この度、東宝・ギャガ共同配給による是枝裕和監督最新作『三度目の殺人』が、9月9日(土)より公開いたします。
『そして父になる』から4年、是枝監督と2度目のタッグとなる福山雅治を主演に、是枝組初参加となる名優・役所広司を迎えた本作は、監督が近年描いてきたホームドラマから一転し、かねてより挑戦したいと考えていた法廷を舞台にした心理サスペンスです。
勝ちにこだわる弁護士・重盛(福山)が担当することになったのは、死刑がほぼ確実な殺人事件。容疑者は、二度目の殺人を犯した男・三隅(役所)。三隅の供述は会うたびに変わり、動機は一向に見えてこない。やがて浮かび上がってきたのは、被害者の娘・咲江(広瀬)の存在だった。なぜ殺したのか?本当に殺したのか?二度の殺人を犯した男の深い闇。その先に待ち受ける三度目の殺人とは―? 映画史に残る心震える心理サスペンスが誕生しました。
この度、公開を記念して、超豪華キャスト・監督が登壇する完成披露試写会を開催いたしました!
劇場の正面エントランス大階段には、本作のビジュアルの印象的な赤と白のコントラストをイメージした真っ赤なレッドカーペットに、真っ白の雪が舞う演出が施され、まるで映画の世界に飛び込んだかのような光景が誕生!
イベントには初共演を果たした福山雅治、役所広司をはじめ、広瀬すず、満島真之介といった若手から吉田鋼太郎や斉藤由貴などのベテラン勢、そして本作の監督を務めた是枝裕和が一同に会し、先日、第74回ヴェネチア国際映画祭のコンペ出品が正式決定した心境を語る等、本作への注目度がますます急上昇していることが窺える大盛況のイベントとなりました。

映画『三度目の殺人』 完成披露試写会詳細
■登壇者(敬称略):福山雅治 役所広司 広瀬すず 吉田鋼太郎 斉藤由貴 満島真之介 是枝裕和監督
■日時: 7月31日(月)

■場所: TOHOシネマズ六本木ヒルズ (港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)

<イベントレポート>
会場となったTOHOシネマズ六本木ヒルズの大階段には、本作のビジュアルを彷彿とさせる真っ赤なレッドカーペットが敷かれ、映画の世界観一色に。会場内は豪華キャスト陣の登場を今か今かと待ちわびる熱狂的な観客とマスコミ陣で埋め尽くされ、さらに会場の外にも、その姿を一目見ようと大勢のファンが押し寄せました。

MCの呼びかけにより、福山雅治さん、役所広司さん、広瀬すずさん、吉田鋼太郎さん、斉藤由貴さん、満島真之介さん、そして本作の監督を務めた是枝裕和さんが、それぞれ衣装に赤の差し色を加えた華やかな姿で登場。会場からは割れんばかりの拍手と大歓声が巻き起こりました。

豪華キャスト陣が一堂に会し、圧倒的な盛り上がりを見せる会場に、福山さんは「今日は暑いなかご来場いただき、ありがとうございます。撮り終えてから、早い段階で完成して、もう皆さんに観ていただけるのがとても楽しみです。」、
役所さんは「やっと今日みなさんに映画を観ていただける日が来ました。是枝監督の新たなジャンルの映画が出来上がったと思います。皆さんに観ていただくのが本当に楽しみです。」、
広瀬さんは「監督の映画に出演するのは2作目ですが、今までに見たことない監督の表情が見れた作品だと思いますし、皆さんにどのように届くのか楽しみにしています。」、
吉田さんは「福山さんの古き仲間の弁護士・摂津を演じました吉田鋼太郎です。是枝監督と福山さんの代表作となる作品だと思いますので、ぜひ楽しんでください。」、
斉藤さんは「広瀬すずさんが演じる咲江の母、美津江を演じました。広瀬さんの首筋を嗅ぐことができる機会はなかなかないので、そのような演出をつけてくださった監督に感謝しています(笑)。そして、是枝監督の作品にやっと出演することが出来て、嬉しい気持ちでいっぱいです。」、
満島さんは「福山さんと吉田さんの弁護士事務所の若手・川島を演じました満島真之介です。冬が一番似合わない男ですが、是枝さんがねん挫した足をおじいちゃんのように引きずるなか、北海道での撮影を頑張りました。(笑)今日は楽しんでください。」、
是枝監督は「今、こうやって並んで挨拶をしているだけで、本当に最高のキャストと映画を作ることが出来たんだと実感しています。やれることはすべてやりきったなと、出来上がった作品を観て思っています。ひとりでも多くの人に、この映画が届けばいいなと思っています。よろしくお願いします。」と、それぞれが想い想いのコメントを寄せました。

