石橋静河、池松壮亮、石井裕也監督登壇『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』初日舞台挨拶のご報告 受信トレイ x 山口慎平 添付ファイル16:04 (2 時間前) To york29yamaguchi
この度、2013年『舟を編む』で賞を総なめにし、その後『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』など、33歳にして長編映画12本目となる石井裕也監督最新作、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』を5月13日より、新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開、5月27日より全国公開する運びとなりました。
原作は、2016年に出版された、最果(さいはて)タヒの同名詩集。最果さんは2008年、当時女性では最年少の21歳で第13回中原中也賞を受賞するなど、各メディアから「新しい表現者」として今最も注目されている詩人です。
映画の舞台となるのは2017年、現代の東京。看護師として病院に勤務する傍ら、夜はガールズバーで働き、言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年、慎二が排他的な東京で生きづらさを抱えながら出会い、そして、恋がはじまる瞬間を描くラブストーリー。
美香を演じるのは、石橋凌と原田美枝子の次女、本作が映画初主演となる石橋静河(いしばししずか)。慎二には、石井監督作品への出演が本作で3度目となる、池松壮亮。
その他にも、慎二と同じ工事現場で働く冴えない中年男性・岩下を田中哲司。同じく慎二の同僚で、行き場のないイラ立ちを抱える智之を松田龍平が出演。その他にも、市川実日子、佐藤玲、三浦貴大など豪華かつフレッシュなキャスト陣が名を連ねる。
公開前から映画評論家や映画ライターから、「まさしく“今”の東京を描いた作品」「他の恋愛映画とは一線を画した映画」「石井監督の最高傑作」「石橋静河の堂々した演技に驚いた」「本作でこれまで見たことのない池松壮亮が見れる!」などと大きな反響となっており、本日、初日舞台挨拶を実施!主演の石橋静河と池松壮亮、そして石井裕也監督が登壇しました!
☆映画『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』初日舞台挨拶 概要
日程:2017年5月13日(土)/場所:新宿ピカデリー スクリーン1
登壇者:石橋静河(22)、池松壮亮(26)、石井裕也監督(33)
雨が強く降りしきる中、新宿ピカデリーのスクリーン1で催された映画『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の初回上映会の会場は観客で満席となった。映画の上映後、観客の熱気に包まれた会場に多くの拍手で迎えられた石橋、池松、石井裕也監督。豪雨の中、来場した観客に石橋は「本日は、朝早くから観に来てくださって、ありがとうございます。」と挨拶。池松も「初日からわざわざありがとうございます。雨だと初日の動員がガクっと下がると聞きました。(満席となった会場を見て)ありがとうございます。」と挨拶。石井監督は万感の表情で「こうして初日を迎えられて嬉しく思っております。恋愛映画と銘打ってますが、ただの恋愛映画じゃなくて、国際的にも国内的にも色々問題が溢れていますけど、そのことと人を好きになることは無関係じゃないと思っております。そういう思いを込めて作りました。この時代にしか生まれえない映画になったと自負しております。詩が原作となっておりますので、どのように感じていただいてもかまいません。少しでも楽しんでもらえたり、何か感じてもらえたりしたら、嬉しいです。今日はご鑑賞、本当にありがとうございました。」と生きづらさを抱えながら、希望を見出そうとひたむきに生きる若者二人の物語を作り出した本作に対する思いを語った。
本日13日より、新宿と渋谷で先行公開となった映画の舞台は同じく東京の新宿と渋谷がメインの舞台となっている。何故新宿と渋谷を舞台にしたかと問われると石井監督は「個人的な意見ですけど、東京と言えば新宿と渋谷だと思っています」と回答。今回、石井監督は脚本も執筆しており、石橋は「私は、本を読むところからがすでに挑戦でした。理解することが最初は出来なくって、でも(この映画には)自分が見たことのない景色があるような気がして、何かすごく感覚的な部分が含まれている映画だと思いました」と初めて台本を読んだ時の感想を述べた。池松も「これは傑作になるなと感じました。本当に素晴らしくて、僕はそんなに手を加えていない初稿と呼ばれる状態で読んで、その時点でもうペンを止めてもいいのでは、と思うほど素晴らしかったです。」と石井監督の脚本の完成度を絶賛し、「詩集の言葉云々よりも、その奥にある書いた人の物語とか、社会や“今”が映っていて、すごく面白かったです」と答え、詩集の世界観を映画化するという稀有な試みであった本作の奥深さについて語った。
本作が映画初主演となった石橋だが、石井監督は「実力という意味では、池松壮亮という天才には足元にも及ばないわけだけど、ただ新人であることが圧倒的な魅力で、新人でしか起こせない奇跡は起こしてくれた」と評価し、舞台挨拶上で堂々とした表情を見せる石橋のことを「現場でもこんな風でした」と撮影時を振りると、石橋は「必死すぎて覚えていなかった」と返答。
映画で石橋との共演シーンが最も多かった池松は「なかなか人物を説明するのは難しいですけど、意外と石橋さんのことを知らないなって思いました。ただ(撮影期間の)3週間一緒にいて、石橋さんが演じていた“美香”というキャラクターは、生きることがとても苦しそうなんだけど、でも生きることに純粋でまっすぐ立っていて、すごく好きでした」と美香を熱演した石橋を絶賛。
まだ新人でありながら、石井裕也監督の作品に初めて出演し、しかも日本を代表する若手実力派俳優である池松と共に主演を務めるにあたって大きなプレッシャーを感じていた石橋だが、石井監督の印象を聞かれると、長く熟考し、「ちゃんとみんなのことを見てくれているんだと思いました。全部見えている人。」と答えると、石井監督はすかさず「この長い沈黙すごいですよね。現場での様子も今思い出しましたけど、すごい新人女優が現れたと思います。」と語った。
石井監督とは、TVドラマを含め4度目の石井作品の参加となる池松は、「今回は石井さんが辿っているストーリーの中では
新しい挑戦となっていると思います。石井裕也が持っている感覚的なものを映画として皆で表現できたと思っています」とこれまでの石井作品の系譜をたどりつつ、新たな側面を内包している作品であることを強調した。石橋も本作について「ずっと心の中にある。忘れられない作品になりました。私にとっては“始まり”となった作品です」とこの作品に参加できたことへの感謝と作品に込めた強い思いを語った。
最後に、映画を観てもらった観客に池松は「今日はホントにありがとうございました。昨今、色んな恋愛映画が日本で公開されていますけど、どこにも属さない稀有な作品が出来たと思ってます。“今”をどう生きることとか、人と人とがどう繋がっていくこととか、そういうことをこの映画を通じて、何か一つ答えを見つけることができたのではないかと思ってます。他のどのメディアでも出来ない人間賛歌になったと信じています。」と映画の魅力を語り、石橋が、「私はこの映画でたくさん苦しいことがあったり、色んな人に迷惑をかけたりしました。でも私自身はこの映画にたくさん救われました。この映画が多くの方に届くといいな、と思っております。今日はありがとうございました。」と締めくくり、大きな拍手に包まれる中イベントは終了しました。