この度、アンジェリーナ・ジョリー・ピットが出演、監督、脚本、製作を務めた意欲作『白い帽子の女』(9月24日(土))の公開を記念して、著述者の湯山玲子さんをお呼びしトークショーを行いました。著書「文化系女子という生き方「ポスト恋愛時代宣言」!」や「日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない 」などで現代女性の生態を鋭く切り、多くの女性から共感を得る湯山玲子さん。彼女がアカデミー賞(R)受賞女優であり、国連の人道支援や病と闘うパワフルな人物として女性の憧れであるアンジェリーナ・ジョリー・ピットのついて、また夫であるブラッド・ピットを迎えてハネムーンで撮影した監督作『白い帽子の女』で描いた夫婦愛について語ります!

日時:9月14日(水)21:05〜21:35(30分)
[映画上映後]上映時間:122分
場所: 日本シネアーツ社  
(新宿区市谷本村町2−5 AD市ヶ谷ビル)
◆登壇者: 湯山玲子さん

Q、まずは作品をご覧になっていかがでしたか?
「素晴らしかったですよ。とくにアンジェリーナが。だって、ちゃんと“ブス”にみえるからね。だってこの映画の一番の宣伝文句は“ブランジェリーナ”の作品ってことで、みんな期待するわけじゃないですか。でも、ちゃんとブスに演じてるし、アンジーの顔力でストーリーを感じさせる絵画みたいなものに挑戦している。とても意欲作ですし、非常にアートに寄っていて、カサヴェテス(ジョン・カサヴェテス 映画監督・俳優)へのオマージュ全開ですよね!ものすごく影響を受けていますよね。

Qアンジェリーナについて
「トゥームレーダー」みたいな作品にも出ているし、ハリウッド映画のイメージを背負っているので、そのイメージを消すのに前半使っちゃうよね(笑)。“国連“とか!でも顔力がすごいからもうそんなこと気にならなくなっちゃう。それと、アンジーのお風呂のヌードシーン。すごいよねー。ゾッとする美しさでしょ。ブリジット・バルドーのことを『男にとっての悪夢だ』って言った人がいたんだけど、そんな感じ。天性のファムファタールだと思いますね。隣の部屋に住んでるメラニー・ロランがダサくみえるもんね。彼女は欲望の強い人だから、名女優になりたいんでしょうね。ラース・ファントリアーとか、ペドロ・アルモドバルとかに撮って貰えばいいのよ。強烈な個性のある監督に次々と”私をどう料理したいかシリーズ“で映画を作ったらどうかしら。なんだったら「シン・ゴジラ」にアンジーが出たらいいんじゃないの?戦えばいいのよ!ゴジラと!それくらい”世界的女優“。

Qブラッド・ピットについて
稀有な男優よねー。日本でいうと三浦友和みたいな。作中では売れない作家の役をやってるんだけどぴったりよ。こういう中庸なタイプっているよね。クラスで一番モテるんだけど、どこにでもいるって感じの。ブラピは安定しているからみていると本当に落ち着く珍しい人だよね。彼に個性がないからこそ、役者として説得力がある。男代表って感じ。でも、劇中では一言で言っちゃうと「男って女を理解できないよねー!」ってことなっちゃうんだけどさ。

Q、アンジーが監督だとしてヒロインを別の人が演じるとしたら?
それは大竹しのぶしかいないでしょう。それほどのファムファタールはなかなかいないよね。

Qこの作品の見所を教えてください
ブランジェリーナという大スターが、自分たちで映画を撮ったらどこまでいけるか、という挑戦をスクリーンでじっくり観てほしい。アンジーという人はなんなのか、ということがとても分かる映画だと思う。