河瀨直美監督がオリジナル脚本で挑むラブストーリー『光』が5/27(土)に全国公開いたしました。

本作は、人生に迷いながら生きてきた女性が、視力を失いゆく天才カメラマンとの出会いを通して変化していく様子を描く、切なくも希望を感じさせてくれる物語です。

5月17日(水)に開幕した、第70回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に正式出品され、レッドカーペットには河瀨直美監督他、永瀬正敏、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也が登場、公式上映は10分以上のスタンディングオーベーションに包まれるなど大成功を収めた。

そして日本時間5月29日(月)(※現地5月28日(日))の「コンペティション」部門の授賞式を控え、最高峰のパルムドールへの期待が高まる中、カンヌ国際映画祭の独立部門であるエキュメニカル審査員賞を日本時間5月27日(土)(※現地同日)受賞!
日本人としては、2000年に受賞した青山真治監督(『EUREKAユリイカ』)以来2人目、日本人女性監督としては初の受賞となる。

同賞は2013年の第66回にて、是枝裕和監督の『そして父になる』が、今回本作が受賞した賞の次点となるエキュメニカル賞特別表彰を受けたことで日本でも知られている。
同作が、コンペティション部門において、審査員賞を受賞したことから、本作『光』もコンペティション部門での賞の受賞に弾みをつけた。

現地で授賞式が行われ、監督は「メルシーボークー」と切り出し、「この映画は、“映画”とは一体なんなんだとうということを問いかけながら作りました。
映画祭が70年を迎える年にこの賞をいただけることを光栄に思う」と感激の表情を浮かべた。
明日の授賞式に向けて、幸先の良いスタートを切ったと言えます。

河瀨直美監督コメント
映画というものは何なんだろうと考えて作りました。映画がもたらすものはたくさんありますが、人を繋ぐものだと思っています。
人は人種も国境も越えていくものだと思います。映画館の暗闇の中で、映画という光と出会うとき、人々は一つになれるのだと思います。
カンヌでも一体感を持てたことがうれしかったです。この混沌とした時代に、70年という記念の年に栄えある賞をいただけて大変うれしく思います。ありがとうございます

永瀬正敏コメント
歴史あるすばらしい賞。感謝しています

【カンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞】
エキュメニカル審査員賞は、プロテスタントとカトリック教会の国際映画組織「SIGNIS and INTERFILM」の6人の審査員によってカンヌ国際映画祭ではコンペ部門出品作の中から選ばれる賞。
「人間の精神的苦痛や弱点ならびに可能性にいかに関わるかということを通じて人間の神秘に満ちた深遠さを示現するという映画の力を証明した芸術的優秀性のある作品を表彰する」という目的で、キリスト教徒の映画製作者、映画評論家、その他映画専門家によって1974年のカンヌ国際映画祭時に創設。
その後、世界各国の映画祭でこの部門が設立されている。

日本作品での授賞は、最新作では『ふしぎな岬の物語』(2014)がモントリオールで同賞を受賞、カンヌ国際映画祭では、青山真治監督の『EUREKAユリイカ』(2000)が同賞を、是枝監督の『そして父になる』(2013)が同賞のスペシャルメンション(特別表彰)を受賞した。