世代を超えて熱烈なファンを数多く持つ歴史小説界の巨匠・司馬遼太郎原作「関ケ原」。現在までに単行本・文庫を合わせた累計発行部数が620万部を超える大ベストセラーが、『日本のいちばん長い日』で第39回日本アカデミー賞優秀作品賞、及び優秀監督賞を受賞した巨匠・原田眞人監督の手により完全実写化され8月26日(土)より全国公開となります。

この度公開を記念し、7月18日(火)に完成披露イベントの開催致しました。

■登壇者(敬称略):  岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大、伊藤歩、滝藤賢一、
西岡德馬、役所広司、原田眞人監督(予定)
■日時: 7月18日(火)
■場所: 《完成披露イベント》 アーバンドック ららぽーと豊洲 シーサイドデッキ
《完成披露舞台挨拶》 ユナイテッド・シネマ豊洲 スクリーン10 (東京都江東区豊洲2-4-9

歴史小説界の巨匠・司馬遼太郎による620万部突破の原作小説を実写映画化した映画『関ヶ原』が、8月26日に全国劇場公開される。この日本映画史上初めて描かれた“関ヶ原の戦い”がついに完成し、7月18日にはユナイテッド・シネマ豊洲で主演の岡田准一、共演の有村架純、平岳大、東出昌大、伊藤歩、滝藤賢一、西岡德馬、役所広司、原田眞人監督ら登壇の完成披露試写会が行われた。

この日は猛暑に加え、劇場外で行われたレッドカーペットイベントの開始直前には突発的な豪雨が襲った。しかしキャスト陣が登場すると雲間からは太陽が覗き、奇跡的な晴天となった。

岡田は「誰も挑戦しえなかった聖域とされた原作を映画として完成することができて嬉しい。大好きで尊敬できるキャスト・スタッフと一緒に仕事をすることができて光栄でした」と万感の思いを込めて挨拶。その後に有村ら登壇キャストが次々と「雨、大丈夫でしたか?」などと観客を気遣うコメントを口にすると、役所は「主演の岡田君が心づかいがないからキャストの皆で……」と愛のあるイジリで、岡田は「雨、大丈夫ですか?」と大急ぎで冒頭挨拶を訂正して笑わせる一幕も。さらにしてやったり顔の役所は「V6にこの度入ることになりました、役所広司です!」との自己紹介で岡田をタジタジにしていた。

主人公・石田三成役の岡田は「三成の評価が今後変わっていけばいいと、彼のお墓に行って三成が喜んでくれるような役を演じると誓ったので、この映画をきっかけに三成のイメージが良くなれば」と役柄に込めた思いを吐露。それに三成最大の宿敵・徳川家康役の役所も「岡田君が汗水たらして動き出し、新しい三成像を作り上げた」と手放しで絶賛。岡田にとって本作は初の原田監督作品となるが「とにかく出演したくて、原田監督作品に出演できたことに涙が出る」と念願叶った心境を明かした。

伊賀の忍び・初芽役で時代劇初挑戦の有村は「スケールが大きくて、合戦が始まってからの6時間の戦いは圧巻」とアピールした。小早川秀秋役で原作ファンの東出も「原作ファンとして納得のでき。2回は観たい」とべた褒めだった。そんな東出は岡田の印象について「夜の撮影が終わって岡田さんに『帰ったら何をするんですか?』と聞いたら『夜の12時くらいだからトレーニングかな』と言われて、鉄人だと思った」とストイックぶりを明かすと、役所も「前の作品のときは夜中に木刀を持って一人で走っていたよ」と目撃談。それに岡田は「その時に役所さんを誘ったら優しく断られた」と仲睦まじげな様子で笑わせた。

原田監督は「撮影現場でも雨は効果的に降ってくれました。忍者同士のバトルでは豪雨になって、架純ちゃんも太ももむき出しで頑張ってくれた。今日の雨も映画の神様のお陰かもしれない」と直前までの悪天候を“恵みの雨”として奇縁を強調していた。

劇場内で行われた舞台挨拶では、撮影中のエピソードに花が咲いた。前田利家役の西岡は
「原田監督にかかると“こんなに上手かったのか?”と役者が非常に上手く見える。だから自分も一度料理してもらいたくて。長セリフのシーンでは僕対監督の『関ヶ原』の戦いだったね」と嬉しそう。島左近役の平は原田監督の厳しい演出に「毎日が戦い。あまりの士気の高さに史実と違って戦に勝てるのではないかと思った」と回想し、豊臣秀吉役の滝藤は「毎日5時間くらいの特殊メイクがあって暑いし大変だったけれど、楽しかった」と嬉しそう。

伊藤は白蛇との共演を「懐から飛び出す予定が、私の懐が居心地が良かったようでなかなか蛇が出て来なくて苦労した」と苦笑いをすると、役所は「特殊メイク担当の方が蛇をペットに飼っていてエサは冷凍ネズミだと教えてくれた」とプチ情報を報告し「これが私の撮影中のエピソード」とお茶目だった。

その役所は演じた徳川家康の魅力について「度量の広さがあり、会社の社長にしたらいい手本になりそう。部下の意見を聞き、我慢強いところがいい」とし、それを踏まえて「この映画は企業戦士たちが見ると参考になるかも」とアピール。原田監督も「合戦シーンでは自分もエキサイトして、一軍の将のような心になった。でも基本的には映画の原点でもあるボーイ・ミーツ・ガールがある。西洋と東洋が融合したような音楽にも注目して」とこだわりを口にした。

一方、有村はアクション・シーンについて「アクション・シーンならではのハプニングがあって、岡田さんのおでこに短刀を当ててしまいました。冷や汗が止まらなかった」と懺悔すると、岡田は「俺、斬られたんですよ。まさかのそういう動きをする?というか、タイミングがずれて僕が架純さんに斬られました。斬られたけどごまかしながら芝居を続けました」と有村との舞台裏を紹介した。

また岡田は、6日に急逝した俳優の中嶋しゅうさんへの思いを語った。中嶋さんは伊賀の忍・赤耳役を演じている。岡田は「物凄くカッコいい方で、憧れの俳優さん。現場でいつも笑顔でお話しさせてもらって、黒澤明監督の『影武者』の話をしてくれたのを思い出すし、映画に対するこだわりがあって、“いい監督にこだわりたい”という気持ちもあり、原田監督について“絶品”と笑顔でおっしゃられていたのを覚えています」と沈痛の面持ちで「完成作品を観る前に亡くなられてしまったと聞きましたが、この映画が大ヒットして中嶋しゅうさんに届けばいいなと思っています」と誓いを立てていた。