このたび、8月12日より公開する映画『ハイドリヒを撃て!』のトークショーを映画評論家の松崎健夫さんと、放送作家/映画活動家の松崎まことさんをゲストにむかえ実施しました。本作は、第二次世界大戦のさなか、ヨーロッパ全土を恐怖に陥れたナチス高官ラインハルト・ハイドリヒの暗殺事件を描いた史実サスペンス。

映画『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』トークショー
■日時:8月2日(水) ■場所:ユーロライブ
■登壇者:松崎健夫(映画評論家)、松崎まこと(放送作家/映画活動家)

第二次世界大戦中、ナチス統治下のチェコで実際におきたナチス高官ラインハルト・ハイドリヒ暗殺事件を描いた映画『ハイドリヒを撃て!』のトークショーが、東京・渋谷ユーロライブにて実施された。ゲストは映画評論家の松崎健夫と、放送作家で映画活動家の松崎まこと。映画の上映後、拍手のなか登壇し本作の感想を求められると、今立て続けに公開されている戦争映画と比較しながら松崎健夫さんは「またナチスの映画かよ、と思うかもしれませんが、命を失った一人一人のドラマがあるので、何一つとして同じものはない。戦争は一つの命を大事にしなきゃいけないのに、全く大切にされないのだと感じました」と話し、松崎まことさんは本作と同じくハイドリヒ暗殺事件を題材にした『死刑執行人もまた死す』『暁の7人』と比較しながら「『死刑執行人もまた死す』が作られたときはプロパガンダ的な意味合いもあったが、この作品は当時のチェコの人々がどのように感じていたのかが描かれている。そうゆう点では『暁の7人』と近いのかもしれないけど、主演二人がイケメンだし、より映画的になっていますね」と話した。
そして本作の監督ショーン・エリスに話が及ぶと健夫さんは「この監督は元々フォトグラファーで、『フローズン・タイム』などアーティスティックな作品を撮っていた人なのですが、これを観て、こんな作品も撮れる人なんだと思いました」と言うと、まことさんが「ある種CM的なものを撮っていた人がこの題材を選ぶというのもね」と同意。健夫さんが「今ヨーロッパが不穏な状況になっているからこそ今この映画を撮らなくてはいけないと思う若い監督が出てきているということに意義がありますよね」と強く話すと、まことさんも「日本も他人事みたいに言ってられないよね」と相槌をうちました。健夫さんが「300年後に『2017年は戦前』と書かれてほしくない。もちろんこの映画は昔の話として描かれているけど、今に通じる話としても見れます」と言うと、まことさんは「今のに付け加えると、こうゆう局面になったとき、『絶対に裏切らない自信はあるか』という問いかけもありますよね。だからこそ、こうなる前に止めなくてはならないということも描かれていますよね」と話した。
最後に、本作の見どころを健夫さんは「この映画を観て、『暁の7人』なども観るとより理解が深まります。あと、アクションシーンもいっぱいあるので、最近のナチス映画の中では一番見やすいと思います。」と話した。まことさんは「この作品を通して現代に起こっていることに楔を打ち込んでいるのがショーン・エリス監督のすごいところです!!」と興奮気味に話しました。
映画『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』は8月12日より新宿武蔵野館他順次公開