映画『ケアニン~あなたでよかった~』の神奈川県公開記念舞台挨拶が109シネマズ湘南にて行われました。

【イベント概要】映画『ケアニン~あなたでよかった~』神奈川県公開記念舞台挨拶
【日時】7月2日(日)【場所】109シネマズ湘南
【登壇者】黒岩祐治(神奈川県知事)、鈴木浩介監督、加藤忠相(映画監修)

映画「ケアニン~あなたでよかった~」の神奈川県公開記念舞台挨拶が7月2日(日)に109シネマズ湘南で開催され、神奈川県知事である黒岩祐治知事、本作の監修を務めた加藤忠相氏そして鈴木浩介監督が舞台挨拶に出席した。映画を観た黒岩知事は「これからは、人生100歳時代が来る。2050年には全国で100歳を超える人が70万人になり、142人に1人が100歳以上という圧倒的な超高齢化社会が来る」と述べた上で、「この映画はその超高齢化社会と向き合うためのヒントが沢山散りばめられている」と率直に本作の感想を語った。

続けて本作の監修を務めた加藤氏は「企画の段階から映画の台本を見させて頂いていて、映画の中の登場人物にリアリティを持たせるため、認知症に対して間違った認識や、この病気に対してこの治療法はないと、何度も台本に赤ペンで修正を入れた。介護職の方から見ても納得してもらえるようなちゃんと映画にしたかった」と本作への思い入れを語った。続けて「単に認知症って大変だね。という映画ではなく、年をとれば当たり前のことなんだ、と映画を観てくれた方々には受け取って頂ければ嬉しい」と語った。

本作のメガホンを取った鈴木監督は「映画の企画を頂き、初めて加藤氏が代表を務める、あおいけあに伺った所
そこにいる皆さんがものの見事に、みんな笑顔で7年前に亡くした母を思い出し、不思議と吸い寄せられるような感覚を覚えた」と本作との出会いを語った。また、以前より加藤氏と親交の深い黒岩知事は「加藤さんは本当に話が上手い。前に本を書く機会があり、加藤さんがあおいけあの現状についてプレゼンテーションをした内容を纏めるとそのまま本に載せられる文章になっていた」と加藤氏の意外な一面を語った。それに対し加藤氏は「でもニーチェの格言の真横に載せるのはやめて下さい(笑)」と恥ずかしそうに語り、会場の笑いを誘った。

また、藤沢モデルについて尋ねられた加藤氏は「藤沢モデルはたまたま自分が本作のプロデューサーと出会って映画として描かれたが、今は藤沢だけでなく全国に広がりつつある、ウチで考えているのは施設の周りの人達が当たり前に入ってくるような場所。やっぱり高齢者と介護士だけではいびつな空間になるので。例えば、子供を生んだばかりの職員が出勤すると、おばあちゃんが子どもを見てくれていたり、障害のある子たちが働いていたり、不登校の子がいたりと、皆混ざってしまえば、世の中からの変なラベルがなくなる。ただ皆で協力し合って助け合っている。そんな場所を世の中に見せていきたい。介護なんて言葉はなくなればいいと本当に思っている」とこれからの介護への熱い想いを語った。また最後に黒岩知事は「昔はナースがきつい、汚い、危険の3Kといわれていた。しかしナースの現場をしっかり取材し、取り上げることで世の中の認識が変わった。今必要なことは介護の現場に光を当てること。その中で本作をより多くの人に見て頂き、介護って素晴らしいぞ!本当にやりがいのある仕事だぞ!という事を感じてほしい」と語り、舞台挨拶を締めくくった。

映画『ケアニン~あなたでよかった~』は6月17日(土)より全国順次公開。