『海炭市叙景』(10’/熊切和嘉監督)、『そこのみにて光輝く』(14’/呉美保監督)に続く、孤高の作家・佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』が、本日9月17日(土)テアトル新宿他にて全国公開しました!(配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区))

本日9月17日(土)初日舞台挨拶を行いました!蒼井 優さん、松田翔太さん、北村有起哉さん、満島真之介さん、松澤匠さん、山下敦弘監督が登場!去る7/28(木)に行われた東京プレミア上映会にてお話した通り、主演のオダギリジョーさんは不在。代わりにオダギリジョーさんの等身大パネルが登壇しました。さらに、撮影中のキューバからメッセージが到着、松田さんが代読し、笑いが起きました!

【日時】 9月17日(土)13:30〜14:00 舞台挨拶(30分) ※上映前
【場所】テアトル新宿(新宿区新宿3-14-20 新宿テアトルビルB1F)
【ご登壇者】 蒼井 優、松田翔太、北村有起哉、満島真之介、松澤 匠、山下敦弘監督

【イベントの様子】
まずは、満島真之介がオダギリジョーの等身大パネルを持って登場、他のキャストも笑いながら登場しました。

満島「オダギリさんが今日来られないので、みんなでパネルをだそうぜって翔太さんが提案して」
松田「劇中は4Kで撮影してるから(画質がいい)って言ってたのに、いざパネルを見たら画質が良くない(笑)
でもオダギリさん、来てくれました!」

■一言ずつご挨拶
蒼井「この世界に誕生する日を楽しみにしすぎていました。」
松田「この作品に参加できて本当に心がいっぱいです。撮影中、実は、代島という役を演じるのに何かモヤモヤしていました。でも映画を見たら、すごくポジティブになっていて、本当に好きな映画になりました。嬉しい限りです」
満島「初日嬉しいです!僕はデビュー作がテアトル新宿で公開され、舞台挨拶もここでした。その作品以来の初日舞台挨拶で嬉しいです!」

■蒼井さんは8月23日に誕生日を迎えられ、31歳になりましたよね。30代のスタートとして、節目となる作品になったのではないでしょうか?今のお気持ちはいかがでしょうか?
蒼井「よく映画の取材で、“この映画は蒼井さんにとってどんな映画ですか?”と聞かれてあまりよく分からなかったけど、 “何が好きで何があまり好きではないかを教えてくれた作品”になりました。私はこの映画と同じくらいの規模の映画からキャリアがスタートしましたが、改めて、小さな幸せのお話が好きなんだなと思いました。オダギリジョーさんの主演としての立ち位置を拝見していたら、もし次に主演をやらせていただく機会があれば、こんな距離感でやりたい、と思いました。」

■MCは:松田さんも9月10日に、蒼井さんと同じく31歳になりましたね。松田さんにとってこの映画はどんな存在になりましたか?
松田「監督も、オダギリさんや蒼井さんも、いつかお仕事したいと思っていた人たちでした。たまたま、代島という役柄を演じることが、腑に落ちない時があったけど、楽しい撮影の中で、“この立ち位置で正解なんだな”と思ったことがありました。代島は、接着剤みたいな存在で、代島がいないとまとまらない。そう思えてから熱が入ってきました。こんな気持になれて、俳優として成長できてるのかなと思わせてくれた映画でした。

■北村さん、職業訓練校では幅広い人達がいましたが、演じる上で気を付けた点などありますか?
北村「あまり余計なことをしないほうがいいなと思いました。撮影のない日に函館で何をしようかなと。自然と体が染まっていくような気がしました。映画が大好きで、映画の力を信じるスタッフとキャストが、みんな同じビジネスホテルに泊まって一緒に作りました。そんな月日が本当に幸せでした。その辺りもスクリーンから出ていると思います。楽しんでください。」

■満島さんは「この映画を空のような作品」と以前インタビューでお話されていましたね。改めて、お聞かせいただけますか?
満島「この時間に見たからこそ感じられる映画、という感じがしました。景色ごとに変わるというか、何度も観たいなと思う映画です。自分が30代、40代になった時に見返したら、また見方が変わるんじゃないかなと思います。」

■松澤さんは『味園ユニバース』から2作品目の山下監督作品への出演ですね。今回の山下組はいかがでしたか?
松澤「『味園ユニバース』では大阪のチンピラ役でしたが、衣装合わせの時に、歯を抜けとか金髪にしろと言われて…結果やらなくて済んだけど、今回はまゆげを薄くするだけだったので、良かったです(笑)今回は、前2作(『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』)のスタッフもいたので、監督がいつもと違う感じがしましたね。