その後、一同が大階段を下り、フォトセッションに写ると、真っ赤なレッドカーペットに、真っ白の雪が舞い、まるで映画の世界に飛び込んだかのような光景が誕生!真夏とは思えない幻想的な景色にマスコミ陣からはフラッシュの嵐となりました。
6人はカーペットを練り歩きながら、何十社もの取材に応じると同時に、ファンサービスも笑顔でひとつひとつ丁寧に応じ、集まったファンを喜ばせました。

続いて行われた舞台挨拶でも、満席となった会場で万雷の拍手で迎え入れられた豪華面々たち。
福山さんは「こうして一般の方々にこの映画を観ていただくのは今日が初めてなので楽しみです。よろしくお願いします」、
役所さんは「”ましゃ”と”すず”の歓声の中に歩くったらないですね(笑)」と明かすと、会場からは”広司!”コールが起き、役所さんもにっこり。続けて、「やっと今日観ていただけるのが嬉しいです。映画には好き嫌いがありますが僕はこの映画が大好きです。どうぞよろしくお願いします。」、
広瀬さんは「こうして、前作の『海街Diary』に続き、是枝さんの作品に出演できて幸せに思います。会場の方々にどんな風に受けてもらえるのか楽しみです。観た後に沢山考えるかもしれませんが、何か受け止めてもらえたら嬉しいです」、
吉田さんは「摂津を演じました。福山雅治です。嘘です(笑)。福山雅治さんに憧れる吉田鋼太郎です。映画も演技も重厚なかで、ちょっとだけ緩いキャラを演じる僕を緩い気持ちで観ていただけると嬉しいです。」、
斉藤さんは「わたしが演じた広瀬さん演じる咲江の母は、とても謎めいていて複雑な役だったのですが、念願の是枝監督の作品ということもあり、一生懸命演じました。是非楽しんでください。」
満島さんは「今回は僕も皆さんと同じように観客側から見たくなるくらい、凄いキャストが揃いましたね。本当に格好良くて、可愛くて、監督はハムスターっぽくて大好きで(笑)、こんなにも濃い大先輩と一緒に出来ることはないなと思っています。皆さんも楽しんでください。」、
是枝監督は「僕も満島さんと同じで、観客側からこの面々を観たいと思うくらい、これだけのキャストと映画を作れたことを誇りに思います。ありがとうございます。今回は自分の中で挑戦した作品ですが、納得度に高い作品が出来上がったと思っています。皆さんのなかでこの作品をもっと豊かに大きく広げていただければと思います」と、それぞれが挨拶しました。

先日、来月の6月30日から開幕となる第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式に出品されることが発表された本作。デビュー作『幻の光』で金のオゼッラ賞を受賞した経験のある是枝監督は今の心境について「一本目の作品ではじめて訪れたのがヴェネチアだったので、自分のなかでも特別な映画祭だと感じていて、自分を世に知らしめてくれた恩もありますし、新しい作品をもってまた訪れて、成長した自分を観ていただくのが楽しみです」と胸いっぱいの様子でコメントしました。

また、本作が映画祭をきっかけに世界中の人々の目に触れられることについて、福山さんは「嬉しいです。僕は監督の『そして父になる』、にも出演したのですが、その時に初めて海外の映画祭に行って、レッドカーペットを歩いて、上映後のスタンディングオベーションを体感したのも、すべていい経験だったので、また一緒に行けたらどんな景色が見れるのかなと思っています」と期待を膨らませ、役所さんは「そりゃもう嬉しいです。世界中の何百のエントリーから選ばれるのは素晴らしいことだし、昨日も世界水泳で日本人の選手が頑張っているのを見ると、“是枝君も頑張ろう!”って思いましたね」と是枝さんにエールを送り、
広瀬さんは「やっぱり是枝監督ってすごいんだなぁと、率直に思いました。私も前作でカンヌに行かせていただいたのですが、この作品でベネチアって聞いて、もういろんなことが想像出来なさすぎて、世界を超えて、この映画がいろんな人に届くんだと思うと心がぞわぞわしますね。」と感情の高ぶりを表現しました。

続いて話題が、是枝監督の作品を熱望していたという斉藤さんへ。斉藤さんは今回のオファーが来た時の心境について問われると、「お待ちかね、という感じでした。やった!と思いましたね。」と、喜びを露わにし、一方、斉藤さんにずっとラブコールを送っていたという監督は「いつか一緒に作品を作りたいなとずっと思っていました。今回は満を持して、ですね!」と照れながらコメントしました。
また、斉藤さんは初の是枝組について「是枝さんの撮影現場というのは、独特な雰囲気が流れていて、役に対して、深く落ち着いて考えること出来るのが嬉しかったですね。是枝さんはお芝居に対する役者の気持ちをまず聞いてくださるので、自分の中できちんと考えて提示できるものがないといけないなと身が引きしまる気持ちでした。」と撮影現場を振り返りました。

