2016年公開の邦画実写映画で堂々の興行収入No.1(82.5億円)を記録した『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督)。徹底的なリアリティをもって描かれた様々な描写が観客の心をつかみ、第40回日本アカデミー賞においても、最優秀作品賞など最多7冠を獲得した。

■アヌシー国際アニメーション映画祭
『GOZILLA 怪獣惑星』「Work in Progress」
■日時: 現地時間6月14日(水)午前9:30より
■会場名:Salle Pierre Lamy

 

次のステージへ歩みを進める“ゴジラ”が本年11月に解き放つのが、映画『GODZILLA 怪獣惑星』です。日本でアニメーションが初めて公開されてから100周年という節目の年に始動するゴジラ映画史上初のアニメーション企画です。ついに、アニメゴジラの咆哮が轟く―――。
そしてこの度、6/12(月)~17(土)にフランス・アヌシーにて開催されている「アヌシー国際アニメーション映画祭2017」に『GODZILLA 怪獣惑星』が参加。「アヌシー国際アニメーション映画祭」は1960年にカンヌ国際映画祭のアニメーション部門が独立して始まった、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)公認の映画祭で世界最大規模のアニメーション映画祭です。

『GODZILLA 怪獣惑星』は今後公開の長編新作の制作の途中経過を発表する「Work in Progress」というプログラムに招待され、本作でダブル監督を務める静野孔文監督(劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』)と瀬下寛之監督(『BLAME!』)が参加し、さらに古澤佳寛エグゼクティブプロデューサー(以下EP)も急きょ登壇。現地フランスの司会者からの強いリクエストで、ゲストは、「対ゴジラマーチ」を流しながらの登壇に!ヨーロッパ各地から集った、アニメーションファン約300名の大拍手の中、静野監督、瀬下監督、古澤エグゼクティブプロデューサーによる「Work in Progress」が始まりました。

冒頭、「本作への関わり方」について質問された静野監督は「自分の役割としてはゴジラの知識が少なかったので、少ない知識の中で観客の立場にたって、ゴジラを知らない人でも楽しめるように、そうした視点で参加しえいます。」と答え、さらに瀬下監督は「アニメという文法に慣れ親しんだ方々にも観てほしいですね。」とアニメーションによって拡張可能なゴジラの世界への期待と想いを述べた。そして古澤EPは「63年の歴史があるゴジラをアニメにするのはプレッシャーですが、面白い作品を皆さんにお届けたい。」と決意を語った。
また、日本時間の前日に初解禁となったゴジラビジュアルもアヌシーで披露!スクリーンに映し出されたビジュアルに会場のテンションはさらに高まり、司会者の質問も矢継ぎ早に監督陣へ。「歴代最大のゴジラをアニメーションで描くということですが、ビジュアルへのこだわりは?」と聞かれ、静野監督は「ストーリー開発から、丁寧に、徐々に議論してこの形になりました。」と幾つものプロセスがあった経緯を明かし、瀬下監督は「王道のものとは違うゴジラへ。とにかく筋肉質!」と特に足の筋肉がポイントである点を明らかに。さらに古澤EPは「顔に関しても、このアングルからでは分かりませんが、正面からの見え方がこれまでのゴジラとは違うので、今後の情報に期待頂きたいですね。」とゴジラの顔について言及し、まだ隠される謎をほのめかした。

「Work in Progress」後半はQ&Aコーナーへ。「監督二人の役割分担は?」という質問に、瀬下監督は「得意なことがちょっと違って、補完し合っています。どちらかというとSFとプロダクションデザインが得意な僕に対して、静野監督は非常にポップなストーリーと編集、素晴らしいカッティングをお持ちです。それぞれの得意ジャンルがあるので、それを活かしながらやっています。」とエールを壇上で送りました。「ゴジラ映画を25本以上観ています!」という大のゴジラ好きのフランス人オーディエンスからは「どうやって、こんな壮大な世界観になったのですか?」という質問が。瀬下監督は<人類のものでなくなった地球>という設定からどんどん世界観が広がっていきました。」と初期構想を、静野監督は「虚淵さんのアイデアが素晴らしかったので、<それを基に、どう世界観を映像化で組み立てていくか>そういうチャレンジができる作品でもあります。」と虚淵玄氏へのリスペクトと本作への挑戦心を覗かせた。
イベントの最後は、ゲストによるフォトセッションを会場のオーディエンスと実施。フォトセッションのラストカットでは、なんと会場の300名がゴジラを模したポーズで監督陣へ賛辞を送りました!
大熱狂に包まれ、『GODZILLA 怪獣惑星』の「Work in Progress」は幕を閉じ、ゴジラのファン層の厚さを知ると同時に、アニメーションの可能性を再認識する、貴重な機会となりました。