映画『アトラクション 制圧』×松江哲明監督 満員の公開初日に特別トークショーを開催!
今年で4回目を迎える東京・新宿シネマカリテの映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017」(7/15~8/18開催)のラインナップに選ばれ、『第9地区』『エリジウム』などに関わった世界屈指の制作会社、クリエーターがロシアに集結し誕生した『アトラクション 制圧 』(配給:プレシディオ)が、本日8月8日(火)に公開され、『映画 山田孝之3D』を手がける、松江哲明監督による特別トークショーが開催されました。
新宿シネマカリテにてついに公開された、ロシアSF超大作『アトラクション 制圧』。平日の昼間にもかかわらず満員御礼となった公開初日の本日、本作に衝撃を受けたという、『映画 山田孝之3D』を手がけた松江哲明監督による、公開記念特別トークショーが開催されました!
以前、一足先に本作を観賞し、そのスケールと世界観を前に「とてもじゃないけど語りきれない!」と、SNSでも動揺を隠し切れなかった松江監督。本イベントでは、「現実に対する鋭い指摘」そして「独特の世界観」という、まさに本作を体現しているような松江監督が、周囲の期待通り松江節をさく裂させ、『アトラクション 制圧』の世界に切り込みました。
「何かある」 本作に感じた直感は、本物だった!
司会者に本作との出会いを尋ねられた松江監督が、開口一番言い放ったのは「この作品は、何かあるなと感じたんですよ」。本作完成間もない頃、手元に届く数ある試写状の中で本作を見つけた時、「引っかかる何かがあった」と言う松江監督。露映画『スターリングラード 史上最大の市街戦』など監督の過去作に注目していたことから『アトラクション 制圧』の試写会に足を運んだと言います。そして、本作を実際に観た感想を聞かれると、「とにかく不思議な映画だなと感じました」と振り返りました。
「国家規模の混乱や、エイリアンとの対面、親子の葛藤…この作品で描かれているテーマは崇高なものばかり。けれど、演出が“ぶっとんでいる”んです。例えば、1つで良いだろうアングルを、二重にも三重にも映していて、まるで新しいアングルを探しているような演出です。言ってしまえば、『90分でまとめられたかもしれない作品を、技術とこだわりを詰めて120分で仕上げました』というようなユニークさです。
さらに、ちょこちょこ出てくる“ツッコミどころ”も、人がみな抱えている矛盾のようで愛おしく感じる。「おかしいだろ!と思いながら嫌いになれない。これが、終わった後の何とも言えない不思議さなのかもしれません。」
「いびつさ」があるからこそ、本国大ヒットに繋がった
さらに松江監督が指摘したのは、「ご当地大ヒット映画必ず存在する」という、“いびつな何か”でした。
「ご当地で大ヒットする作品には、なにかしらの理由があると思ってます。それは日本でも同じで、その国でヒットしても 海外ではそこまでヒットしないこともある。つまり、ご当地大ヒット映画は“いびつ”何か”がある。『アトラクション』にもその不思議な“いびつ”さがある。」と、ヒット作への奥深さを語った。
映画は名作が全てではない。ちょっと違和感を感じても記憶に残る映画がいい。
松江監督は、本作について「日曜洋画劇場を感じさせる作品であり、ツッコミどころがたくさんあって、ごった煮があるけれど非常に印象に残る映画。」と、コメント。更には「世間的に評価されるのは所謂、旧作や話題となる名作ばかりだが、そういう映画だけではなく、ちょっと変だけどおもしろい!記憶に残る!みたいな映画がもっと増えてほしい。」と、その胸の内を語った。
最後に改めて本作を振り返った松江監督は、「ツッコミどころがありながら、嫌いになれない、愛おしい映画」と述べ、これからこの作品を観る人に対して「ぶっ飛んだ設定の中にもしっかりと描かれる、登場するキャラクターや描かられる価値観の“対比”が面白く、すっと心に入ってくる作品なので、この不思議な感覚を、ぜひみなさんと共有したいですね。」と初日を飾るにふさわしい盛り上がりの中、イベントを締めくくりました。