俳優・齊藤工が発案した「cinéma bird(移動映画館)」プロジェクトの第 5 弾となる「cinéma bird in 熊本 2017」が 6 月 25 日(日)に熊本県山鹿市にある、重要文化財の八千代座で行われました。「cinéma bird」プロジェクトとは映画館のない地域や被災地に映画を届けるプロジェクトで、2014 年の石巻、2015 年の福島県広野町、2016 年の大分県明尊寺・福島県南相馬市に続き、今回が 5 回目の開催となりました。
25 日(日)、明治 43 年に芝居小屋として建造され、国の重要文化財にも認定されている八千代座には、冷たい雨が振る悪天候にも関わらず、3 部構成で約 900 人の観客が集まりました。

映画上映だけでなく、コンセプトに賛同したアーティストやお笑い芸人、舞踊団など、幅広い方々に参画頂いている cinéma bird。今回は、人気お笑い芸人サンシャイン池崎さんの VTR からスタートし、会場のボルテージは急上昇。その後、ミラクルひかるさんがモノマネライブや、3 回目の cinéma bird 出演となる永野さんの「ラッセンより~普通に~熊本が好っきー!」のコール&レスポンスに、子どもたちも大興奮でした。会場の熱気も冷めやらぬ中、cinéma bird への参加は初めてながらも MC を務めた、熊本県出身のモデル中別府葵さんが登場。「私が育った合志市では、市民会館で上映会をやってくれていて、友達と見にいっていました。小さい頃に見た映画が、今でも思い出にあるので、皆さんもこの 1 日の記憶が残ってくれるといいなと思います。」と、子ども達へ向けコメント。そして満を持して発案者である齊藤工さんが登場。「cinéma bird はただの映画上映会ではなくて、色々なものが集まるお祭りなんですよね。今日はこの空間に浸って頂いて、来ている皆さんで同じものを共有して頂ければと思います。」と cinéma bird のコンセプトを紹介しました。

第一部では、北海道・洞爺湖の小さなまちのパンカフェの物語「しあわせのパン」を上映。上映前には、中嶋憲正 山鹿市市長にも登壇頂き、感謝のお言葉を頂きました。さらに、スペシャルゲストとして、主演女優の原田知世さんも登場。原田さんと齊藤さんは昨年ドラマで共演し、撮影中もよく映画の話しをされていたそう。シネマバードについては、「撮影中にも齊藤さんからシネマバードのお話を聞いていたので、今回呼んで頂けてとても嬉しいです。畳の上で映画を見る機会はなかなか無いと思うのですが、作品がより素敵に見えそうですね。」とコメント。
「しあわせのパン」については、「監督が四季を丁寧に撮っていきたいということで、夏から秋にかけてと、翌年の冬にわたって撮影しました。洞爺湖は本当に美しくて、光によって景色がどんどん変わって見えるんですね。私も撮影中しながら、そこにいるだけですごく自然体になれたり、パワーをもらえていたので、それが映像からもきっと伝わると思います。」と映画への思いを語りました。

第二部では、家族の物語を描いたアニメーション映画「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」を上映。会場に集まった子どもたちも、幼い兄弟が挑む大冒険のストーリーに、真剣な表情で見入っていました。上映後は、シンガーソングライターの古賀小由実さんが、本映画のエンディングソングのカバーを披露し、古賀さんの優しくも力強い歌声で、会場は暖かな雰囲気に包まれました。さらに、この回にはスペシャルゲストとして、去年のcinéma bird in 福島 2016 でも VTR 出演して頂いた、熊本県出身の高良健吾さんが登場。「今日は工さんが発案した cinéma bird に足を運んで頂いてありがとうございます。僕たちが普段やっている役者の仕事って、決まっている現場に行くことだったりするんですよね。でも工さんは、自分で考えた移動映画館で、映画を皆さんの所に運んでいって、熊本に運んできてくれた。それは僕も熊本出身者としてとても嬉しいし、それを皆さんと一緒に体験できるのがとても嬉しいです。」と、映画、そして熊本への熱量が伝わるコメントをいただきました。

第三部では、80年代を席巻した数々の大ヒット曲が流れる音楽映画の傑作「シング・ストリート 未来へのうた」を上映。 高良さんに加え、「うつくしい人」も手掛けた熊本出身の行定勲 監督も登場。「今回八千代座で開催できたルーツは、実はこの2人にあります。震災直後にすぐ動いていた2人に、何かできることがないかと連絡したときに、復興映画祭の実行委員会のメンバーの方を紹介頂いて、その縁があって今日の開催に至ったんですね。」と齊藤さん。「くまもと復興映画祭」のディレクターも務める行定監督の「くまもと復興映画祭のライバルは、cinéma birdだと思った」というコメントに、齊藤さんから「是非一緒にやりませんか?」という提案や、高良さんからも「今後考えていることがあるので、是非楽しみにしていて下さい!」と、cinéma birdの今後がますます楽しみになるトークも!これからの動向にも注目です。
映画だけでなく、お笑い、ライブ、舞踊、スペシャルゲストのトークショーなど、まさに“フェスティバル”だった今回の「cinéma bird」。次はどの土地に飛び立ち、感動と笑いを届けてくれるのか、早くも次回の開催が待ち遠しい暖かいイベントとなりました。

前日の24日(土)には、齊藤さんが益城町立津森小学校に訪問し、上映会を実施。震災直後に熊本を訪れ、津森小学校にも訪問していた齊藤さんが、その際に宣言した「必ず帰ってきます。」という約束通りに再訪を果たし、鉄拳さんのパラパラ漫画「家族のはなし」を上映。小学生からの「好きな食べ物は?」等の可愛らしい質問にも優しい表情で応じ、笑顔溢れる会となりました。

<「cinéma bird(移動映画館)」とは?>
齊藤工発案。
小さな島々を含め日本中から映画館が減っています。震災などによって映画館がなくなってしまった地域もあります。劇場体験をしないまま大人になっていく子供達。劇場で映画を見ることがなくなってしまった大人達。
cinéma birdはそんな地域の人たちに同じ空間で感動を共有する大切さを伝えるために映画+ライブというフェスティバルのような体験を鳥のように自由に届けるプロジェクトです。
公式HP:http://cinemabird.com/
公式Twitter:https://twitter.com/cinema_bird
公式facebook:https://www.facebook.com/cinemabird/
主催:cinéma bird実行委員会
後援:山鹿市
協力:株式会社テレビ熊本 山鹿よへほ女将会
企画/制作:株式会社W TOKYO