戦時下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いて生きる女性、すずを描いた珠玉のアニメーション映画。先日200万人の動員を記録し、またBlu-ray&DVDの発売を発表したばかりの『この世界の片隅に』(片渕須直監督・こうの史代原作)。国内に続き、世界各国の劇場公開が予定されているなか、この度、本作が、第41回アヌシー国際アニメーション映画祭にて長編部門・審査員賞を受賞致しました。つきましては、授賞式の模様と授賞式後の片渕須直監督・真木プロデューサーの受賞コメントが届きました。

●片渕須直監督コメント
海外では、予備知識が無いと理解できないと言われていました。
日本ローカルの舞台や時代を描いた映画なのですが、今回の受賞で人々の心がつながるのだと実感できました。
皆さんの心の中に、この映画の登場人物、主人公のすずさんは既に住み始めている、と見えた事が喜びです。

●真木プロデューサーコメント
本日は(6月17日)土曜日。(12日)月曜日にアヌシーに着いて、この日を毎日チーズを食べながら待っていました。この映画は日本で数多くの賞を頂きました。作品賞、監督賞、音楽賞、主演女優賞まで。このアヌシーで賞を頂いて、非常に大きな海外の賞が加わりました。とても光栄なことです。ありがとうございました。

<映画祭レポート>
現地時6月12日(月)、第41回アヌシー国際アニメーション映画祭が開幕。長編部門上映第1作目として、本作が上映されました。10:30からと朝一番の上映会でしたが、982名の観客でメイン会場Bonlieu Grande Salleは
埋め尽くされ満員御礼となりました。上映後記者会見が行われ、片渕須直監督は「70年あまり前の広島・呉の街並みを再現することに挑みました。」などと語りました。
翌日行われたコンファレンスでは、戦前の広島・中島本町について徹底した調査を実施し、制作に臨んだことなどを発表しました。

17日(土)授賞式当日。2回目のコンフェレンスが行われ、より詳細に戦前当時の女性の生活、文化などに言及されました。
コンフェレンス後もサイン会が行われ長い列ができました。
そして、長編コンペティション部門の授賞式。片渕須直監督ほか、世界各国から選ばれたコンペ作品(10作品)の中から準グランプリにあたる長編部門の『審査員賞』を受賞しました。

アヌシー映画祭の後、世界各国の劇場公開が予定されています。
イギリス、スペインが6月末。アメリカが8月11日、フランス9月13日と続きます。

映画『この世界の片隅に』は現在もロングラン公開中。
公開217日目となる6月15日(木)には、公開初日からの累計動員数が200万人を突破。この記念すべき日に、映画館で本作をご覧いただいた皆様へ特製ポストカードがプレゼントされる予定です。またこれまで応援いただいた皆様にも参加いただける「お客さま200万人ありがとう企画」も実施される予定。詳細は近日発表いたします。

海外での配給は、現在全世界29の国と地域で決定。【イギリス】6/28~、【スペイン】6/30~、【台湾】7/28~、【アメリカ】8/11~、【フランス】9/13~、に公開を予定しています。
片渕須直監督は、7/1からアメリカで開催される「アニメエキスポ」での上映に赴く予定です。のんさん(主人公・すず役)は、6/29から台湾で開催される「台北映画祭」での上映に伺う予定です。
日本のみならず世界からも注目を集めている本作。「この映画をみてほしい」「この映画をまた観たい」という熱が、日本全国そして世界へと拡がりをみせています。引き続き、ご注目ください。

<作品データ>(2017年6月16日現在)
累計動員数 :200万人突破
興行収入  :25億9千万円 
劇場公開館数:累計360館
文部科学省特別選定(青年向き、成人向き、家庭向き)
文部科学省選定(少年向き)
主な受賞歴 :第40回日本アカデミー賞 (最優秀アニメーション作品賞、優秀音楽賞)
       第90回キネマ旬報ベスト・テン (日本映画ベスト・テン第1位、日本映画監督賞)
       第71回毎日映画コンクール
        (日本映画優秀賞、アニメーション部門 大藤信郎賞、スタッフ部門 音楽賞)
       第59回ブルーリボン賞 (監督賞)
       第67回芸術推薦 映画部門文部科学省大臣賞 (片渕須直)
        ほか、多数