■先日発表した第21回釜山国際映画祭の他に、台湾Shine Film Festival、香港アジア映画祭、サンディエゴアジア映画祭、ハワイ国際映画祭、第二回上海日本映画展など、続々と映画祭が決まっております。監督、お気持ちいかがでしょう?
監督「海外の人たちにどう伝わるんでしょうね、今後釜山には行きますが、釜山のお客さんはオダギリさんや蒼井さんをよくご存知だと思うので、楽しみです。」
松田「人種関係なく分かってもらえる映画だと思います」
蒼井「私の尊敬している方がインタビューで、海外で評価されるということは、海外の映画に日本人が出演するということよりも、日本映画が海外で活躍することがグローバル化だと言っていましたが、海外の文化を持った方々にも通じたら、薄い扉が開く気がします。」

■今日は、残念ながらオダギリさんが欠席です。そんな中、キューバにいるオダギリさんからメッセージが届きました。松田さん、代わりに読んでいただけますか?
松田:はい。すべりそうになっても僕のせいじゃないですよ(笑)

【オダギリジョーさんからの手紙】 ※松田さんが代読しました。
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監督を始め、
出演者、関係者の皆様、
無事に初日を迎えられた事、
おめでとうございます。
そして何より
初日に足を運んで頂いた
観客の皆様、
本当に、ありがとうございます。
お気付きの方も
多いと思いますが…
この晴れの日に
重要な人物が不在です。
この作品になくてはならない、
魅力が溢れて止まらない、
この作品を代表する俳優、
その名も
常吉《つねきち》が不在です。
いや、どこかにいるのかな?
常吉さんもそうですが、
僕が行くことが出来なくて
本当にすいません…
公開初日に
主演がいないというのは
聞いた事がない、
まさに前代未聞の状況で、
謝ることしか出来ませんが…
この事態を
もしも良く捉えようとするならば…
ある意味
マンネリ化していた
初日舞台挨拶の在り方に
新たな光を射したのかも
しれませんね……
会場の空気が分からず
コメントを書くのも
なかなか怖いですが…
もしも
少しでも笑える雰囲気で
このコメントが
読まれているならば、
オーバーフェンスも
同様に
暖かく迎え入れられる事と
確信しています。
今日を初日に
少しでも多くの方に
見て頂けるよう、
皆さんのご協力
よろしくお願いします。
m(._.)m
最後に、
この作品を
このスタッフ、
このキャストで
このタイミングで
作れた事、
そこに参加できた事に
心から感謝します。
そして函館での合宿生活。
朝市に行った時のこと。
カニの味噌汁を頼んだら
サービスで付いて来たのが
シンプルな味噌汁で
なぜか味噌汁がふたつになった事も
今となっては大感謝です。
今まさに
キューバで
体重を10キロ落とし
ゲリラ戦を撮影している
最中なので
余計に
ふたつの味噌汁なんて
大大感謝です。
あ〜味噌汁の味。

オダギリ ジョー
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松田:みなさんに笑っていただけて良かったです。
監督:常吉さんに触れてくれて良かったです(笑)

■手紙にもありましたが、オール函館ロケの印象が強く残っていますね。
満島:スタッフもキャストも全員同じホテルに泊まっていたんです。ロビーがみんなのたまり場となって、みんなでお酒を飲んで語り合いましたし、そのおかげで先輩方とも仲良くなれました。蒼井さんなんて一緒のシーンは全くなかったのに、密度濃く一緒にいました。先ほどお味噌汁のお話もありましたが、僕も海鮮丼を思い出したり、撮影以外のことを思い出します。
まだあの時の思い出を語り合えるくらいです。参加できて良かった。おごっていただいてありがとうございます。

蒼井:公開初日を迎えて、手元のカードを全て出してしまった状態です。今日みてくださった方が、そのカードを、まだタイトルを知らない方たちに向けて渡してくださったら嬉しいです。どうかお力を貸してください。

監督「このスタッフ・キャストでこのタイミングで作ることができて、良かったです。大事な作品になりました、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』の両監督にも感謝ですし、佐藤泰志さんの原作にも感謝です。今それを実感していました。僕にとって特別な映画だし、力のある作品になったと思います。これから宜しくお願い致します」