると、もしかしたら難しいと感じるかも。そう考えるとタチ作品よりも『ロスト・イン・パリ』の方がフレンドリーな感じがしますね。ちょっとブラックなところもあるけど娯楽としてはこちらの方が安心して観られると思います」とコメント。タチ作品のノベライズ本の翻訳を行っている無類のタチフリークの小柳さんも、「逆にアベル&ゴードン作品を入口にタチ作品を観ていくのもいいかもしれませんね」と堀込さんの意見に納得の様子。

本作のサントラには『ラストタンゴ・イン・パリ』のテーマ曲が使われているが、堀込さんはこの作品もサントラを聴きこんだ後に映画館へ観に行ったそうで「ストーリーは正直よくわからなかったですね(笑)。それよりも、あの曲がかかった!という喜びを感じながら観ていました」という。現在は、専ら「仕事が行き詰まると映画館に逃避する」そうで、「そうやって行くと意外とおもしろい作品に出合ったりするんですよ」と、自身の映画ライフについて語っていた。
同劇場では、8 月 17 日(木)19:00 回上映後にもトークショーを開催予定。ゲストは、鎌倉の人気店カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュのマスター、堀内隆志さん。今回と同じく小柳帝さんが司会を行う。

『ロスト・イン・パリ』は渋谷ユーロスペースにて公開中のほか、全国劇場にて順次公開。
映画公式サイト(http://senlis.co.jp/lost-in-paris/