文化芸術の街「上野」と喜劇発祥の地「浅草」を舞台に繰り広げられるコメディ映画の祭典「したまちコメディ映画祭in台東」(略称したコメ)。今年も2016年9月16日(金)〜19日(月・祝)に「第9回したまちコメディ映画祭in台東」を開催致します。「したコメ」は、東京随一の下町(したまち)の魅力をコメディ映画を通じて存分に味わっていただく、いとうせいこう総合プロデュースのコメディ映画祭です。
セス・ローゲン、 ザック・エフロン、ローズ・バーンらが出演する『ネイバーズ』の続編。クロエ・グレース・モレッツ、セレーナ・ゴメスが加わりお下劣がパワーアップして帰ってきました!今年一番のお下劣&ドイヒーエンターテイメント!日本初公開です。ゲストに松江監督をお呼びし観客と共に作品の魅力について語りました。

●実施日時:9月18日(日) 
●場所:雷5656会館ときわホール
●ゲスト:松江哲明監督

【松江哲明監督】
(『ネイバーズ2』は朝から観る映画ではないですよね…?)
ないですね(笑) 僕も先にDVDをお借りしたんですけど、夜に家族が寝しずまった頃にビール飲みながら観たんですが、時間は選んだ方がいいですよ。凄い下品ですから(笑)

(『ネイバーズ2』から観る会場のお客さんに対して)
1の続き系っていうか、キャラクターとか関係性とかが前作あった上での、描き方なので、初めて観る人は、なんでここで笑ってるんだろうってあると思いますね(笑)

(第一作目の予告編観て、思い出すことはありますか?)
赤ちゃんがコンドームを加える映画!恐ろしい映画だなと(笑)
味方がいないんですよね、この映画。大学に苦情言っても、校長先生がバカっていう。
出てくる人みんなバカんですよね!みんな助けても、誰も解決してくれない。そういうところがね、2でもちゃんと引き継がててね、全然成長しないっていうね。

(キャストのクロエにふれて、)
こないだクロエちゃんが役者ちょっと休むって、彼氏と別れたばかりみたいなニュース観た後にこの映画を観たんですよ「これじゃなぇか?)」と思いましたよ(笑)。(クロエ・モレッツがハチャメチャな役柄を演じていることが)ちょっと休んだ方がいいんじゃないかな、キャリアを台無しにしていますよね(笑)

(作品観の似ている『アニマルハウス』について)
描き方が時代で全然違いますよね。同じテーマでも『アニマルハウス』って反体制、格差ですけど、『ネイバーズ』、『ネイバーズ2』って大人になるものっていうか、個人的な問題を描いていますよね。
『アニマルハウス』は外に向かっていく映画だけど、『ネイバーズ』とかって内に入っていくっていうか、自分探しの映画みたいな。特に2はそういう感じがあって、3・40年前とは全然変わって来てるんだなって思いましたね。

(松江監督は『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』で感銘を受けた?)
『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』は全部実名で出ているんですよね。役者さんたちが自分役をしているんです。セルフパロディしてるじゃないですか。自分で自分を客観視しているコメディがすごく好きで、日本にそういうコメディがないので、やりたいなと思ってますね。
現実と現実を利用して作っていくっていうのは面白いじゃないのかなと、本人のイメージを誇張していくっていうのは新しいなと思いますね。だって絶対SMAPとかでやったら楽しいじゃないですか(笑) やってみたいですけど、責任負うの怖いな(笑)

(ハリウッドパーティコメディ映画でおすすめとかありますか?)
『プロジェクトX』ですね。きっかけはドキュメンタリータッチスタイルで、手持ちカメラPOV手法で撮ってるから、観ようと思ったんですけど、中身はモテない男たちが無理をして大変なことになる。結果的に家が壊れたりとかして、家が壊れる映画良いなと思って(笑)
手法もすごいけど、映画自体にパワーがある映画で凄い良かったですね。

(埋まってしまうコメディ映画について)
コメディっていろんな人と一緒に観るのがいいですよね。今作もクロエちゃんが汚いものを投げるところを笑うか引くかで人のツボがわかったりしますからね(笑)

(最後に一言)
コメディって言っても、単に笑うっていうとこじゃなくて、ちゃんとこう人間の成長っていうものが描けるのが最近の映画の面白さだなって思います。