“フツー”の少女たちの“壮絶”なバトルを描いた人気コミックの実写映画化作品『傷だらけの悪魔』のブルーレイ&DVD 発売を記念して、監督自らが撮影の裏側を語るトークショー“傷だらけの聖太”を実施いたしました。

抽選によって選ばれた一般の方々向けの上映会終了後、監督の山岸聖太(さんた)監督とプロデューサーの竹田直樹さんが登場、トークショーが始まりました。今回は監督とプロデューサーだけのトークショーということで、ここでしか話せない裏話を語っていただきました。旬なキャストが多数登場した本作ですが、山岸監督は「プロデューサーの言われた通りに OK を出しました」とコメント、「でも伊藤万理華さんは僕がキャスティングしました」と付け加えました。乃木坂 46 のメンバーである彼女は、本作で主人公・舞(足立梨花)の東京にいる親友という役で登場。監督は「あのシーンは最初台本にはなかったんですが、スケジュールが厳しい中でも印象に残るように重要な役を与えました」と語りました。また竹田プロデューサーもキャスティングについて、「同時期にほかの学園ものの映画も撮影してたみたいですが、それらの作品に出演している子は絶対にキャスティングしないと決めていました」とコメント。唯一無二のキャスト陣が揃った理由が伺えます。

クランクイン前には出演者による稽古が行われたようですが、監督は「足立さんはやっぱり経験もあるので、ほかの人よりも際立っていました。江野沢さんに関しては、この時は演技に不安がありましたが、クランクインの時にはもうスイッチが入っていましたね」と振り返りました。しかし撮影中は、「役者のみんなには特に声をかけなかったです。演出の時だけ」と意外な言葉が。すると竹田プロデューサーが「みんなが『どうやって監督とコミュニケーションを取るか』って話してましたよ」と、裏でのやり取りを監督本人の前で暴露しました。
一番大変だったこととして、監督は「MV と映画では何もかもやり方が違った」ことを挙げました。「どうしても撮影が思い通りにいかなくて、(MVの現場でも一緒に仕事をしている)撮影部と照明部だけを集めて秘密の会議を開きました。『普段のやり方でやろう』って」と、プロデューサーも知らなかったやり取りが行われていたことを暴露。しかし、「それでもうまくいかなくて、いろいろ試行錯誤しながら続けたんですが、そしたらいつの間にか撮影が終わっていました」と当時を思い返していました。

本作のテーマである“いじめ”については、「いじめっていうのは、ずっと大昔から存在していて、それこそ江戸時代とかその頃にもあったと思うんです。でも、やってることはずっと変わらない。昔は暴力だったかもしれないけど、その時一番近くにあるものを道具として使うんですよね。それが現代では、スマホなんだと思います」と、本作にもたびたび登場する描写から、監督の持論を語ってくれました。
最後にお二人から、「手を伸ばしづらい映画ですが、見た方が重たい気分ではなく『おもしろかったな』という快感を得てほしくて、それを目指して作りました」(山岸監督)、「さわやかな邦画が多い中、こんな作品を作ることができて本当に幸せです」(竹田プロデューサー)とコメントがあり、イベントは終了しました。

『傷だらけの悪魔』 7 月 5 日(水)ブルーレイ&DVD発売
発売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ブルーレイ ¥4,743+税 DVD ¥3,800+税 デジタル先行配信中
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