国内外で常に注目を集める黒沢清監督が劇作家・前川知大氏率いる劇団イキウメの人気舞台「散歩する侵略者」を映画化。
数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくる、という大胆なアイディアをもとに、誰も見たことがない、新たなエンターテインメントが誕生しました。夫の異変に戸惑いながらも夫婦の再生のために奔走する主人公・ 加瀬鳴海に長澤まさみ。侵略者に乗っ取られた夫・加瀬真治に松田龍平。一家惨殺事件の取材中に侵略者と出会うジャーナリスト・桜井に長谷川博己。桜井が密着取材を申し入れる若き侵略者たちー天野に高杉真宙、立花あきら に恒松祐里。5人は黒沢組初参加、それぞれが映画初共演という新鮮な顔合わせ。さらに脇を固める豪華キャストにもご注目ください。

この度、豪華キャストと監督スタッフ11名が勢揃いした完成披露上映会を実施いたしました!
日本で初めて映画を上映する喜びを語ったほか、キャスト陣が誰のどんな概念を奪ってみたいかを明かすなど、華やかでここでしか聞けないエピソード満載のイベントになりました。

【日時】 8月8日(火)19:00~19:40

【場所】 丸の内ピカデリー 1 (千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)

【登壇者】長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里、
前田敦子、満島真之介、児嶋一哉、光石研、黒沢清監督、前川知大(原作)

日本を代表する豪華キャストが集結し、日本のみならず世界から注目を集める黒沢監督の最新作だけあって、会場には映画をいち早く観ようと多くの観客が駆けつけました。今か今かとイベントの開始を待ちわびる会場に、長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里をはじめとした豪華キャストスタッフ11名が登場すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれました!キャストは客席の合間を縫って練り歩き、観客の声援に応えながらステージへと向かいます。

まずはじめに挨拶したのは、夫が侵略者に乗っ取られた妻・加瀬鳴海を演じた長澤まさみ。
「今日はたくさんの方にお越しいただき嬉しいです。今日のチケットは発売して15秒で売り切れたと聞いて、そんな作品に出演できたことを嬉しく思います。今日は楽しんでいってください」と挨拶し、続いて侵略者に乗っ取られた夫、加瀬真治を演じた松田龍平は「台風が一番心配でしたが、こんなに大勢の方に観ていただけて嬉しいです」と観客を気遣いました。
一家惨殺事件をきっかけに侵略者と行動を共にするジャーナリスト・桜井を演じた長谷川博己は
「学生時代から大好きだった黒沢監督の作品に出演できて、さらにカンヌのレッドカーペットも歩くことができて本当に嬉しいです」と映画が完成した喜びを噛みしめました。

侵略者に乗っ取られた謎の若者・天野を演じたのは高杉真宙。
「僕は侵略者の役を演じました。短い間ですが、よろしくお願いします」
同じく侵略者に乗っ取られた女子高生・立花あきらを演じた恒松祐里は、「私が演じた侵略者は、冒頭で衝撃的なことをするので、楽しみにしていてください!」と意気揚々と語りました。

また、鳴海の妹・明日美を演じた前田敦子は「こんな素敵な映画に参加できて嬉しいです」とコメントし、
ひきこもりの青年・丸尾を演じた満島真之介は「世界で一番日に焼けたひきこもりだったと思います(笑)以前に原作の舞台を観ていて、まさか自分に声がかかるとは思いませんでした。散歩が好きな僕が演じる、ひきこもりにご注目ください」と会場を和ませました。

事件を追う刑事・車田を演じた児嶋一哉は、MCから名前を<大島>と間違えられ「児嶋だよ!」とお決まりのギャグで観客を笑わせ「実は黒沢監督の作品は2作目なんです。この中で一番ハマっているかもしれません(笑)」と演技派なコメントを寄せ、鳴海と関わるデザイン会社社長・鈴木を演じた光石研は「黒沢監督の作品に出演するのは初めてで、興奮しました」と目を輝かせました。

そして、本作の原作者であり劇団「イキウメ」主宰の前川知大は「12年前に100人規模の小さな劇場から始まった作品が、ここまで大きな劇場で皆さんに観られるようになって嬉しく思います」と喜びを噛みしめました。

最後に挨拶をするのは本作のメガホンを執った黒沢清監督。
「わかりづらいストーリーかもしれませんが、今ここにいる人の中に侵略者とその犠牲者がいます。さらにもう一人、侵略者を誘導するガイドがいます。誰がどの役なのか映画の中で明らかになるので楽しみにしてください」とコメントしました。

カンヌ国際映画の「ある視点」部門に出品され高い注目を浴びた本作ですが、映画をご覧になった現地の人々の反応について問われると、黒沢監督は「現地の方々はとても好意的でした。エンターテインメント作品にしようと思って作ったのですが、そこから色んな意味を汲み取ろうとしてくれましたね。上映が終わった後、なんで女優が来ないんだと言われましたが(笑)」と海外からも高評価を得たことを明かしました。

撮影中は色々と苦労も多かったようで、長澤は役作りについて「鳴海は常に怒っているキャラクターだったので、大変でした。怒るってエネルギーを使いますよね」と語り、松田はそんな長澤が発するエネルギーに励まされたそうで「僕は演じていくうちに宇宙人なのか、人間なのか、わからなくなるような不思議な経験でしたね。監督と宇宙人とは何なのか話し合ったりしました」と並々ならぬ苦労があった様子。
さらに長谷川も「劇中でサングラスをかけているのですが、なかなか自分に合うものがみつからなくて、最終的に個人的に買った私物を使うことになりました。買ったばかりなのにアクションシーンでぼろぼろになってしまいました」と残念そうに意外なエピソードを明かしました。

劇中ではアクションにも挑戦した高杉と恒松。一番の見所を尋ねられると、
高杉は「人として動いているけど、実は侵略者だという、侵略者としての違和感を感じてほしいです」
恒松は「アクション担当の侵略者としてたくさん体を動かしました」とフレッシュな二人の活躍も見逃せません。

ここで、侵略者が人間の大切にしている<概念>を奪う本作の設定にちなみ、もしひとつだけ概念を奪えるなら、キャスト陣の中で誰の<何の概念>を奪ってみたいかという話題に。

満島は「松田さんの落ち着きです。僕自身は落ち着きがないので・・・。真夏の撮影で皮ジャンを着ているのに涼しい顔をしている松田さんがすごいと思いました」と明かし、対して松田は「心の中では大忙しなのに、それが伝わらないのも大変ですよ」とほほえましいやり取りを披露。また、前田は「児嶋さんの名前」と答え、児嶋が「児嶋じゃなくなったら仕事がなくなっちゃうよ!」と突っ込む場面も!光石は「満島くんに久しぶりに会ったらさらにイケメンになっていて、奪いたいと思いましたね」と嫉妬心を明かし本音トークに会場も大盛り上がりとなりました!

最後に黒沢監督よりこれから映画をご覧になる方へメッセージをいただきました。

黒沢監督:7、8年前に原作に出会って衝撃を受けまして、なんとか映像化したいと試行錯誤していました。悩みながらも、このような素晴らしい俳優たちの協力のもと、最後には何も迷いのない作品に仕上がりました。最後に待っている革新が何か、確かめてください。