写真家ハービー・山口が語る ポルーニンの“パンク・スピリット” 映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』 公開記念イベント
現在Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほかにて大ヒット上映中の『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』。
15日(土)の公開より満席が続出、公開3週目もその勢いは留まることを知りません。
26日(水)、Bunkamuraル・シネマにて、写真家のハービー・山口さんをゲストにお迎えし、上映後にトークイベントを開催しました。
【イベント概要】
■日時:2017年7月26日(土)19:15の回上映後
■会場:Bunkamura ル・シネマ(東京都渋谷区道玄坂2丁目24−1)
■ゲスト:ハービー・山口(写真家)
現在大ヒット上映中の『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』の公開記念トークイベントが7月22日、Bunkamuraル・シネマにて行なわれ、写真家のハービー・山口さんが登壇し、来日時の密着写真を中心に、写真集に収録されていない写真をスクリーンに写しながら、セルゲイ・ポルーニンについて熱く語った。
ハービー・山口さんは、3月にロンドンで開催されたポルーニンのプロデュース公演「Project Polunin」に密着した写真集『The Beginning of a Journey:Project Polunin』(写真:ハービー・山口/パルコ出版)を7月15日に刊行し、4月の来日時にもポルーニンの撮影を行なっている。
この日は映画本編終了後に、「Project Polunin」のリハーサル映像の特別編集版が上映され、続いてトークが始まりました。スクリーン上で、写真集に未収録のカットや、約40年前にハービーさんが同じロンドンの街で撮影したジョー・ストラマー、ボーイ・ジョージ、ジョン・ライドンといったパンクロッカーの写真なども映しながらのトーク。
現在のバレエ界は、閉ざされたシステムで狭い世界になっていると語るポルーニン。本来ダンサーは踊りにのみ集中しなくてはならないのだが、収入面やマネージメントも一人で行わなければならないという。サポートがないまま苦労しているダンサーを救い、バレエ界の抱えている問題を解決するため、「Project Polunin」を発足したセルゲイ・ポルーニン。
そんなポルーニンに、ハービーさんは「僕はロンドンで暮らしていた当時、パンクロッカーたちが新しい時代を築くために闘っている姿を見てきました。それと同じように、反逆児と呼ばれ、酷評されながらも、信念を貫きとおしている2017年のセルゲイさんの姿が、この写真集に収まっていると思います」とコメント。古色蒼然としたバレエ界を変革しようとしているポルーニンに’70年代のパンクに通じると熱く語った。
そして、「来日した際のプレミアイベントでも、“皆さんのサポートが何より嬉しい”と語っていましたが、当く離れた日本で、これだけ多くの人が彼の映画を観て、初めての写真集も発売されていることは、彼にとって大きな勇気になると思います」と観客に力強いメッセージを送った。
現在、ハービー・山口さんによるセルゲイ・ポルーニン写真展、代官山 北村写真機店で8月9日まで開催中。
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◆写真展 概要
セルゲイ・ポルーニン写真展
会場:代官山 北村写真機店(代官山T-SITE GARDEN 4号棟)
会期:2017年7月28日(金)~8月09日(水)10:00~22:00
入場料:無料
主催:代官山 北村写真機店
協力:イルフォード・ジャパン株式会社
問い合わせ先:03-5728-3958(代官山 北村写真機店)
http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2017/07/post-377.html
◆写真集 概要
セルゲイ・ポルーニン写真集
『The Beginning of a Journey: Project Polunin』
写真/ハービー・山口
定価:3,500円(税別)
仕様:B5変型/上製/176頁
出版社:パルコ出版
amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4865062319
<プロフィール>
ハービー・山口(写真集)
1950年、東京都出身。中学2年生で写真部に入る。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。
一時期、劇団に所属し役者をする一方、折からのパンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンの最もエキサイティングだった時代を体験する。そうした中で撮影された、生きたロンドンの写真が高く評価された。帰国後も福山雅治など、国内アーティストとのコラボレーションをしながら、常に市井の人々にカメラを向け続けている。多くの作品をモノクロームの、スナップ・ポートレイトというスタイルで残している。
その優しく清楚な作風を好むファンは多く、「人間の希望を撮りたい」「人が人を好きになる様な写真を撮りたい」というテーマは、中学時代から現在に至るまでぶれることなく現在も進行中である。写真発表の傍ら、エッセイ執筆、ラジオ、テレビのパーソナリティー、さらには布袋寅泰のプロジェクト「ギタリズム」では作詞家として参加している。