本作では福山さんを中心として吉田さんと満島さんの絶妙なバランスの取れた弁護士トリオの姿が描かれますが、撮影現場の様子について問われた吉田さんは「僕は福山さんと共演するのが初めてで、最初にお会いした本読みでは、”福山さん嫌な奴だな…”って思ったんですよ。まず、目が合わしてくれなくて、一言も会話をしてくれなくて…でも今思えばきっと緊張していたんだろうなと(笑)」と意外なエピソードを明かし、福山さんも「50歳手前にもなって言うのはあれですが…、基本人見知りなんですよ。そこで、僕の中でも、吉田さんって人見知りなんじゃないかなって思うところがあって。きっとあの時は、人見知り同士が出会って会話ができないという現象が起きたんですね(笑)」と振り返り、会場は和やかな空気に包まれました。
また、満島さんは「タクシーでこの濃い2人と横並びで座るシーンは印象に残っていますね。横見ると福山さん、また横見ると吉田さんですよ!」と語ると、福山さんがすかさず、「みんな思っていると思うけど、君が一番濃いよ(笑)。僕たち(福山さんと吉田さん)はどちらかというと薄味だから」と突っ込むと、吉田さんも「おっしゃる通りです。」と同意し、会場は笑いの渦に。
そこへ、吉田さんが「3人凄く仲良くなりましたよね。みんな呑んべえなので、よく飲みに行きました!」と撮影裏の想い出を明かすと、満島さんも「福山さんの行きつけのお店にいきました!あと北海道では2人でずっとタコを食べましたね!」と付け加え、劇中の弁護士トリオさながらの仲良しっぷりを窺わせました。

そして、福山さんは『そして父になる』以来に是枝監督の作品の出演となった本作について「『そして父になる』もそうですが、是枝監督の現場は驚きの連続なんですよね。今回は監督自身もすごく葛藤があって、僕もハラハラワクワクしながら撮影を進めていましたが、完成したものを観ると、見事に素晴らしいところで着地していて。今回はその監督の奥行きと鋭さがより増したような印象を受けました。」と明かし、初共演となる役所さん演じる殺人犯に翻弄される役どころについては「役所さん演じる三隅が、本当に怖くて、魅力的な人なんです。最初の本読みで、重盛として三隅に引き込まれてしまいましたし、俳優としても役所さんのお芝居や佇まいに魅力を感じて、三隅によって重盛の輪郭は作られていったんだろうなと思いますね」と振り返りました。

福山さんが明かすように、劇中でシーン毎に人が変わっているのではないかと感じるほどの怪演を見せつけている役所さんですが、今回の撮影について「僕は福山さん行きつけのお店にも、何にも誘ってもらえなくて…(笑)。」と、劇中で殺人犯の三隅を演じる役所さんからは想像もできない茶目っ気で会場の笑いを誘い、「僕の現場は4畳半しかない接見室が多くて、そんななかでの福山くんとのシーンは楽しかったです。吉田さんと満島さんとの接見室のシーンは少ない上に、2人にはセリフがないんですけど、満島くんは寝ているのかな…?そういう演技をしていたのかな…?と思うところが結構ありましたね(笑)。」とコメント、満島さんも「寝ていませんよ!でも、ちょっと夢見心地でした(笑)」と明かし、会場が笑いに包まれました。

今回、『海街Diary』以来に是枝監督作品に出演した広瀬すずさんは、福山さんと役所さんとの共演について「福山さん演じる重盛さんは、10代の子から見た大人の会話が表情から受け取りやすくて、いろんな感情を抱いたことが多かったですね。役所さんは、私自身、三隅さんのことを心の片隅でずっと想いながら演じていたんですけど、予告編を見たときに別人のようで、”この三隅さんは誰なんだろう”と、寂しい気持ちになりました。」と、広瀬さん演じる咲江にとっての三隅と、予告編での三隅のお芝居の違いに衝撃を受けたことを明かしました。

最後にキャストを代表して、映画をご覧になる観客の皆さんへ、役所さんが「今まで起こった僕たちの軽口は忘れて、映画を楽しんでください。面白かったらぜひいろんな人に勧めてください」、福山さんが「とても文学的であると同時に、一人一人が、場面や登場人物に自分に照らし合わせて参加できるようなエンターテインメント性のある作品にも仕上がっていると思います。今日は存分に楽しんでください。」と締めくくり、惜しむ声が飛び交う中、溢れんばかりの拍手とともにイベントは幕を閉じました。